卵巣腫瘍

「沈黙のがん」といわれる卵巣がんを早期発見するためには?

自覚症状のないがんを早期発見するためには、検診が有効なのでしょうか。今回は卵巣がんを早期発見するための方法について、専門家に相談してみました。

30代女性からの相談:「卵巣がんが心配…早期発見するための方法を教えて」

知人が卵巣がんのため若くして亡くなりました。初期の段階では特に自覚症状もないようで、会社の健康診断なども受診していたはずですが、早期発見には至らず、突然の腹痛により病院へ診察に行ったところ卵巣がんであることが発覚した、ということでした。まだ若かったため会社の健康診断も簡易的なもので婦人科の検診はなかったのだろうとは思いますが、早期発見できていれば結果は違っていたのでは、とも思います。そこでお聞きしたいのですが、卵巣がんなど早期発見しにくいがんを発見するためにはどうすればいいのでしょうか?婦人科検診では、卵巣がんになっていないかどうかなどみてもらえるのでしょうか? (30代・女性)

卵巣がんは自覚症状に乏しい

卵巣がんの初期症状は、ほとんど感じることがないため発見が遅れてしまうそうです。自覚症状としては、食欲不振・腹部膨満感・頻尿がありますが、症状に気付いたときにはがんが相当進行しているのが特徴のようです。

卵巣がんは、初期症状に乏しく、ある程度進行してから症状が出るがんの一つです。骨盤内にあり遊動性があるために外から触れることが難しいため発見しにくいとも言われています。(看護師)
自覚しやすい症状としては、食欲不振・腹部膨満感・頻尿がありますが、他の病気でも起こる症状であるため卵巣がんと直接結び付けることが難しくなります。また、下腹部にしこりが触れることもあります。また、不妊治療などで排卵誘発剤を投与したことがある・ホルモン治療をしていた・肥満・家族の中にがん患者がいるなどの場合にはリスクが高まると言われています。(看護師)
一般的には卵巣がんの進行は子宮がんよりも非常に早いことが知られており、年1回の検診では早期発見ができない可能性が高いです。乳がんや子宮体がん、大腸がんの既往歴がある方や、卵巣がんになった血縁者がいる方は、卵巣がんの発生リスクが高まることが知られていますので、意識して精密検査を受ける必要があります。(看護師)
卵巣がんは沈黙のがんといわれています。ほとんど症状がなく、腹部膨満感などで病院を受診した時にはすでに相当進行しているのが特徴です。子宮がんのような早期発見、早期治療という考え方は、卵巣がんの場合は当てはまりません。 (看護師)

検診による卵巣がんの早期発見は難しい

検診による卵巣がんの早期発見は難しいようです。早期発見のためには、医療機関で超音波検査やCTなどの検査をします。

欧米で超音波と腫瘍マーカーCA125での卵巣がん検診を実施し、試みましたが、結果、「無症状女性の卵巣がん検診は意味は持たない」とのガイドラインが発表されました。(看護師)
卵巣がんの早期発見というのは検診ではなかなか難しいのが現状です。卵巣がんでは卵巣が大きく腫れてきますので、内診や超音波検査で大きくなった卵巣を見つけることが必要なのですが、健康診断などでは、子宮の入口(頸部)の細胞を採取するだけで内診や超音波検査は行わないことが多いです。そのため、子宮がん検診で卵巣がんが見つかることはほぼないと考えてください。でも、婦人科で卵巣も見てほしいと言って超音波検査を希望すると、自費で検査をすることは可能です。(看護師)
早期発見するには定期的にがん検診を受けるしかありませんが、現在、日本では指針として定められてる卵巣がん検診はありません。子宮がん検診では子宮内部の組織を採取して細胞を調べますから、卵巣がんの発見は難しいと思います。医療機関で検査してもいいですが、卵巣は組織が取れないので、内診・超音波・CT・MRIなどの検査で判断されます。(看護師)

1年に1回は検査をしよう

発見が難しく進行が早い卵巣がんは、定期的な検査をした方が良いそうです。腹部症状があるときは、早めに婦人科を受診するようにしましょう。

発見が難しく進行が早いとはいえ、子宮がんとともに1年に1回の定期的な検査をすると良いでしょう。また、検査は内診や超音波検査が必要です。つまり、その検査項目を備えている検査機関で検査することが必要です。また、普段とは少し変った症状(腹部症状・頻尿など)を感じた場合は、病院を受診し相談することをおすすめします。(看護師)
卵巣がんから身を守るためには1年に一度の子宮がん検診時必ず内診と、超音波検査を受けて卵巣の状態をチェックしてもらってください。これにより比較的ゆっくり進行する「非漿液性腺がん」は発見可能です。良性と思われる卵巣腫大や卵巣腫瘍が発見された場合でも約3ヶ月毎にフォローを受け、悪性転化が起こっていないか確認してもらってください。(看護師)
卵巣がんは、良性の卵巣腫瘍との鑑別が難しく、手術後、腫瘍の組織を病理検査して診断が確定される場合もあります。会社の健診に子宮がん・乳がん検診が無ければ、医療機関で検診を受けてほしいと思います。 (看護師)
1年ごとの検診で問題がなくても「骨盤痛、腹部膨満感、不快感、疲労感、頻尿」などの症状が3週間以上続いたら卵巣がんの可能性も考え、婦人科に相談されることをおすすめします。(看護師)

卵巣がんは自覚症状に乏しいため、発見が遅れてしまうそうです。定期的に医療機関で検査を受けることが早期発見につながります。症状があれば、早めに婦人科を受診するようにしましょう。

参考資料:
国立がん研究センター「卵巣がん


2019/02/16

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事の監修/執筆

助産師/看護師/保育士河井 恵美