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春だけじゃない! 気がつきにくい「秋の花粉症」とは

今や国民病とも称される花粉症。
「春先の病気」というイメージが強いかもしれません。
ところが、花粉症は秋にも発症します。
「秋の花粉症」とはどういうものなのでしょう?
今回は秋の花粉症の特徴や、春の花粉症との違いと対策などについてご説明します。

花粉症の基礎知識

花粉症は植物の花粉が原因となりさまざまなアレルギー症状を引き起こす病気です。
私たちの身体には、侵入してくる異物を撃退しようとする「免疫」という機能が備わっていて、病気から身体を守り健康を維持してくれています。
アレルギー反応はこの免疫反応を過剰に作用させてしまいます。
そして、アレルギー反応を起こさせる物質を「アレルゲン」といいます。
花粉症の場合は、植物の花粉がアレルゲンとなり、目や鼻、のどや皮膚、あるいは口の中といった部位にさまざまな症状を引き起こします。

季節性アレルギー性鼻炎

ダニやハウスダスト、ペットの毛やフケなどは、アレルゲンが一年中あります。
ぜんそくや皮膚炎などの症状を季節に関係なく引き起こすため、通年性アレルギーと呼ばれています。
これに対して花粉症は、原因となる花粉の飛散する時期にだけ症状が出ることから「季節性アレルギー性鼻炎」と呼ばれています。
花粉症はスギやヒノキといった春に花粉の飛散する植物へのアレルギー反応が多く、春の病気として認知されてきました。
加えて環境省の花粉症情報サイト(※)を始めとする多くの啓発や対策なども、春の花粉症を想定した情報が多いのです。
秋の花粉症については春ほど情報提供がないことも、広く知られない一因かもしれません。
※環境省『花粉観測システム(愛称:はなこさん)』

秋に発症する花粉症のアレルゲン

春のスギやヒノキに対して、秋の花粉症の原因になる主なアレルゲンは次のような雑草です。


・ヨモギ(8月中旬~10月中旬)
・カナムグラ(8月中旬~10月中旬)
・イラクサ(9月上旬~下旬)
・ブタクサ(9月中旬~10月中旬)

ヨモギやブタクサのようなキク科の植物、さらにはイネ科の植物も花粉症の原因になるといわれています。
日本医師会(※)によると、キク科やイネ科の草花は水気の多い空き地や河川敷に群生するため、このような場所で遊んでいる子どもにアレルギー症状が出ることが多いそうです。
ですからこの時期、空き地や河原での外遊びには注意が必要です。
※日本医師会『秋の花粉症-空き地や河原に注意-

秋の花粉症の症状

花粉症でよく知られる症状は、クシャミ・鼻水・鼻詰まりの「鼻の三大症状」と、涙・かゆみ・充血などの「目の症状」です。
このほかにも、のどや皮膚のかゆみ、熱っぽい感じや下痢などが挙げられます。
また、最近では原因となるアレルゲンとたんぱく質の構造が似ている野菜や果物を食べると、口の中が腫れたり痒くなったりする「口腔アレルギー症候群」が起こることもわかってきました。
こうした春の花粉症と同じ症状が、秋の花粉症にも現れます。
ただし、一般に秋はアレルゲンとなる花粉の粒子が春よりも小さいため、鼻から気管にまで至って、ぜんそくのような症状やのどの奥に痛みが生じるなどの症状も見られます。
夏から秋にかけて、季節の変わり目に起こる秋の花粉症は、夏風邪と間違われやすいという点も注意が必要です。

風邪やインフルエンザとの違い:風邪との見分け方

風邪やインフルエンザと花粉症の症状には、次のような相違が指摘されています。


・全身の痛み:インフルエンザは症状がひどい、風邪や花粉症にはほとんどない
・熱:インフルエンザは高熱、風邪は微熱が多い、花粉症は時々微熱程度
・鼻水:風邪やインフルエンザは最初のうちサラサラしていても段々と粘り気が出る、花粉症は透明でサラサラとした鼻水がとめどなく出続ける
・クシャミ:花粉症は何度も出る、風邪やインフルエンザはそれほど出ない
・鼻づまり:風邪やインフルエンザは症状が出ても数日続く程度、花粉症は長引いてひどくなる
・のどの症状:風邪やインフルエンザは痛みや腫れを伴う、花粉症の場合、春はイガイガ感が強く、秋は痛みや腫れにつながることがあ
・咳:風邪やインフルエンザは症状がひどくなり数日間続くことが多い、花粉症は出ることがある程度

【参考】医療法人社団杉本クリニック『アレルギー性鼻炎、風邪、インフルエンザの見分け方

秋の花粉症対策

秋の花粉症の対策も、春と同じように、マスクやメガネなどを使用する、花粉を身体につけない、帰宅時に花粉を落としてから家に入るなど、アレルゲンの除去が基本です。
また、原因となる植物に近づかない、という意識も予防策のひとつです。
お子さんがいる人は、前述の日本医師会の情報にあるとおり、飛散量の多い時期に空き地や河川敷で遊ばせないようにすることも大切です。

さらに、季節がら風邪やぜんそくと勘違いをして花粉症の対策を怠りやすいという側面もあります。
耳鼻咽喉科やアレルギー科などを受診して、正しい原因を見極めてから適切に対処することが重要です。
世界の花粉症事情に目を向けると、日本はスギ、アメリカはブタクサ、ヨーロッパはイネが主なアレルゲンになっているといわれています。
ですから、日本は春、ヨーロッパは夏、アメリカは秋と、世界でも花粉症が多い季節のイメージが定着しているようです。
日本で見落とされがちな秋の花粉症、心当たりのある方は、原因を明らかにするためにまずは医療機関の受診をおすすめします。

<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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2018/10/06

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この記事の監修/執筆

Mocosuku編集部