多胎妊娠

双子の妊娠中は3人分の栄養とるべき?普通分娩だとリスクある?

お腹の赤ちゃんが双子とわかると喜びもひとしおですが、不安に思うことも出てきます。栄養は3人分必要なのでしょうか。普通分娩で出産出来るものなのでしょうか。双子妊娠について専門家に聞いてみました。

双子妊娠についての相談:「双子の妊娠中の栄養や出産時のリスクについて」

双子を妊娠していますが、不安に思うことがいくつかあります。日を追うごとに食欲が増してきていますが、一人ひとりに同じずつ栄養は行くのでしょうか。それとももっと沢山食べて3人分の栄養を摂るように心がけた方が良いのでしょうか。また、双子の妊娠だからなのか、お腹が張ってストレスが溜まり、不安で眠れなくなることもしばしばです。ストレスを溜めないようにしていますが、こんな状態で赤ちゃんは無事に育つでしょうか。普通分娩で産めるのかも心配です。産めるとしても何かリスクがあるのでしょうか。(30代・女性)

3人分食べなくても大丈夫。栄養が均等にいかないことも

双子だからといって沢山食べる必要はないようです。場合によっては2人に均等に栄養がいかないこともあるとの声がありました。

双子でも単胎児妊娠でも、2人分、3人分の栄養をとる必要はありません。単胎妊娠よりも300kcal/日多めに摂取する必要があると考えられています。食べ過ぎると体重が増加し、妊娠高血圧症候群を発症しやすくなりますし、食べなければとストレスにもなっているかと思います。単胎児妊娠に比べ、双子妊娠は妊娠高血圧症候群のリスクが高いため、カロリーや塩分の取りすぎに特に注意して下さい。早産や子宮内胎児発育遅延のリスクもあります。バランスのとれた食事で、タンパク質・鉄分・ヨウ素・ミネラル・ビタミン等をしっかり摂りましょう。(看護師)
赤ちゃん同士に栄養が平等にいくかについては、双子のタイプによって異なります。1人に1つずつ胎盤があるのか、1つの胎盤から栄養を分け合っているのか、分け合っている場合は赤ちゃんの部屋(羊膜)は分かれているか否かです。胎盤1つを同じ羊膜の中で分け合っているタイプの場合は「双胎間輸血症候群」になることがあり、これを発症すると栄養が平等には運ばれません。(看護師)
双子の中でも、胎盤を共有している一絨毛膜性双胎児の場合、胎児同士で繋がっている血管(吻合血管)の血液の流れのバランスが崩れ、「双胎間輸血症候群」を合併することがあります。これは一絨毛膜性双胎の約1割に起こるといわれ、合併すると胎児の成長に影響が及びます。(看護師)
臍帯の問題・胎盤の問題・胎児の問題(染色体異常など)により、子宮内胎児発育遅延が起こり、どちらかの胎児の成長が遅れる場合もあります。何の問題もないのに胎児差が出ることもありますが、それはその子たちの個性であり、それぞれが順調に育っていれば心配する必要はありません。お母さんの生活習慣や食事習慣が胎児の成長の差に影響を与えることは考えにくいでしょう。(看護師)
妊娠中の体重については、双子の妊娠でも普通の妊娠と基本は同じと思って下さい。多胎だからといって3人分食べる必要はありませんが、単胎と同様に適切な量をしっかりと食べる必要があります。必要な摂取量は単胎よりも少し多めです。赤ちゃんへの栄養は身体がコントロールしてくれ、基本的には赤ちゃん優先で栄養が運ばれます。赤ちゃんはママの心配をよそにお腹の中で元気に育っています。ストレスを感じるほどの張りがあることはきちんと医師に相談したうえで、医師から運動制限がなければ、散歩などで身体を動かして気分転換して下さい。(看護師)
お腹が張りやすくストレスになるかと思いますが、不安ばかりだと気が滅入りますね。心配なことは周りに相談して上手く発散して下さいね。双子があなたのお腹にいるということはあなたには産む力があるということです。(看護師)

多胎児妊娠は帝王切開が一般的。自然分娩はリスクあり

分娩は多胎児ならではのリスクもあり、帝王切開が一般的のようです。

双子の出産は早産や低体重児になりやすく、臍帯の絡まりや赤ちゃん同士の体勢の関係など、双子ならではのリスクもあります。経腟分娩をしている産科もありますが、近年はほとんど帝王切開での出産だと思います。(看護師)
一般的に多胎児妊娠の場合、帝王切開が選択されます。経腟分娩だと赤ちゃん同士の身体や臍の緒が絡まって難産になったり、子宮が伸びきって弛緩出血を起こしやすかったり、1人目の出産後に陣痛が弱まって分娩が進行しなかったり、1人は逆子だったりといったリスクがあり、母子共に危険な状態に陥る可能性が高くなります。(看護師)
双子の経膣分娩も可能ではありますが、全てに対してではありません。どちらの胎児も逆子ではない・34週以降の分娩・推定体重1800g以上・前回の出産も自然分娩・母体が健康である等、病院によって様々な条件を満たす必要があります。また、多胎の経膣分娩を行っている大きな病院を探さなければなりません。病院によっても妊娠中の経過によっても経膣分娩ができる状態かどうかは異なるので確認する必要があります。(看護師)
経膣分娩が可能とされても、分娩の過程で陣痛が弱まる・臍帯が出てきたり首に絡まったりする等、問題が発生し、帝王切開に切り替わることもあります。妊娠経過と胎児の成長・分娩時の状況に対して臨機応変に対応出来るよう気持ちを整理しておくと良いでしょう。(看護師)

双子妊娠はお腹が張りやすくストレスを感じることも少なくないものの、医師と相談しながら上手に息抜きしつつ経過に応じて対処していくのが良いようです。

監修者:座波 朝香(ざは・あさか)
助産師・保健師・看護師・タッチケアトレーナー。病院産婦人科での勤務を経て、株式会社 とらうべ 社員。妊娠・育児相談、産後ケアや赤ちゃんタッチをはじめ妊娠・育児講座などに定評があり、精力的に活動中

2019/01/05

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