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落としても3秒以内ならセーフ! 食べ物の「3秒ルール」は正しい?

食べ物を落としても3秒以内に拾えば大丈夫、という「3秒ルール」。
どこかで聞いた覚えはありませんか?
古くから存在する迷信のようなこの通説、実は海外でも秒数こそ違うものの「5秒ルール」など、同様の「○秒ルール」があるようです。
さて、日本でよくいわれる「3秒」には、何か根拠があるのでしょうか?
ご一緒に掘り下げてみましょう。

私たちの周りに存在する細菌やウイルス

落とした食品を食べるという行為でもっとも懸念されるのは、なんといっても食中毒でしょう。
食中毒とは、有害な細菌やウイルスなどの微生物、化学物質、寄生虫などに汚染された食品や飲料水を摂取することで起こる、下痢や嘔吐などさまざまな症状の総称です。
もちろん、すべての微生物が有害というわけではありません。
また、家庭の床に存在する菌やカビの種類は、自然界に広く分布している好気性芽胞菌やカタラーゼ陽性グラム陽性球菌、一般的な黒カビが中心です。
これらの微生物が体内に入っても、ふつうの数であれば健康な身体に影響を与えることはありません。

食中毒のリスクを高める要因

ホコリは、菌やカビを吸着することがわかっています。
不衛生な環境では菌やカビは増えやすいですから、定期的な掃除が必要です。
また、手指や鼻などに存在する黄色ブドウ球菌は、通常よりも増殖すると食中毒を引き起こします。
そのほか、食中毒の原因となる細菌は、ヒトや動物の腸内にも多く存在していますので、トイレ付近や花壇や砂場、浜辺などは注意が必要です。
このように、ヒトの周りには細菌やカビ、ウイルスなどの微生物があふれているのです。
ただし、ヒトにはこれらに対応する機能が備わっています。
口に食べ物を入れると、微生物は唾液や胃酸により殺菌されます。
ここでほとんどが死滅しますが、生き残った微生物が腸に進むと、無害なものは身体にとってよい働きをしたり、そのまま排泄されたりします。
一方、有害なものは悪影響を与えてしまうことがあります。

○秒ルールにまつわる研究

ラトガース大学(アメリカ)の食物微生物学者、ドナルド・シャフナー教授は、この通説(アメリカは5秒ルール)に科学的根拠があるか研究しています。
教授率いるチームは次のような実験をおこないました。

実験方法

床材各種(ステンレス鋼、セラミックタイル、木材、カーペット)にサルモネラ菌を塗布し、各食品(スイカ、パン、バターを塗ったパン、グミキャンディ)をそれぞれの床材に落とします。
そして、1秒未満、5秒、30秒、300秒が経過した時点で、菌の付着状況を調べました。

結果

・1秒未満であっても菌は必ず付着する。
・時間が経過するにつれ菌の付着量は増える。
・床材別の菌の付着率は、カーペット<セラミックタイル<ステンレス網の順に高くなる。
 木材は木の材質や表面の状態によりばらつきが出る。
・食品の場合、水分量が影響する。
 付着率は、グミキャンディ<パン<バター付きのパン<スイカの順に高くなる。

さらに教授らは、2,500回あまりも回数を重ねすべての組み合わせを調べました。
その結果、「食品の種類や床面の材質によって菌の付着量が変わるため、時間の経過だけで判断はできない」と結論づけています。

日本の「3秒ルール」で気をつけるポイント

これまでの話を整理して、気をつけるポイントをまとめてみました。

・3秒以内はあくまでも目安、時間では安全と判断できない
・どんなに早く拾っても微生物の付着は防げない
・微生物が付着したからといって必ずしも身体に害があるわけではない
・水分量の多い食品は微生物がつきやすい
・できるだけ早く拾ってホコリや汚れを落とす
・動物が糞尿をする可能性がある屋外では拾ったものは食べない

抵抗力が弱まっているときは時間に限らず拾ったものは食べない

通常、人が住む環境での無菌状態はあり得ません。
ゆえに、ヒトには菌に対応する力が備わっているのです。
その対応力を最大限に活かすためには、身体が健康な状態である、ということが大前提です。

【参考】
ハザードラボ『“3秒ルール”はウソだった!食品落下実験2560回で証明される』

<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー。
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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2018/03/12

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この記事の監修/執筆

Mocosuku編集部