妊娠高血圧症候群

高血圧は遺伝する?妊娠中のトラブル「妊娠高血圧症候群」に気をつけよう

妊娠中は、ざまざまなトラブルが起こりやすいですよね。合併症で注意したいのが「妊娠高血圧症候群」です。今回の相談者さんは、妊娠高血圧症候群ではないものの、お母様が高血圧のため、遺伝により妊娠高血圧症候群になりやすいのではと心配されています。妊娠高血圧症候群にならないためにはどのようなことに気をつけたら良いのでしょうか。そこで、専門家に相談してました。

30代女性からの相談:「妊娠高血圧症候群にならないための対処法とは?」

母が長年、高血圧で薬を服用しています。私も妊娠してから食事には気を付けていますが、悪阻で食べられるものが限られて体重も増加傾向にあります。高血圧は遺伝する病気と聞きました。妊娠中の高血圧は重症化しやすいとも聞いたことがあります。現在は血圧の数値も体重の増加も正常範囲内ですが、今後赤ちゃんが大きくなるにつれて体重も増えやすくなるのでしょうか。生活習慣で気を付けることや、体重の増加を抑える方法を教えていただきたいです。(30代・女性)

高血圧は遺伝する可能性がある

高血圧は遺伝する可能性があるようです。一方で、生活習慣で改善できる場合もあります。

妊娠中に起こる高血圧を「妊娠高血圧症候群」と言い、20人に1人で発症します。以前は妊娠中毒症と呼ばれていました。母体の肝機能や腎機能に影響したり、けいれんや脳出血など重症化することもあります。また、胎児発育不全、常位胎盤早期剥離など胎児にも影響を及ぼすなど、様々な合併症の原因となるとても怖い病気です。原因は、元々の肥満・高齢出産・生活習慣などがあり、そこに家族暦も加わります。そのため、ご両親の中に高血圧の方がいる場合は注意が必要です。(看護師)
今後の妊娠後期へ向けて赤ちゃんは大きくなり、母体の循環血液量が増えてきます。むくみやすくなったり、血圧が上がりやすくなったりします。(看護師)
高血圧の中でも、原因がはっきりしないものを「本態性高血圧」と言います。本態性高血圧は遺伝も関係すると言われています。お母様が、生活習慣や持病などの問題がなく高血圧を発症している場合、その「高血圧になりやすい体質」が遺伝する可能性はあります。(看護師)

妊娠高血圧症候群を予防するポイントは食生活の改善

妊娠高血圧症候群を予防するためには、食生活の見直しが必要です。バランスの良い食事や減塩食で工夫をしてみましょう。

妊娠中に高血圧になる妊娠高血圧症候群になりやすい方、なりにくい方は確かにありますが、まずは食生活の見直しをしてみてください。(看護師)
予防には特に食習慣が重要ですが、減塩やカロリー制限をしすぎることも悪影響を及ぼしますので、バランスのとれた食生活が重要です。味の濃いものは血圧を上げるだけでなく食べすぎを招きますので、出汁を上手く活用し味付けをすると良いでしょう。(看護師)
高血圧により、今後の体重増加を心配されているようですが、たとえば食べる時間に気を付けてみてください。夜は19時までに食事を終え、就寝前食後4時間は食事摂取を控えてください。(看護師)
また食べる順番も意識してみてください。低カロリーで食物繊維の多いもの、つまり野菜から食べるといいでしょう。野菜から食べることで吸収カロリーが抑えられます。腸の粘膜は空腹時に最初に摂取したものから吸収するので、低カロリーの食物を吸収した後に高カロリーの食物は吸収しにくくなります。薄味で低カロリーの食事を意識して摂取してください。(看護師)
悪阻が落ち着いたらカロリーに気を付けて食事摂取してください。妊娠初期のカロリーの目安は、妊娠前の基本摂取カロリーの目安に+50kcalしてください。妊娠中期だと+250kcal、妊娠後期だと+450kcalにしてください。塩分もできるだけ7g以下に抑えましょう。(看護師)
間食は甘いものではなくドライフルーツやナッツ類などにすると余分なカロリー摂取を控えることができますよ。(看護師)

適度な運動も予防に効果的

妊娠中、安静を指示されていなければ、適度な運動も妊娠高血圧症候群の予防につながります。

安静を医師より強いられていないのであれば適度な運動も効果的です。例えばウォーキングやマタニティスイミングが良いでしょう。(看護師)
体重増加については食生活の見直しに加えて運動習慣を取り入れることもしてみてください。ウォーキングなど手軽に始められるもので結構です。(看護師)
現在血圧が正常値であれば適度な運動も大切です。ただし、もし高血圧が指摘された場合は反対に安静が必要となる場合もありますので、担当医と相談するようにしましょう。(看護師)

高血圧は遺伝する可能性があるようです。その中でも妊娠中に起こる「妊娠高血圧症候群」は、母体と胎児に悪影響を与えるので注意が必要です。食生活と運動が予防に効果的です。カロリーを多く摂取しすぎないように注意し、バランスの良い食事や減塩食を心がけ、適度な運動を心がけましょう。

監修者:南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケアトレーナー。株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での勤務を経て、とらうべ 社設立。医療職が企業人として女性の一生に寄り添うことを旨とし、30年にわたって各種サービスを展開中。

2019/01/04

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事の監修/執筆

専門家監修記事(Q&Aコメント)