症状から探す

長くツライ便秘… 便秘薬に頼っても大丈夫?

つらい便秘が長引くときは、セルフメディケーション(※)として便秘薬を使う方法もあります。
セルフメディケーションを取り入れる際は「どの程度の症状であれば自分で対処可能か」という判断が求められます。
便秘薬についてはどのような点に注意すればよいのでしょうか?
今回は便秘薬について、詳しく解説していきます。
(※) WHO(World Health Organization:世界保健機関)の定義:「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」

便秘の定義

便秘とは「排便回数が減る」という排便の不調です。
個人差がかなりありますので明確な定義づけをするのは難しいようです。
日本消化器病学会によると、
「(排便の回数は)1日2~3回の人から2~3日に1回くらいの幅に広がっています。1日3~4回、あるいは3~4日に1回でも、それが長年の排便習慣で、全く苦痛がなければ便秘と考えなくてもよいでしょう」とのこと。
その一方で
「しかし、便秘薬を使わないと出ないとか、2日に1度でも腹が張って苦しくなるなどという場合は、便秘として治療した方がよいでしょう」とも述べています。
「毎日排便がない=便秘」ではない、ということになりますね。
※日本消化器病学会『下痢と便秘』

便秘の種類

大腸にポリープがあるなど病気に起因する便秘は「器質性便秘」、大腸のぜん動運動が不十分、大腸の働きが弱いことなどによる便秘は「機能性便秘」と呼ばれています。
器質性便秘については早期に医療機関を受診するようすすめられています。
機能性便秘にはおもに次の3つの種類があります。

・弛緩性便秘
 ぜん動運動の機能が低下して、便が押し出されず滞留する便秘
 お腹に張りが出る、ガスが溜まる、おならも出やすい

・けいれん性便秘
 自律神経の乱れなどから腸が痙攣し便の移動の障害で起こる便秘
 ストレスなどが原因となる便秘で、便秘と下痢をくり返すこともある
 ウサギの糞に似た硬くてコロコロした便が出る

・直腸性便秘
 直腸まで便が来ても便意を感じないため便が直腸に溜まって起こる便秘
 残便感が強く便が出にくい
 いきまないと出なくなる

これら機能性便秘も、症状が深刻な場合は専門医の受診をおすすめしますが、そうでなければセルフメディケーションを取り入れて、市販の便秘薬を使うことも考えられます。

便秘薬

便秘薬はおもに次の3つのタイプがあります。

・刺激性便秘薬
⇒直接腸に働きかけて刺激を与えて排便を促す
 小腸刺激性と大腸刺激性がある

・機械性便秘薬(非刺激性)
⇒消化された食べ物のカスに作用する
 塩類下剤、糖類下剤、膨張性下剤など
 酸化マグネシウム便秘薬は代表格

・その他
 腸分泌促進剤、座薬、浣腸、漢方薬など

使用上の注意

刺激性便秘薬や浣腸などは即効性があって、すぐに排便を促したい人には効果的といわれます。
浣腸だと10~20分、刺激性便秘薬だと6~10時間程度で効果が現れるとのこと。
しかし、刺激性便秘薬は作用が強く、服用時に腹痛をともなうことや常用性による耐性からさらに強い効果を求めるようになる可能性があります。
これに対して、機械性便秘薬は腸に負担がかからず、毎日飲んでも耐性ができない点は安心です。
どちらかというと、即効性よりも排便が滞らないような状態をキープするのが酸化マグネシウム便秘薬など機械性便秘薬の効能です。
ですから、乳酸菌や整腸剤と一緒に、予防的に使うことがすすめられています。
酸化マグネシウム便秘薬は、腸内の水分量を増やし排便の流れを良くするよう作用します。
上限量は1日に2,000ミリグラム程度です。
市販の便秘薬を上手に取り入れるには、効果が穏やかな酸化マグネシウム便秘薬や、腸内環境を整える整腸剤を最初に使うことです。
それでも改善せず症状がつらいときは刺激性便秘薬を使うといった、効き目が穏やかなものから即効性のあるものへ段階的に使用する方法が奨励されています。
また、日本大腸肛門病学会は便秘のセルフケアについて次のようにアドバイスをしています。


・まずは食事や運動などの生活習慣を見直す。食物繊維不足や運動不足になりがちな人はとくに意識して努力を!
・それでも便秘が治らない場合は市販の下剤を必要な時だけ最小限に服用する
・習慣的な服用は薬の効きを悪くすることがある
・薬局と相談してできるだけ穏やかな便秘薬から始める
・便秘が続いて毎日の生活に支障をきたす場合は病院を受診する
※日本大腸肛門病学会『便秘について』

このように、便秘対策にはなにより便秘薬を使わなくてもよいような生活習慣が一番です。
そのうえで便秘になったときは、穏やかな便秘薬⇒即効性のある便秘薬⇒受診という段階を踏むことをおすすめします。
なお、受診の際は消化器内科や肛門科など、胃腸を専門に扱う診療科を選びましょう。
最近は便秘を専門に扱う「便秘外来」もあります。

<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

【関連記事】
女性の大敵・便秘! 原因と対策をご紹介
「便秘とストレス」は大いに関係アリ? 改善方法をご紹介
安易な使用はダメ! 便秘薬「酸化マグネシウム」の死亡リスク


2018/04/24

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事の監修/執筆

Mocosuku編集部