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痛い!でも気持ちいい~ この「イタキモチイイ」はよいこと?

「イタキモチイイ」というコトバの意味、きっと何らかの実体験により皆さんご存知だと思います。
漢字では「痛気持ち好い」という表記になるでしょうか。
コトバンクでは、「軽い痛みとともに気持ちよさも感じる」と定義されています(※)。
今回は「痛い」と「気持ちいい」を同時に感じる「イタキモチイイ」という感覚について、どんな現象なのかを検証してみました。

「イタキモチイイ」と感じるとき

痛いのに気持ちがいい…とは、改めて考えるとなんだか不思議な表現ですよね。
痛いは「苦痛」、気持ちいいは「快楽」を表しますから、「イタキモチイイ」は対義語が混在している表現といえます。
それでは、どういう状況でこのような感覚になるのでしょうか。
皆さんも実感があると思いますが、たとえばストレッチやマッサージなどの場面です。
マッサージでツボを押してもらったとき、久しぶりに運動をして軽い筋肉痛になったとき、肩が凝ったので手を頭の上にあげて伸びをしたとき…などなど、「あ~痛いけど気持ちいい~」とつい言葉に出てしまうことがあります。

「イタキモチイイ」は効いている証拠(肯定派)

マッサージや揉みほぐしのお店では、「イタキモチイイ」は常套句のようです。
強さ加減について、スタッフが「イタキモチイイくらいがちょうどいいですよ」と助言をすることが多いとききます。
一種の業界用語的な使われ方といえるでしょうか?
ちなみに、この場合は「効いていて気持ちいい」という意味だそうです。
筋肉の質に合わせて施術し、疲れているポイントにアプローチできれば、力を入れなくてもしっかりと効いていて気持ちがいい、という解釈に基づいています。

「イタキモチイイ」は逆効果だという指摘(否定派)

前述の支持派に対して、逆効果だという反論もあります。
たとえば、肩こりは肩の筋肉が緊張して硬くなっている状態であり、その筋肉を痛いと感じるほど揉んだり押したりするのは、筋肉をほぐすどころかむしろ筋線維を痛めてしまうというのです。
つまり、硬くなった筋肉を揉むことで筋線維が炎症を起こしている可能性があるというわけです。
ストレッチも同様で、イタキモチイイと感じたら、正しくほぐされているのではないといいます。
これは、筋肉が強く伸ばされて筋紡錘(きんぼうし)という組織が反射的に強く収縮し、かえって硬くなってしまう可能性を指摘するものです。
また、本当に筋肉が弛緩して血液循環が良好になりイタキモチイイ場合と、筋肉の繊維が切れて痛む部位に、痛みを和らげる物質が流れて気持ちよく感じているのだ、という条件付き賛成派?の意見もあります。

「イタキモチイイ」に確かな根拠はあるのか?

コトバンクで定義はあるものの、「イタキモチイイ」の科学的もしくは医学的根拠に言及する文献等は、今回探し当てることはできませんでした。
現時点では「イタキモチイイ」という表現は、感覚として多くの方がピンとくるものの、そのメカニズムは解明されていない…といったまとめになるでしょうか。
ちなみに、マッサージやフィットネス分野における、「イタキモチイイ」の是非を問う記述のなかには、セロトニンの介在を指摘する声がありました。
ある程度筋肉痛に慣れてくると、セロトニン効果で気持ちが安定し、ただの痛いから、痛いけれど気持ちがいいと、感じ方に変化があるという説です。
この観点からいうと、「ランナーズハイ」でよく知られるベータエンドルフィンも、脳内麻薬として痛みの緩和や気持ちよさに作用しています。
もし、こうした神経伝達物質が「イタキモチイイ」という感覚に関与しているとしたら、大変興味深いことです。
今後の医学的解明を期待して待ちましょう。

【参考】
コトバンク『痛気持ち好い』

<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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2018/03/19

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この記事の監修/執筆

Mocosuku編集部