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妊娠中の「つわり」は、旦那さんへもうつる!?

妊娠中にさまざまなことが原因で体調不良をもたらす「つわり」。
妊婦さん特有の症状というイメージが定着していますが、実は旦那さんも同じように体調が悪くなることがあります。
まさか!と思われるかもしれませんが、「男性のつわり」とみなされ「クーヴァード症候群」と呼ばれています。
どうしてこのようなことが起こるのでしょうか?

「クーヴァード」の由来

クーヴァード(Couvade)はフランス語古語の「鳥が卵を抱く」に由来しています。
民俗学では「擬娩(ぎべん)」と訳されました。
妊娠や産褥(さんじょく)といった広い意味での「出産」を、古代社会では「夫婦が共同して卵を抱くような作業」とみなして、この名が生まれたといいます。
妻の出産期に夫が守るべき禁忌があって、ある特定の食べ物を食べてはいけないとか、狩りや漁労をしてはならない、むやみに外出しないで家にいるかじっと横になっている、といった習俗もあったようです。
出産は女性にとって「苦しみ」でもあるわけですが、夫も一緒に苦しむ、または苦しむふりをするという、まだ文明社会になる前の古いの風習が擬娩の由来と考えられます。

クーヴァード症候群とは

クーヴァード症候群の症状としては、吐き気、食欲不振、頭痛、胃痛、めまい、感情の変化(イライラや不安、涙もろくなるなど)、食の好みの変化、嗅覚の変化などが挙げられます。
まるで、女性のつわりの症状のようですよね。
しかし、産婦人科を受診している妊婦さんとは違い、たいていの男性はそれぞれの症状によって受診をします。
たとえば、胃痛や吐き気の症状によって内科を受診し、結果「夏バテ」のような「機能性の異常」などと診断されるわけです。
そのような事情から、「男のつわり」と診断されることはめったにないでしょう。
また、治療についても、胃酸を抑制する薬を処方されたり、吐き気止めを飲むよう指示をされたり、などの対症療法になります。
まさか妻の妊娠に関連して自分にも症状があらわれている…とはなかなか思えないのですね。

クーヴァード症候群の原因と対処法

女性の妊娠にともなって男性にも似た症状が現れることがある、という事実は古くから知られているようです。
しかし、クーヴァード症候群が起こる原因は医学的にははっきりと解明されていません。
体調が思わしくない奥さんの様子に深く同情したり、妊娠中の奥さんに代わる家事や育児に疲れてしまったり、あるいは、奥さんのつわりを通じて父親になるプレッシャーを感じてしまったりすることなどから、さまざまな症状が出現するとみなされています。
こうした「精神的・心理的」な要因による症状を「心因性」といいます。
今のところクーヴァード症候群の原因も心因的なものではないかと考えられています。
そのため、旦那さんに限らず、その姉妹が体調不良になるようなケースもあるそうです。
また、治療については、妊婦さんは薬を飲めませんが男性は大丈夫ですから、胃腸症状や吐き気にはそれぞれ見合った薬を処方してもらいましょう。
クーヴァード症候群は、通常奥さんのつわりが落ち着いたり、出産が終わると治まることが多いといいます。
奥さんのつわりの時期に、旦那さんにクーヴァード症候群らしき兆候があると、なんとなく頼りなく精神的な弱さを感じてしまうかもしれません。
でも、やさしくて共感性が高い、責任感が強い旦那さんという見方もできます。
夫婦で支えあって充実したマタニティ・ライフを過ごす…そんな心もちでいてはいかがでしょうか。
もしも今、この記事を読んでいるアナタが妊婦さんで、旦那さんの調子が悪そうだったら、「男性にもつわりがある」ことを思い出してくださいね。

<執筆者プロフィール>
座波 朝香(ざは・あさか)
助産師・保健師・看護師。大手病院産婦人科勤務を経て、株式会社とらうべ社員。育児相談や妊婦・産婦指導に精通

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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この記事の監修/執筆

Mocosuku編集部