不妊の基礎

多核受精の割合が高い…原因や治療を教えて!

不妊治療中の女性からの相談です。現在、顕微授精に取り組んでおられますが、多核受精の割合が高く悩んでいます。多核受精の原因や治療にはどういったものがあるのでしょうか?専門家の回答を見てみましょう。

不妊治療中の女性からの相談:「多核受精で悩んでいます」

不妊治療中です。これまでに顕微授精を4回行い、4回移植を行いました。(新鮮2回、凍結2回)精子の検査結果は悪くないのですが、毎回多核受精の割合が高く、悩んでいます。これまでに移植に至った卵は全て分割期多核胚の胚盤胞のみです。現在、妊活のために細胞の老化を遅らせると言われているミトコンドリアを増やすために、運動や筋力トレーニングを行い、食事の内容や食べ方にも気をつけています。他に今後どのような事に注意して、生活したら良いのでしょうか。また、治療内容については多核受精発生の原因は何なのか、どのような治療によって改善するのか教えて頂きたいです。(30代・女性)

健康的な生活を維持しましょう

現在、運動や食事内容に気を付けておられるとのことですので、今後も健康的な生活を維持しましょう。また、その他に気を付けると良い点についてアドバイスがありました。

よく卵の質の問題(卵子の老化)と言われていますが卵の質が悪い原因は加齢が主で、その他に関しては不明なことが多いので正直対処法がありません。せめて移植胚が着床しやすくなるよう、引き続き妊娠しやすい身体づくりを行う良いと思います。(看護師)
今行われていること以外ですと、タバコを吸うようなら夫婦ともに禁煙する、血液の循環をよくする、ストレスを溜めない、適正体重を維持すると良いです。(看護師)

多核受精の発生の原因は2点

不妊治療、体外受精専門の春木レディースクリニックの院長である春木篤医師は、多核受精の原因に関して次の2点を挙げています。また、どちらにしても、多核の受精卵は染色体に異常がある可能性が高く、移植に用いることはできないとのことでした。


・1個の卵子に対して2個以上の精子が侵入してしまう(多精子受精)
・卵子側の染色体に異常がある
多核の受精卵は、染色体の数に異常がある可能性が高いため、その後の経過で無事に分割したとしても移植に用いることはできない。

多精子受精の原因に関しては、顕微授精では顕微鏡下で確認しながら卵子に1個の精子を直接注入するので回避することができます。現在、顕微授精に取り組まれているという点から、質問者さんの場合は卵子側の染色体に問題があって成功に至っていない可能性があります。そのため、引き続き妊娠しやすい身体づくりを行うことをお勧めします。

不妊治療の中でも専門的な分野ですので、主治医に相談してみましょう。治療方法は、医師によって様々な意見があるかもしれませんので、セカンドオピニオンを聞くのも良いかもしれません。

参考URL: 春木レディースクリニック

参考文献:
成田収 著 不妊治療体外受精のすすめ南山堂 出版 2015.11
辰巳賢一 著 最新 不妊治療がよくわかる本 日本文芸社 出版 2011.01
浅田義正/河合 蘭 不妊治療を考えたら読む本 講談社 出版 2016.07


2018/11/03

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