美容

2018/01/11

「幹細胞コスメ」はなにがスゴイの?

この記事の監修/執筆

Mocosuku編集部

「幹細胞コスメ」はなにがスゴイの?

山中伸弥教授のノーベル賞受賞で、幹細胞の一つ「iPS細胞」に注目が集まりました。
これにともない「再生医療」という画期的な治療法の実現に向け、大きな期待が寄せられています。
そして女性にもっと身近なものとして、コスメに新たな風が吹き始めているようです。
「幹細胞コスメ」をご存じでしょうか?
今回はこの幹細胞コスメについてご紹介いたしましょう。

幹細胞について

人間の身体は約60兆個の細胞でできており、その元となるのが幹細胞です。
ES細胞(胚性幹細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)などの幹細胞は、身体を作っているあらゆる細胞に分化する能力や、同じ幹細胞をつくりだす能力をも併せ持っている、未分化細胞であり、万能細胞です。
私たちの身体では常に細胞の新陳代謝が繰り返されています。
これを司るのは「成体幹細胞」と呼ばれ、生体の各組織にある造血幹細胞・神経幹細胞・皮膚幹細胞などが該当します。
これらは、骨、血液や神経、皮膚など、特定の組織を構成する細胞に分化します。

再生医療について

幹細胞は赤ちゃんのときに多く、年齢とともに減少して体細胞に変わります。
この加齢による新陳代謝の低下を、自己培養した幹細胞を補うことで細胞減少に歯止めをかけ、若々しさを保てる…という再生医療への関心が高まっています。
また、幹細胞を用いて、脳卒中、心筋梗塞、アルツハイマー、パーキンソン病、骨粗鬆症、アトピー、リウマチなど、病気発症のリスクを軽減する可能性にも望みを託されています。
幹細胞を投与し体内を循環させ、肝細胞そのものが傷ついた組織の修復再生を施すというわけです。

皮膚の幹細胞

皮膚には二つの幹細胞があります。

・表皮幹細胞:皮膚のターンオーバーの周期を司り、表皮を生まれ変わらせる
・真皮幹細胞:肌組織を作りだす線維芽(せんいが)細胞を生み出し、真皮を生まれ変わらせる

加齢によって、双方の幹細胞の再生能力が低下すると、シワやたるみ、乾燥など、肌の老化の原因になります。
これを幹細胞の働きにより、表皮幹細胞は表皮細胞を、真皮幹細胞が線維芽細胞をたくさん作りだせれば、ターンオーバーを短縮し肌組織は若々しい健康な状態を取り戻すでしょう。

幹細胞コスメとは

これまでのコスメは、主に表皮の水分や脂分などのバランスを整えるための、いわば化粧品でした。
一方、幹細胞コスメは、幹細胞の培養液を使って皮膚細胞の再生力を活かそうというものです。
従来のコスメとは違い肌そのものを活性化させるのです。
とはいえ、コスメに使用するのは肝細胞自体ではなく、幹細胞を培養したときに分泌される幹細胞培養液です。
この培養液には、活性酸素を除去する酵素やビタミンなどが豊富に含まれているため、保湿や美白といった美容効果が期待されています。
この幹細胞培養液のことを「幹細胞コスメ」と呼んでいます。
幹細胞コスメを皮膚から吸収させると、皮膚の細胞の活性化を促し肌組織の再生が可能になります。
幹細胞コスメは、弱くなった組織や崩壊した組織を再生し、若い頃の状態に戻す、つまり組織の再生と酸化・糖化を防御する実に画期的なコスメといえます。

幹細胞コスメの種類

現在、コスメに用いられる幹細胞には3種類あります。

ヒト由来

ヒトの脂肪由来幹細胞や神経由来幹細胞などです。
年齢肌のケアに有効です。
アレルギー反応や副作用の心配はないとされていますが、高額です。

植物由来

リンゴ、アルガンツリー、ローズなど、抗酸化物質を豊富に含む植物の幹細胞培養液を使用します。
活性酸素を除去し、細胞の酸化を防ぐ効果があるといわれます。
使用前に、パッチテストをします。

動物由来

羊のプラセンタや毛根などで、羊はヒトの皮膚の幹細胞に似ているため、動物由来はほとんどが羊です。
アレルギーや拒絶反応などが懸念され、日本ではあまり流通していません。
植物由来と同様、使用前にパッチテストをします。

幹細胞コスメの効果

これまでのコスメは、いわば対症療法的で、ダメージを減らすことや予防程度にとどまっていました。
しかし、幹細胞コスメは細胞そのものに働きかけ、新しい細胞を作りだして細胞を活性化し、根本的に老化を改善できると見込まれています。
具体的には次のような効果が挙げられます。

表皮幹細胞の活性化

表皮幹細胞は新しい肌を作る働きがあり、肌のターンオーバーを促進します。
EGF(表皮細胞成長因子)が表皮幹細胞を増産し、キメを整え肌のバリア機能を高めます。

真皮幹細胞の活性化

真皮には、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸など、肌の弾力を保つ成分が豊富です。
真皮幹細胞は、その細胞自体を再生産することと、線維芽細胞を作る働きを持ちます。
そして、FGF(繊維芽細胞成長因子)が真皮幹細胞の中で増えれば、弾力やシワ、たるみの改善に効果があります。

敏感肌の改善

幹細胞の抗炎症作用により肌の炎症が抑制されます。
敏感肌やアレルギーなど、肌を改善します。

美白効果

幹細胞コスメには、メラニン色素を生成するチロシナーゼという酵素の分泌を抑制する働きがあり、メラニン自体を作らないようにして、シミ予防の効果があります。

このように、細胞の若返りという、まったく新しいアンチエイジングケアとして興味津々の幹細胞コスメ。
現時点では、まだまだ高価で副作用などの不安要素という課題もありますで、きちんと情報収集をしてご自身が納得した上で使用しましょう。

【参考】
科学技術振興機構「iPS細胞物語」

<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

【関連記事】
再生医療で難聴 の治療が可能になる日が来る?
アンチエイジングにも効果的、覚えておきたい「ドライケア」
劣化と騒がれる原因は「 老け顔 」の低年齢化にあり?


  • このエントリーをはてなブックマークに追加