頻発月経

2015/06/11

薬剤師さん直伝!月経不順を改善する漢方とツボ

この記事の監修/執筆

薬剤師髙橋 公子

薬剤師さん直伝!月経不順を改善する漢方とツボ

生理周期が変わったり、経血量に増減があるなど、月経不順のときはストレスや生活習慣の乱れが影響しているかもしれません。月経不順改善に役立つ豆知識と、漢方やツボについて、薬剤師で鍼灸師の高橋さんに教えてもらいました。
月経の変化が気になる方はぜひ参考にしてみてください。

■月経不順とは?

正常な月経周期は25日~38日(生理当日から次の生理までの日数)で、出血は3~7日間続きます。経血量は20~140mlで、1~3日目の多い日で2~3時間ごとにナプキンを換える程度の出血量とされています。この正常月経から外れた状態は「月経不順」であると言えるでしょう。

女性の身体はストレス、過労、睡眠不足などが原因でホルモンバランスが崩れると、月経の状態も普段と変わる事があります。普段正常な人が25日~38日の範囲内でずれることはよくあるので過度に気にする必要はありません。

月経に関することは個人差が大きく、自分が月経不順であるかどうか把握できていない事も多いものです。無月経など、ホルモンバランスが崩れた状態を放っておくと不妊の原因になることもありますから、まずは自分の正常な月経について知っておく必要があります。

正常月経から大きく外れている場合は、子宮、卵巣、その他にもホルモンを分泌する脳下垂体や甲状腺などの病気が隠れていることもあります。自己判断せず、婦人科を受診しましょう。できればその際1カ月以上つけた基礎体温表を持参するとよいので、日ごろから基礎体温をつけておくとよいでしょう。

■月経不順を改善するポイント

月経不順はホルモンバランスが乱れたときに起こりやすいため、生活習慣を改めることが症状改善への第一歩となります。
日常生活では、下記に紹介するポイントを意識してみましょう。


・無理なダイエットをしない
・偏食や単調な食生活にならないよう気をつける
・ストレスをため込まずに気ままに生きる
・血のめぐりを良くし、ストレスを解消するために軽い運動を心がける
  ⇒骨盤内の血液のめぐりを良くするにはウォーキングがおすすめです。
・早寝早起きを心がけて質の良い睡眠をとる
  ⇒血液は夜に作られるため、睡眠時間をしっかり確保しましょう。

■オススメの漢方

東洋医学の考え方では月経不順は3つの体質に分けられます。それぞれの体質に合わせた処方をご紹介します。

1.血が不足している血虚:当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)


当帰(トウキ)

月経周期が遅れがちで冷え性、経血量が少なめ、爪や皮膚がカサカサになりやすい人に向いています。血を増やす力のある当帰(トウキ)が入っているので、貧血傾向の人にオススメです。消化の悪い人やむくみやすい人に適する漢方で、自分で熱を作り出せない虚弱体質の人や水太りの人にも向いています。

2.エネルギー不足な気虚:十全大補湯(ジュウゼンダイボトウ)


桂枝(ケイシ:シナモン)

月経周期が早くなることが多く、いつも疲労倦怠感があって顔色が悪い人、体温が低くなりがちな人に向いています。このタイプはお腹をくだしやすく、気虚(エネルギーが不足している状態)がひどくなると不正出血があったり、だらだら生理が続くこともあります。体力や気力が落ちているので、気(エネルギー)と血を補う処方になっています。気を巡らせる作用のある桂枝(ケイシ:ニッキつまりシナモンのこと)が配合されているため、アレルギーの方は注意が必要です。

3.気のめぐりが悪くなった気滞:加味逍遥散(カミショウヨウサン)


柴胡(サイコ)

月経に伴うイライラがあったり、周期が一定しない人に向いている漢方です。自律神経系に作用し、柴胡(サイコ)など様々な生薬の組み合わせでイライラやストレスを和らげます。瘀血(おけつ:血のめぐりが悪く、症状が進むと爪が紫になる)を取る作用もあります。

4. 1と2の両方の症状がある:温経湯(ウンケイトウ)


芍薬(シャクヤク)

当帰(トウキ)、芍薬(シャクヤク)が血を増やし、滋養強壮作用のある朝鮮ニンジンなどを配合。血液循環をよくして手先のほてりをとる一方、身体全体を温める作用があります。また、ホルモンバランスを整える効果も期待できます。桂枝(ケイシ:ニッキつまりシナモンのこと)が配合されているため、アレルギーの方は注意が必要です。

■オススメのツボ

ツボを指圧するときは、入浴中かお風呂上りが効果的です。コツは呼吸に合わせてゆっくりと、息を吐きながら押し、吸いながら離すこと。カイロでツボを温める方法もあります。
お灸は入浴の前後30分は皮膚がやけどしやすい状態になっているので避けましょう。熱すぎるときは無理せず外してください。

>>ツボの指圧方法やお灸などの治療器具について、詳しくはこちらをご覧ください。

それでは実際に、生理不順を整えていくツボを刺激してみましょう。

関元(かんげん)


丹田とも呼ばれる、おへそから指4本分下の位置にあるツボで、子宮の状態を整えます。生理やお腹が張った状態のときは子宮がデリケートになっているので、刺激になりすぎないように優しくさすりましょう。お灸するのもオススメです。

三陰交(さんいんこう)


足の内くるぶしから指4本分の位置にあり、冷え性、むくみ、女性の生理関連の改善、妊娠中の逆子、安産のお灸などで使用するツボです。骨に向かって押すと効果的で、お灸もオススメ。靴下を履くなど、このあたりを夏でも冷やさないようにしましょう。

血海(けっかい)


膝の皿の内側の端から、指3本分上がったところにあるツボです。太ももに対して、上から垂直に押すようにします。血海の「血」は血液や血流、「海」は大量に集まる場所という意味から、血の道にかかわる病気を治すツボと言われています。血の流れが悪い、不足しているといった婦人科系の症状に効果的なツボです。症状がある人は押すとかなり痛く、このツボが痛い人は血の巡りが悪いということになります。

労宮(ろうきゅう)、内関(ないかん)


労宮は手のひらの真ん中あたりにあり、内関は手首から指三本分下がったところにあります。どちらも月経に伴うイライラを抑え、ほかにも精神的に落ち着かないときに適宜刺激することも有効です。

丹田を意識した腹式呼吸も精神的に落ち着くので取り入れてみるとよいでしょう。腹式呼吸には、ストレスを解消して骨盤内の血液のめぐりをよくする効果もあります。


月経不順があるときは、漢方やツボを効果的に取り入れると、正常な状態に近づくことができそうです。ストレスを貯めないなど、日常生活で気をつけたいポイントも意識しながら上手に利用していきたいですね。



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