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2018/02/27

バラ色の斑点のような発疹… 「ジベル薔薇色粃糠疹」という皮膚の病気

この記事の監修/執筆

Mocosuku編集部

バラ色の斑点のような発疹… 「ジベル薔薇色粃糠疹」という皮膚の病気

皮膚に現れる湿疹の原因と症状はさまざま。
どなたも一度は、何らかの湿疹ができたけれど、放っておいたら治っていた… という経験をお持ちでしょう。
今回はあまり聞きなれない皮膚の病気、しかし決して珍しくはない「ジベル薔薇色粃糠疹(じべるばらいろひこうしん)」についてご説明します。
とくに若い世代に多いといわれています。
ふつうの湿疹とは違いますので、もし似た症状の発疹が現れたときには参考にしてみてください。

ジベル薔薇色粃糠疹とは

お腹や背中を中心に、淡い薔薇色の斑点ができるのが、この病気の特徴です。
比較的若い10~30歳代の発症が多く、小さい子どもや高齢者にはあまり見られません。
季節は夏よりも冬に発症することが多いようです。
病名の「ジベル」は、この疾患を最初に報告した医師の名前です。
「薔薇色粃糠疹」というのは「細かいフケが付着したバラ色の斑点」という意味です。
病名の印象から難しい病気のように思われるかもしれませんが、通常は放っておいても自然治癒するため、重い病気とはみなされていません。

一般的な症状と経過

最初は数㎜~2cmほどの紅斑(赤い斑点のような発疹)が、おもに体幹(お腹や背中)を中心に出てきます。
これを原発疹(げんはっしん)といいます。
手のひらや足、顔などに出ることはほとんどありません。
その後7~10日位でその紅斑よりも小さな楕円形の発疹が胴体に出てきて、一定の方向に分布していきます。
紅斑の大きさは3~4㎝で色は赤く、大きくなるにつれ次第に中央部が褐色になります。
さらに周囲が赤くガサガサして、乾燥した皮膚が付着してくる、という経過をたどります。
痒みは、ある場合と全くない場合があります。
多発性の紅斑は、皮膚のシワの方向に沿って出現しますので、背中に出るとまるでクリスマスツリーの様な形に見えることがあります。
熱や倦怠感など、全身症状をともなうことはほとんどなく、1~2か月で症状は治まり痕も残らず予後は良好です。

原因は解明中

原因はまだはっきりとは解明されていませんが、真性細菌のマイコプラズマや何らかのウイルス感染、病巣感染アレルギー、自己免疫、自家感作皮膚炎(※)などではないか、といういくつかの原因説があります。
しかし、あくまでも仮説ですので今後の研究が待たれます。
また、この病気は人から人に感染することはありません。
※自家感作皮膚炎:もともと身体の一部で発症していた湿疹や皮膚炎がこじれて、小さなブツブツ状の発疹が全身にできるもの。強い痒みやジュクジュクした浸出液をともなう。

治療法

日常生活に支障がなければ、とくに何もしなくても1~2カ月で自然治癒しますので、特別な治療は要りません。
ただし、発疹に強い痒みがともなうときは、迷わず皮膚科を受診しましょう。
痒みには抗ヒスタミン薬の内服、発疹が悪化していればステロイドの外用薬を使用します。
消炎鎮痛薬やワセリンを用いることもあります。

他の病気との区別

ただし、大切な注意点として、いま出ている症状は本当にジベル薔薇色粃糠疹なのか、放っておいても良いのか正しく判断する必要があります。
体部白癬(※)や脂漏性皮膚炎、薬疹、ウイルス性発疹など、他の病気の症状である可能性があるからです。
勘違いをして放置すると、本来の病気の治癒を遅らせてしまいかねません。
その判断には血液検査や菌検査、皮膚生検をするケースもあります。
ですので、多発性の紅斑がでたら自己判断に任せず、まずは皮膚科医に相談しましょう。
※体部白癬:水虫の一種。体幹だけでなく、顔、手の甲、足の甲まであらゆる場所に繁殖する可能性がある。初期は赤いブツブツやカサカサ、その後、赤い輪になって広がる。かなりの痒みがある。

治るまでに注意すること

入浴は構わないのですが、こすり過ぎると皮膚を傷つけ、細菌感染する可能性があります。
他の人には感染しませんから、外出などは問題ありません。
ただし、激しい運動や過労、ストレスは避けたほうがいいでしょう。
食べ物では、お酒やチョコレート、唐辛子などを摂ると発疹が広がる傾向にあります。
また、妊婦さんがかかっても赤ちゃんに影響はありません。

湿疹の初期というのは、自分だけが気づく事が多いものです。
初期の段階でどのような症状が出ているか、よく観察して見極めてください。
そして、他の病気の可能性も視野に入れ、手遅れにならないうちに皮膚科を受診しましょう。

【参考】
日本臨床皮膚科医会『ひふの病気 ジベル薔薇色粃糠疹』

<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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