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2018/02/06

行き過ぎた団結力? 「ピア・プレッシャー(同調圧力)」を回避する方法

この記事の監修/執筆

Mocosuku編集部

行き過ぎた団結力? 「ピア・プレッシャー(同調圧力)」を回避する方法

「ピア・プレッシャー」という言葉をご存知ですか?
ピア(peer)とは同僚や仲間のこと、プレッシャーは文字通りのプレッシャーですから、「同僚からの圧力」(『デジタル大辞泉』より)と訳されたりします。
「同調圧力」というと分かりやすいかもしれません。
どういう状況を表す言葉なのか、検証してみましょう。

ピア・プレッシャー:周囲から受ける圧力

「皆がまだ働いているから、自分だけ先に帰りづらい」「体調が悪いけれど、ここで頑張らないとチームに迷惑がかかる」など、職場や部活など組織行動やチームワークが重んじられる集団では、仲間や同僚との和を大切にし、全体の利益や目標のために各々が力を尽くすことを求められます。
しかし、これを重視するあまり、目標や競合あるいは上長からの圧力だけでなく、仲間や同僚からも精神的重圧を受けやすくなるといわれます。
この重圧がピア・プレッシャーで、「周囲から受ける圧力」とも呼ばれます。
独りよりも皆と一緒がいい、他者と協調して活動する方が快適、という人は、周囲からの「ちから」をプレッシャーとは受けとらないでしょう。
しかし、なかにはそうではない人もいます。
たとえば、他の人にはすこぶる楽しみな女子会も、密かな苦痛になってしまう人がいるのです。
場合によっては、「本当は飲み会もチームも苦手、でも、そんな情けない自分を許せない、他人に見せられない」という心理から、意思に反してむしろ積極的に参加する人もいます。

和の精神や協調性の尊重:日本の集団文化

もともと「ムラ社会」から発展してきた日本文化の集団性。
周囲との調和や全体の利益を最優先するなど、欧米の個人主義とは異なった生き方を培ってきています。
どんなシーンにおいても「あなたはどうしたい?」「君はどう考える?」と、I(私)を重要視してきた欧米の文化とは対照的といってよいでしょう。
ですから、「ウチの会社ではね…」とか、「ワタシの学校では…」といった、自分自身と所属集団とを同一視するような言い回しは珍しくありません。
ピア・プレッシャーの背景には協調性や調和を重視する日本の精神的風土があります。

過剰適応:距離感の喪失

たとえば、職場の残業において、自分の業務が終わっているならさっさと帰ればよいのに、「皆が働いているから自分だけ帰れない」と思ってしまう…
これは、具体的に誰かがプレッシャーをかけているというより、本人が周囲を意識しすぎている場合も少なくありません。
さらに、「皆の意向やその場の雰囲気を壊してはいけない」と考えるようになると、「過剰適応」になっていきます。
適応とはその場になじむという意味ですが、過剰適応は「場にのめりこみ過ぎる」ことで、まじめで熱心な人ほどなりやすいといわれています。
このような場合、仲間や同僚間の相互管理(水平管理とも呼ばれます)は、ピア・プレッシャーを強めるように働きます。
そして当人はいつしか、オンとオフ、自分と相手との区別がつかない心理状態になっていきます。
いわば、自分と相手、自分と場との距離感がなくなってしまっているともいえるでしょう。

ほどよい距離が大切!

仲間や同僚たちから受ける影響は、ポジティブな面とネガティブな面があります。
うまく機能すれば、協力したり切磋琢磨したりする源泉になりますし、悪く作用するとピア・プレッシャーになってしまいます。
どちらに転ぶかは、自分の心もち次第という見方もできます。
前述のように、過剰適応して集団にハマってしまうのではなく、チームやチームメイトとほどよい距離感を保ちましょう。
そして、仕事とその集団に所属する自身を客観視すると、プレッシャーも自分なりに受け入れられるようになるでしょう。
ピア・プレッシャーに陥らないためには、いつも皆と一緒にいるのではなく、時にはNO!と意思表示をして一人になる勇気も必要かもしれません。

なんでも言い合える関係が大切!

相手に気を遣い過ぎて言いたいことが言えない、相手の気持ちを察するあまり配慮ばかりしてしまう…
そんな人は、場の空気を乱すようなことにはならなくても、いつの間にかピア・プレッシャーを強く感じているかもしれません。
そうならないために、互いに思ったことを言えあえて、相手の誤解を恐れない関係の構築が大切です。
「仲間」とは、くっついたり離れたりしながらも、気がつくと一番近くにいるような間柄をいうのかもしれません。

最後に筆者の所感として、ピア・プレッシャーは、個人レベルでみると、お互いに指摘しあうことにより脱出可能です。
ただし、集団レベルになると、集団そのものがメンバーにピア・プレッシャーをかけている、と自覚する必要がありますので、かなり難しい状況であると思います。

<執筆者プロフィール>
山本 恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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