貧血

2018/10/05

妊娠前から続く貧血…胎児に影響はあるの?

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妊娠前から続く貧血…胎児に影響はあるの?

貧血に悩む女性は多く、妊娠することで悪化することも少なくありません。今回は、妊娠前から貧血持ちで、妊娠初期から鉄剤を処方されて飲んでいる妊婦さんからの相談です。貧血による胎児への影響について心配しています。専門家はどのように答えているのでしょうか。

妊娠32週のプレママからの相談:「貧血による胎児への影響が知りたい」

私は妊娠前から貧血持ちです。妊娠初期から症状が酷く、鉄剤を処方されて飲んでいます。中期に一度数値が平常になったので、鉄剤を飲まなくても良いとお医者様に言われました。1ヶ月ほどしてからまた貧血の検査をすると、初期の頃よりもかなり数値が下がっていました。今はまた鉄剤を処方されて飲んでいます。薬は毎日飲んでいますし、食事も肉、魚、野菜をバランスよく三食食べるように気をつけています。しかし、どうしても数値が良くなりません。産まれるまで2ヶ月を切りましたが、貧血が、生まれてくる子どもにどんな影響があるのか知りたいです。また、その鉄剤を飲んでいなかった1ヶ月の間、胎児に影響はないのでしょうか。(20代・女性)

重度の貧血は早産や低体重のリスクに

貧血が胎児に及ぼす影響は、早産や低体重、出生後の赤ちゃんの貧血があります。リスクを減らすためにも貧血を防ぎたいものですが、妊娠中に鉄分を含む食事を心掛けても貧血が予防できる根拠はないとのことです。

妊娠中は赤ちゃんの発育のために大量の鉄分を必要とするので、お母さんは貧血になりやすいです。重度の貧血は早産や低体重のリスクを起すことがあると指摘されています。 (看護師)
母体が貧血の場合、胎児期に充分な鉄の蓄えができず、生後赤ちゃんが貧血になる可能性が高くなることもわかっています。(看護師)
現在のところ、実は妊娠中に鉄分を含む食事を多く摂取することで貧血が予防できるという十分な根拠は示されていません。ですが、厚生労働省は、バランスの良い食生活を奨励しており、その中で赤ちゃんのために消費されていく鉄分を食事からしっかりと摂るようにすすめています。(看護師)

鉄剤を飲んでいなかった1ヶ月は問題ないとの見解

貧血ではない状態での鉄剤の内服は高血圧や低体重児のリスクが高くなるとのことです。妊娠中期に数値が平常になったために、鉄剤の処方が中止されたとのことですので、1ヶ月鉄剤を内服しなかったことによる胎児への影響はなさそうです。

貧血の無い状態での鉄サプリメント(鉄50mg)の内服は高血圧や低体重児の増加が確認されていることから、貧血の無い状態で鉄サプリメントと同等か鉄サプリメントよりも鉄含有量の多い鉄剤を内服することは高血圧や低体重児の有害な反応をおこす可能性があるといえます。そのため貧血改善を意識した食生活を行っても中々うまく貧血が改善しなかったり、妊娠中期に貧血の値が平常になった際は鉄剤を飲まなくても良いと医師に言われたのだと思われます。(看護師 )
1ヶ月鉄剤を内服しなかったことによる影響もありません。ただ、お産は多かれ少なかれ出血します。貧血気味の場合は、お産の時に出血が多くなったとき、産後の体力回復が少し遅れるかもしれません。あくまでも母体の話であり、今赤ちゃんの成長が週数通りであれば赤ちゃんの心配は特にいらないと思います。(看護師)

バランスの摂れた鉄分の多い食事を心掛けていても、妊娠中は大量の鉄分が使われるため、どうしても貧血になりやすくなっています。鉄分を含む食事が、貧血を予防する十分な根拠はないとのことですが、妊娠中の貧血は、食事療法と鉄剤の内服が基本的な治療となりますので、続けていくことが大切のようです。

参考文献:
エビデンスをもとに答える 妊産婦・授乳婦の疑問92 南江党 出版
病気がみえるvol.10: 産科 第3版 メディックメディア 出版
妊婦・授乳婦 – 厚生労働省「妊産婦のための食生活指針」P23
厚生労働省eヘルスネット 貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう


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