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口や目の渇きには気をつけて! 女性に多い疾患「シェーグレン症候群」

いつも喉が渇いて水分が手放せなかったり、目が乾燥してつらかったりすることはありませんか?
もしかすると、その原因には「シェーグレン症候群」が関わっているかもしれません。
聞き慣れない名前ですが、決してめずらしいとは言えない病気です。

「シェーグレン症候群」とは?

「シェーグレン症候群」は、1933年にスウェーデンの眼科医ヘンリック・シェーグレンが発表した論文にちなんでその名がつけらました。
詳細は次項で触れますが、代表的な症状は乾燥症状で、男女比が1:14と言われるほど女性に多い疾患です。
近年、歌手の和田アキ子さんがシェーグレン症候群であることを公表して、この病気を知ったという方もいるかもしれません。
あまり聞き慣れない病名ですが、難病情報センターによると10~30万人の患者がいると推定されています。
患者の年齢層は50歳代がピークで中高年に多い病気ですが、まれに幼い子どもの発症も見られるようです。

代表的な症状は口や目の乾燥

シェーグレン症候群のもっとも代表的な症状は、口や目の乾燥、いわゆるドライマウス、ドライアイです。
ドライマウスは、単に口が乾燥してつらいだけではなく、歯周病や、さらには認知症、糖尿病といった他の病気を招くリスクも含んでいます。
一方ドライアイは、目の疲れや違和感、痛みなどが生じ、普段の生活にさまざまな支障をきたします。
この病気は全身の外分泌腺の働きが低下してしまうため、体のあちこちで乾燥の症状に悩まされる可能性があります。
たとえば、鼻の粘膜が乾燥して鼻血が出やすい、汗が十分に出ず皮膚が乾燥する、膣の乾燥によって性交時痛が生じる、などが挙げられます。
シェーグレン症候群の症状は幅広く、その程度も個人によって大きく差があります。
唾液腺の腫れや関節の痛み、疲労感、頭痛、めまいなどを伴う場合も多く、集中力の低下やものごとへのやる気が出なくなるなど精神面にも影響します。

シェーグレン症候群の原因

シェーグレン症候群は「自己免疫疾患」という病気の一つと考えられています。
通常、私たちの身体は、ウイルスなどの異物が入ってくると免疫が働きます。
ところが、自分の身体の一部を異物と勘違いして反応し、攻撃してしまうことで、身体に何らかの症状が起こるのが自己免疫疾患です。
遺伝や環境、免疫異常、女性ホルモンなどの要因が指摘されていますが、それぞれの関連性が複雑で、明確な原因はまだ明らかにされていません。
シェーグレン症候群には、単独で発病する「一次性」と呼ばれるタイプと、関節リウマチなどの膠原病(こうげんびょう)と合併する「二次性」と呼ばれるタイプがあります。
タイプよって、症状の表れ方や程度にも違いが生じる場合があります。

シェーグレン症候群の診断と治療

現在、シェーグレン症候群を根本的に治す治療法は確立されていないため、対症療法(患者の症状に対応して処置をする治療法)が行われます。
口や目の乾燥が気になる場合は、シェーグレン症候群ではなく加齢や糖尿病が関わっている可能性もあります。
まずは専門の膠原病リウマチ科などを受診して、正しい診断を受けましょう。
病院では、血液や病理組織、唾液の分泌量、涙の分泌量などを検査し、診断基準の4項目のうち2項目を満たしていると、シェーグレン症候群と診断されます。
診断結果を受け、ドライアイに対しては保湿をする点眼薬やキズを治す点眼薬など、症状に合わせた薬が処方されます。
また、ドライマウスに対しては、唾液の分泌を促す薬が処方されます。
歯周病を予防するため、お口のケアも重要になります。

シェーグレン症候群と付き合っていくためには

実際にシェーグレン症候群と診断されたときは、根本的な治癒が難しい病気だからこそ、その症状とうまく付き合っていく心構えが大切になります。
たとえば、外出時は目薬や必要な水分を持ち歩く、冬場などは加湿器を使用して乾燥対策をする、食べ物が飲み込みやすいようにとろみをつけるなど、日常生活のちょっとした工夫によって少しずつ症状のつらさを軽減することができます。
また、シェーグレン症候群は国の難病に指定されています。
医療費助成の対象になる場合がありますので、詳しくは保健所に相談してみましょう。
口や目の乾燥に悩まされてつらいという人は、自己判断で様子を見ないで、一度病院で検査を受けましょう。

<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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2019/01/11

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この記事の監修/執筆

Mocosuku編集部