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アトピー性皮膚炎と診断されステロイドを使用…副作用は大丈夫?

乳幼児がアトピー性皮膚炎と診断されるとステロイド剤を処方されますが、副作用の心配はないのでしょうか。治療が長期にわたる場合はどうしても気になってしまいます。専門家に聞いてみました。

5歳児のママからの相談:「アトピー性皮膚炎とステロイド剤」

生まれた時に「脂漏性皮膚炎」と診断され、顔に常に湿疹が出来ていました。それが3歳を過ぎた頃からだんだんジュクジュクとした湿疹に変わり、「アトピー性皮膚炎」と診断されました。ステロイドクリームを処方され、それ以降、お風呂上がりに保湿ケア用の保湿クリームとともに毎日使っています。ステロイドクリームを身体に塗るようになって2年が経ちますが、これほど長期にわたって使用していると副作用が心配です。ステロイドを使わなければアトピー性皮膚炎は完治させられないものでしょうか。(30代・女性)

用法用量を守ればステロイド剤は怖くない

ステロイド剤による副作用が懸念されるのは、主に内服や静脈内注射による大量長期使用の場合で、塗り薬はこの限りではないようです。

ステロイド剤は、専門医の指示の下、用法用量を守って使用すれば怖い薬ではありません。反対にステロイド剤の使用に対する抵抗感から自己判断で中断してしまうと、皮膚の炎症の再燃や慢性化が起こる可能性があります。(看護師)
処方されているステロイドと保湿クリームで、今の皮膚の状態はいかがですか。アトピー性皮膚炎は、医師より処方された軟膏を適切な量を塗布することで経過が良くなります。ステロイドの軟膏でもきちんと量を守ってお使いいただければ、副作用が強く現れることは少なくなります。少しの副作用よりもステロイドを止めることで悪化するアトピー性皮膚炎の症状の方が心配です。(看護師)
様々な副作用がありますが、ステロイド剤の使用で起こる重大な副作用は、内服や静脈内注射による大量長期使用によるものです。皮膚への塗布では重篤なものはあまり報告例がありません。(看護師)
専門医は副作用を理解した上で、年齢・皮膚の状態・発疹の部位・痒みの評価などから用量や期間を決定します。また、皮膚の炎症が改善しても、「目には見えない炎症」も押さえ込むためにステロイド剤を継続する場合もあり、それを自己判断で中断してしまうことの方が危険です。(看護師)

医学的に推奨されるのはステロイド外用剤

乳幼児期のアトピー性皮膚炎の治療薬として医学的に推奨されているのは、今のところ、ステロイド外用剤だけのようです。

アトピー性皮膚炎は、成長して皮膚のバリア機能が強くなることで改善していきますが、完治する疾患ではなく、コントロールする疾患であるという専門医もいます。今、皮膚の炎症が治まり、ステロイド剤の使用量が減っていく状況なら改善に向かっているのでしょう。もし指示通りの使用にも関わらず、2年前と変らない、あるいは悪化しているなら、別の病院でセカンドオピニオンを受けることも検討しましょう。(看護師)
現在の医学では、乳幼児期のアトピー性皮膚炎の治療はステロイド外用剤を使うことが推奨されています。副作用について不安に思われる方は多くいらっしゃいます。しかし、副作用の多くは、薬の適切な強さや量、塗り方が守られていない場合に起こるようです。副作用が全くないわけではありませんが、それはどの薬でも同じです。医師の指導の下、適切に使用すれば、副作用のことをあまり気にする必要はありません。(看護師)
乳幼児期にアトピー性皮膚炎と診断された場合のほとんどは、思春期までに炎症が治まるといわれます。ステロイドと上手に付き合いながら、皮膚が十分に強くなるのを待つという考えで過ごされてはいかがでしょうか。(看護師)
ステロイドを塗布する量や時期など、かかりつけの医師に詳しく相談しましょう。約7割のアトピー性皮膚炎の患者さんは、適切なステロイドの塗布と保湿、スキンケアの徹底で日常生活に支障をきたさない程度の生活が出来るようになります。皮膚の痒みは子どもにとっても辛いものです。不安を解消して症状が出来るだけ治ると良いですね。(看護師)
ステロイドの正しい使い方は、炎症が酷い時には強い薬を使い、炎症が治まってきたら弱い薬にしたり保湿剤のみに切り替えたりします。炎症が治まってきたからといって自己判断ですぐに薬を弱いものにしたり、塗るのを中断したりすると、皮膚の状態が悪化することがあるので、医師とよく相談して薬の塗り方を決める必要があります。(看護師)
ステロイドクリームは毎日使用されているのでしょうか。皮膚がつるつるで柔らかい状態であれば、塗る間隔を空けていく必要がありますし、毎日塗っても皮膚炎が治まらないなら薬の強さを変える必要があるかもしれません。薬の塗り方について改めて医師に相談して下さい。(看護師)
ステロイド以外のアトピー性皮膚炎の治療法には、民間療法などで様々なものがありますが、安全性や有効性などについて医学的なデータや科学的な根拠は少ないものばかりで、医療者の立場からはお勧め出来ません。肌や衣服を清潔にすることや、魚や野菜中心の食事にすること、ハウスダストや花粉対策など、アトピーを悪化させない生活を心がけることで症状が緩和することもありますので、実践してみて下さい。(看護師)

長期間使用しても改善が見込めない場合、自己判断で使用を中止せず、医師に相談するのが良いようです。アトピーを悪化させないように生活習慣に気を配ることも大切、とのアドバイスもありました。

参考文献:
子育てハッピーアドバイス 小児科の巻2』1万年堂出版


2018/11/23

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