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2018/03/26

尿意を感じたら?「すぐトイレに行く」vs「少しガマンする」

この記事の監修/執筆

Mocosuku編集部

尿意を感じたら?「すぐトイレに行く」vs「少しガマンする」

「オシッコを我慢しすぎてはダメ!」
子どものころから耳に馴染むフレーズですよね。
教えに従い、寝る前や外出先など、さほど尿意はなくても取りあえず行っておく…という習慣があるかもしれません。
しかしその一方で、「頻繁にトイレに行くことはよくない」という指摘もあります。
膀胱の健康を保つため、日常の排尿において私たちはどのような点に気をつけたらよいのでしょうか。
ご一緒に詳しく見ていきましょう。

排尿のメカニズム

尿は腎臓で作られています。
腎臓に入ってきた血液は、毛細血管でできている「糸球体(しきゅうたい)」という集合体でろ過されます。
これを原尿といい、1日150~200リットルも作られます。
その後原尿は尿細管に流れていき、99%は再吸収され血液に戻ります。
尿細管を通過した1%が、輸尿管を通り少しずつおしっことして「膀胱(ぼうこう)」に送られます。
膀胱に尿が溜まると、平滑筋でできている膀胱の壁が伸びて脳に刺激(情報)を伝達します。
排尿の準備ができていないと、脳の排尿中枢が交感神経を刺激して内尿道括約筋を収縮させ、さらに尿を溜めるように指示します。
排尿の準備が整うと、排尿反射が起こって副交感神経を刺激し、内・外尿道括約筋を緩めて排尿に至るのです。

排尿の標準

私たちの血液中の老廃物や余分な水分・塩分などは、排尿によって排出されます。
1日の排尿量は気温や発汗、生活習慣や水分量、年齢や個人差などにも左右されます。
成人男性では、次のような標準値が示されています。


・トイレ1回あたりの排尿量:およそコップ一杯(150~250ml)
・1日に排尿する回数:日中4~7回、夜間0~1回
・1日の総排尿量:1,000~2,000ml
・1回の排尿にかかる時間:10~30秒
ちなみに、膀胱の容量は500mlほどですが、実際は150~200ml溜まると「トイレに行きたい(初発尿意)」と感じます。
健康な成人では300~400mlまで溜めることができます。
また、総排尿量が多すぎたり少なすぎたりする状態を次のように呼んでいます。


・尿閉(0ml):膀胱に尿が溜まっているのに排尿できない状態。導尿が必要になる
・無尿(100ml以下):膀胱に尿がない状態
・乏尿(400ml以下):1日の尿量が標準より著しく少ない状態
・多尿(3,000ml以上):1日の尿量が標準より著しく多い状態
さらに、1回の排尿に40秒以上を要するときは排尿困難が疑われます。

トイレの回数:頻尿について

「頻尿」は24時間で8回以上の排尿がある状態です。
また、就寝後3回以上だと「夜間頻尿」と呼ばれます。
頻尿には次のような原因が挙げられます。


・加齢により尿の濃縮ができない、膀胱の弾力性が失われている
・コーヒーやお茶、ビールなど利尿作用のある飲料をたくさん飲む
・緊張や不安などの心理的要因(膀胱に機能的異常がなくても起こる)
・頻尿をともなう疾患(膀胱炎や尿道炎、腎盂腎炎、過活動膀胱、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮脱、糖尿病など)

膀胱を鍛えた方が良い場合

できるだけ排尿を我慢して、膀胱に尿を溜めるトレーニングを「膀胱訓練」といいます。
頻尿や尿失禁のある人に推薦されています。
おもな要領は次のとおりです。


・排尿記録をつける(自分の排尿パターンを知る)
・肛門や尿道に力を入れて尿を我慢する
・排尿以外のことを考える、深呼吸をするなど、尿意を紛らわせる
・1週間単位でトイレに行く間隔を伸ばす
たとえば、1時間に1回トイレに行っている人は、1週間後は1時間15分、2週間後は1時間30分…と間隔を伸ばしていく
膀胱訓練は、一般的に1か月半から3か月ほどで効果が表れるといわれています。
専門家によると、膀胱の容量が少ない人、トイレに行くことに関して神経質な人に適しているとのことです。
一方で、前立腺肥大症や膀胱炎、過活動膀胱、膀胱結石など、尿を我慢してはいけない病気もありますので、取り入れる際は注意が必要です。
専門家の指示、助言に従いましょう。

頻尿の対策

頻尿対策として普段から次のような点に留意するとよいでしょう。

・利尿作用のある飲み物を控える
・緊張や不安で頻尿にならないよう、外出時などはトイレの位置を確認しておく
・女性の場合、出産後や閉経後は膀胱や骨盤の機能を鍛える
・気になる症状があるときは泌尿器科(女性泌尿器科)を受診する
とくに女性は、尿道が真直ぐで短く筋肉も弱いため、構造上尿トラブルを起こしやすくなっています。
妊娠や出産時に膀胱が圧迫されて、頻尿になることもあります。
さらに、出産をきっかけに骨盤底が伸びる、尿道括約筋が緩む、といった症状も見受けられます。
産後の尿漏れ対策に「骨盤底筋体操」(※)などを取り入れてもよいでしょう。
排尿のメカニズムを知って、若いうちから適切にケアをすると、更年期以降の頻尿予防にもつながります。

※AERA.dot(アエラ ドット)『尿もれ全タイプに2カ月で効果あり!4ポーズで骨盤底筋トレーニングとは?』
【参考】
坂井建雄・橋本尚詞/著『ぜんぶわかる人体解剖図』(成美堂出版 2011年)

<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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