甲状腺の異常

甲状腺機能亢進症で妊娠…赤ちゃんへの影響は?

持病がありながら妊娠をした場合、赤ちゃんへの影響が心配になりますね。甲状腺機能亢進症の場合、赤ちゃんにどのような影響があるのでしょうか。そこで、専門家に相談してみました。

30代女性からの相談:「甲状腺機能亢進症による赤ちゃんへの影響が心配です。」

現在、甲状腺機能亢進症の治療をしながら妊婦生活を送っています。医師にはホルモンの状態も正常になりつつあり、妊娠・出産しても問題ないだろうと言われています。ただ、ネットを見てみると「バセドウ病 妊娠 奇形」「バセドウ病 妊娠 早産」などいろいろ書かれていてとても不安です。ホルモンが落ち着いていれば奇形や早産の心配はないでしょうか。また、生活で気を付けることなどあれば教えていただきたいです。(30代・女性)

甲状腺ホルモンのコントロールが重要

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)は、甲状腺ホルモンのコントロールが大切です。甲状腺ホルモンが高いままでは、ママと赤ちゃんに悪影響となる場合もあります。

バセドウ病の治療中で妊娠している方にとって大事となってくることは、甲状腺ホルモンが正常にコントロールされているかということです。甲状腺ホルモンが高いままでは早産や流産の危険性があります。また妊娠2ヶ月あたりでは胎児が器官を形成せれる時期でもあるので、ホルモンコントロールは極めて重要となります。(看護師)
甲状腺ホルモン亢進症は、甲状腺ホルモンが上手くコントロールされていれば妊娠・出産をする上で問題はありません。もし、甲状腺ホルモンがコントロールされていないと流産・早産のリスクが高まります。(看護師)
妊娠2ヶ月までの甲状腺ホルモンのコントロールが、奇形の発生リスクを抑えるためにはとても重要となります。そのため、妊娠前から適切な甲状腺ホルモンのコントロールが大切です。(看護師)

治療薬による赤ちゃんへの影響は断言できない

甲状腺機能亢進症の治療薬が、赤ちゃんの奇形に影響しているとは断言できないようです。しかし、奇形児のリスクがある治療薬もあるようですから、主治医によく相談することが望ましいでしょう。

甲状腺機能亢進症の薬を内服している人の先天異常の赤ちゃんが生まれてくる割合は、健康な妊婦の場合と同じと言われています。妊娠初期の場合、メルカゾールのみ臍腸管遺残や臍帯ヘルニアなどが日本甲状腺学会によると1.9~13.2%の方に見つかっています。(看護師)
奇形というのはこれといって原因が特定できるものではありません。催奇形性のある薬を服用していても必ず起こるものではありません。また、早産も感染症などさまざまな理由があり甲状腺機能亢進症が原因で必ず起こるというものではありません。(看護師)
甲状腺機能亢進症の治療薬の中にも、妊娠初期に服用すると奇形児の確率が高くなるものもあります。そのため妊娠中は、一時的に薬剤を変えることも必要となります。主治医と相談して指示をしっかり守り、服用することが必要です。(看護師)

妊娠中は生活習慣に注意しよう

甲状腺機能亢進症では、ヨウ素を摂りすぎないなど食生活に注意しなければなりません。また、規則正しい生活が望ましいとされています。

生活習慣についてですがしっかり睡眠をとり規則正しい生活をとりましょう。食事については、ヨウ素の過剰摂取制限は必須です。(看護師)
甲状腺機能亢進症では葉酸の需要増大によって、葉酸欠乏症がおこります。可能な限り葉酸をしっかり摂取してください。葉酸は野菜などから摂取できる量も限られているので、主治医と相談して葉酸のサプリメントを使用されてもいいかと思います。(看護師)
妊娠生活で最も気を付けたいことは過度にストレスを溜めないことです。ママがストレスを感じると血管が収縮し、赤ちゃんへの血流が悪くなり、発育に影響することがあるからです。(看護師)

甲状腺機能亢進症で妊娠をした場合は、甲状腺ホルモンをきちんとコントロールできるよう治療が大切になります。主治医とよく相談して、症状を悪化させないよう気をつけましょう。合わせて、規則正しい生活を心がけて体調を調えるのも重要なポイントになります。無理をせず、ゆったり過ごすのが身体に良いのかもしれないですね。

参考文献:
日本甲状腺学会『「妊娠初期に内服した抗甲状腺薬が赤ちゃんに与える影響の調査」(POEMスタディ)の中間結果と今後妊娠する際のご注意』2011年11月30日

監修者:南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケアトレーナー。株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での勤務を経て、とらうべ 社設立。医療職が企業人として女性の一生に寄り添うことを旨とし、30年にわたって各種サービスを展開中。

2019/01/05

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