息抜き・小ネタ

よい治療を受けるためには「患者としてのスキル」も必要!?

病気になって病院やクリニックを受診するとき、正確な診断と早く治る処方箋(服薬はもちろん、注意点やリハビリテーションのアドバイスなど)がほしい…という思いは誰しも一緒です。
世の中にはたくさんの病院があって、さまざまな医師がいます。
私たち患者側は、医者とどのように接するべきなのでしょうか?
自分が納得して満足できる、よりよい治療を受けるために、今回は「患者としてのスキル」について考察します。

受診するクリニックや病院の選び方

何の病気か皆目見当がつかないと、最初から大学病院や有名な総合病院を受診したくなりますが、それはあまりおすすめしません。
紹介状がないと初診料が掛かるうえ、待ち時間も長いことが多いです。
まずは近くのクリニックを受診しましょう。
クリニックを受診する際もコツが必要です。
たとえば風邪を引いたとすると、多くの方は内科を選択するのではないでしょうか。
しかしながら、症状によっては耳鼻科のほうがよいときもあります。
鼻水が止まらない、のどが痛いなど、症状の範囲が鼻から咽喉までに集中している場合は、耳鼻科のほうがより症状に適した薬を処方してくれます。
また、内科を標榜していて、循環器や呼吸器と表記されているクリニックも見かけます。
これは院長先生がその分野の専門であり詳しいことを表しています。
たとえば、おもに咳が止まらないという症状のときは呼吸器、不整脈が気になるときは循環器と掲げているクリニックを選ぶ方法も考えられます。
近くにそのようなクリニックがなくても、標榜している診療科についてはきちんと診察してくれますので安心してください。
さらに、クリニックの先生の判断で、大きな病院を紹介してくれる流れもよく見受けられます。
大学病院など、受診したい大きな病院に目星をつけている場合も、最初はクリニックを受診して紹介状を書いてもらうほうがスムーズです。

どんな患者が好かれる?嫌われる?

医者も人間です。
話していて不快になれば、診る気が失せてしまうのは想像に難くないと思います。
それでは、患者のどのような態度が医者を不快にさせるのでしょうか?
また、どのような態度が医者を本気にさせるのでしょうか?
はじめに、自分の症状の説明をする際は、時系列に経過と症状を伝えます。
このとき、患者が独自で調べた内容などをもとに自ら「診断」を下し、考えられる病名を医師に伝える行為は嫌がられます。
症状や診察、検査結果などから診断するのは医師の仕事なのです。
自分だけはゆっくり話を聞いてもらいたいと粘るのも嫌がられます。
時間は誰にとっても貴重であるということを意識して振る舞っていると、自然に医師や看護師にも伝わり、患者としての好感度が高くなります。
とは言うものの、「すべて先生にお任せします」というのはやめましょう。
自分の病気や治療を医者に丸投げするのはよくありません。
医者任せにする人ほど、後々「こんなはずじゃなかった」と文句を言ったり、責任を追及したりする傾向が強いそうです。
医師の立場からすると、何かあったら訴えられるのではないか…という懸念を抱いてしまい、学会で定められている標準的な治療のみをすることになります。
決して標準的な治療が悪いという意味ではないのです。
ただし、本気で治療を考えるという姿勢が薄れてしまう可能性は否めません。
それから、地位や知識をひけらかすのもいけません。
自分の社会的地位の高さや、親戚に医者がいるなどという話題を持ち出し、医師にプレッシャーをかける人がいますが、これは逆効果です。
慎重にはなると思いますが、型通りの対応になってしまいます。
何か起こったときに突っ込まれないための治療方針になり、主治医がその患者のために考えた最善の治療ではなくなるかもしれません。

診察を受けるまえに心構えをしよう

話そうと思っていた内容を、いざ医師を前にすると忘れてしまったり、上手に伝えられなかったりするものです。
心配なときは、症状の経過や今までにかかった病気、手術、治療などについて時系列に書いて持参しましょう。
仕事や生活面で不安に感じること、治療法や通院の希望なども含め、A4用紙1枚程度にまとめておくと、効率的に受診することができます。
また、医師の説明を一度聞いただけですべて理解する、というのもなかなか難しいです。
レコーダーを準備して、医師の了解のもと録音する方法もよいでしょう。
医師としての仕事を全うしているのであれば、録音を拒否することはありません。
むしろ、この患者は真剣に自分の病気と向き合っている…という意識が伝わり、医師も一緒に病気と闘おうという気持ちを持ってくれるはずです。
糖尿病など生活習慣病で定期的に通院している場合、食事など生活改善の指導を受けていると思います。
病気を治すための指導を守らない人に対して、医師が真剣に診る気が失せるのは当然と言えます。
医師の指導を守ったうえで、次の診察時に日常生活でどのような点が難しかったか具体的に話しましょう。
医師の指導に対してフィードバックすると、豊富な経験からさらによいアドバイスをしてくれるかもしれません。

よい治療を受けるために家族ができること

医師との関係性においては、患者だけではなく家族の態度や行動も重要です。
その人の生き方に配慮した最善の治療とは何か…重病であればあるほど、医者と患者、家族が考えながら方針を決めていくことが求められます。
医師を本気にさせるか否かは患者や家族の熱意です。
これには信頼関係が大きく関わってきます。
医師との面会時には、家族もできるだけ同席したほうがよいでしょう。
医師としても、家族の顔や患者の置かれている立場や状況がわかれば、家族のためにも頑張ろうという意識が芽生えます。
脳卒中のように本人が意思表示できないケースでは、家族の行動が予後を左右することもあります。
患者をよく理解している家族の真剣な態度や、回復に向けサポートしたいと思っている気持ちが伝われば、医師をはじめとする医療スタッフも真摯に取り組みます。
また、リハビリテーションにおいては、患者が自宅に戻った後の家族との生活や仕事などを考慮して具体的に目標を定める方が効果的に進められます。
そして、患者がどのような治療を望んでいるか、家族から医師に的確に伝えるためには、日ごろからの家族関係も重要ということですね。
患者だけではなく、家族や医師、医療従事者も本気で治したい、よくしたいという思いを持って、同じ目標に向かっていけると、闘病生活の苦労も軽減されるでしょう。

<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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2019/01/29

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この記事の監修/執筆

Mocosuku編集部