息抜き・小ネタ

2017/12/27

「食べること」は「生きること」 口で食べることの大切さ

この記事の監修/執筆

Mocosuku編集部

「食べること」は「生きること」  口で食べることの大切さ

私たちは生きていくための栄養を食事から摂っていますが、「食べること」は単に栄養摂取の一手段ではなく、健康を維持したり、生きる楽しみを味わう機会でもあります。
ところが、食べる機能の低下や病気によって、食べることができなくなってしまうことがあります。
食べることができなくなる問題、食べることの大切さをみていきましょう。

食事を口から食べることの大切さ

医療技術の進歩で、口から食べる以外にも栄養を摂取する手段はあります。
しかし、口から食べることは、単に栄養を摂取するだけではない、次のようなメリットがあります。

神経系を活性化する

食べものを認識し、手を使って口まで運び、歯で噛み、味わって飲み込む一連の動作。
何となく行動しているようでも、実際には脳の指令によって、さまざまな情報伝達、指令系統を働かしています。これら一連の動作は神経系の活性化につながっています。

脳が活性化する

食事は見た目や匂い、食感や味覚などの五感を刺激します。「おいしい」「嬉しい」といった感覚・感情も、脳を刺激し活性化させます。
また、噛むことで、脳の機能を向上させる効果もあります。

口腔内を清潔に保つ

食べものを口から摂り、噛むことで唾液が多く分泌されます。
唾液には口腔内を清潔に保つための自浄機能があり、口の雑菌繁殖を抑え、口腔内のトラブルや、肺炎などの病気の予防になります。

生活の質(QOL)を向上させる

家族や友人、周囲の人びととの会話も楽しめる食事や、季節感を感じることのできる食事は、 満足感や充実感を得ることができQOL(生活の質)も向上します。
口から食べることの楽しみは何よりも生きる楽しみ、元気の源となるのです。

口から食べることが難しくなる原因って?

脳からの指令で「摂食・嚥下(えんげ=飲みこむ)」動作が行われ、「食べること」ができます。
ところが、食べる機能に支障をきたすと、誤嚥(ごえん)と呼ばれる、飲み込もうとして気管へ入ってしまったり、むせてしまったり、食道へ入っていかず喉に残ってしまう、といったトラブルがみられます。
また、口から食べることが難しくなる主な原因には次のものがあげられます。

・脳血管障害(脳梗塞・脳出血など)による麻痺
・加齢による摂食・嚥下機能の低下
・舌、咽頭、喉頭癌など口腔の形態的な問題
・パーキンソン病などの神経や筋肉の病気

食べる機能が低下するとどうなるの?

食べる機能が低下すると、栄養が十分に摂れなかったり、「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」を引き起こすリスクが高まります。
肺炎は日本人の死亡原因第3位で、多くは高齢者が「誤嚥」することで発症しています。さらに、誤嚥性肺炎の入院治療中、食べない時間が長くなり飲みこむ機能がさらに低下することで、寝たきりとなってしまうケースもあります。
その他にも、食べる機能の低下は、食事から得られる五感への刺激や家族や友人とのふれあう機会の減少、食べることの楽しみや生きがいを失わせてしまいます。

食べる機能を保つために

では、いつまでも口から食べ続けられるようにするにはどうしたらいいのでしょうか?

生活習慣を改善する

摂食・嚥下障害の主な原因となる脳血管障害は、動脈硬化、高血圧、糖尿病などの病気によって発症のリスクが高まります。
これらの病気は生活習慣病ともいわれ、喫煙などを含む生活習慣の改善が必要です。
嚥下にまだ問題がない頃から、栄養バランスのとれた3食の食事、適度な運動やしっかりとした睡眠、禁煙などの生活習慣を心がけましょう。

口腔内のトラブルを防ぐ

口から食べるためには噛む力を維持すること、口腔内のトラブルをなくすことも大切です。
歯を失ってしまう原因となる虫歯や歯周病の予防、定期的なメンテナンスは欠かせません。
かかりつけの歯科医をもち、定期的に診てもらうようにしましょう。

摂食・嚥下のトレーニング

加齢とともに噛む力や飲みこむ機能は低下します。
また、口、舌、顎などを動かさないことでも筋肉や関節の機能は低下し、飲み込む力は失われてしまいます。
食べる機能に関連した筋肉を鍛えるトレーニングは、誤嚥を防ぎ、食べる力を維持することに有効です。
医療の現場でも口から食べることは重要視され、嚥下機能障害がある場合、理学療法士が状況に適した運動療法などの理学療法技術を行い、食べる機能を高める役割を担ってくれています。

早めの相談を

飲み込む時にむせたり咳込んだりする、食事中に声がかれる(声が変わる、ガラガラ声になる)、食べるのに時間がかかる、しゃべりにくいなどの症状がみられる場合は、誤嚥のリスクがあり注意が必要です。
誤嚥性肺炎を予防するためにも、このような症状がみられる場合、早めに医師に相談することをおすすめします。

食べる力を損なうことなく、いつまでも「口から食べること」ができるようにしたいものですね。

<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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