無痛分娩

2015/06/12

欧米ではさかんな無痛分娩、麻酔でいきめなくなることはないの?

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専門家監修記事(Q&Aコメント)

欧米ではさかんな無痛分娩、麻酔でいきめなくなることはないの?

近頃はいろいろな分娩方法があり、選択肢が増えています。無痛分娩に関心を持っているが麻酔を使用することに不安を感じるママに対し、看護師さんたちはどのようなアドバイスをしているでしょうか。

無痛分娩についての相談:「麻酔を使っても力を入れていきむことはできますか?」

妊娠7カ月です。分娩方法について悩んでいますが、無痛分娩をした友人から、痛みを麻酔で抑えるのでリラックスして赤ちゃんを産むことができたと聞き、興味を持っています。しかし麻酔を打ってから出産するという方法に不安があります。麻酔を打ってもきちんと分娩できますか。麻酔で身体に力が入らず、帝王切開をしなければならなくなることはないでしょうか。(20代・女性)

麻酔をしても感覚や意識はあるので、いきんで分娩できます

無痛分娩で麻酔を使用しても痛みが完全になくなるわけではなく、意識もあるので、きちんといきむことができますが、いきむ力が弱くなるのでタイミングをつかむことがポイントです。状況によっては、母子の危険を避けるため帝王切開を行うことがあります。

麻酔をしても赤ちゃんが降りてくる感覚もわかり、きちんといきむことができます。また麻酔が効き過ぎないように量を調節しながら行うので、普通に会話や歩行をしたり、食事をすることも可能です。帝王切開が必要になるのは母子の状態が出産に耐えられず、緊急に赤ちゃんを出さなければならない場合のみです。(内科看護師)
無痛分娩は、全く痛みをなくしたり完全に麻痺させるわけではないので、意識はあり、いきむ力がなくなるということもありません。しかし、いきむ力が弱くなることで分娩に時間がかかったり、痛みが少ないことでいきむタイミングがわかりにくいという難点があります。いきむタイミングは主治医や助産師が教えてくれますが、うまくいきめず分娩に時間がかかりすぎると緊急帝王切開になることがあります。(産科看護師)

無痛分娩の長所と短所を知りましょう

無痛分娩は痛みを感じにくいので体力の消耗を防げますが、タイミングの取り方によってはデメリットもあります。また分娩費用は通常より高価になります。

無痛分娩の長所は、痛みを感じないため体力の消耗が防げることです。短所は、麻酔によりいきむ力が弱くなって鉗子分娩になる確率が自然分娩よりも高くなる可能性があること、陣痛と麻酔薬注入のタイミングがずれると強い痛みを感じることもあること、通常の分娩費用に麻酔費10万~20万円程度が上乗せになることが挙げられます。(内科看護師)

日本ではまだ少ない無痛分娩、主治医とよく相談して決めましょう

欧米では多くの人が選ぶ無痛分娩も、日本ではまだまだ少数派。そのため専門医が常駐している産院が限られているので、主治医と相談して適切な施設を選びましょう。

欧米では80~90%が無痛分娩で出産するのに対し、日本では5%前後といわれます。「お産の痛みを我慢しなければ良い母親になれない」や「親と子の絆はお産の痛みによって築かれる」というような風潮があるためです。(内科看護師)
日本では無痛分娩が一般的ではないため、専門的な知識と技術を要する麻酔科医が常時待機している産院が少なく、陣痛が起こる前に入院して計画的に分娩を始める場合が多いです。限られた施設でしか行われていないというのが現状なので、主治医とよく相談して適切な施設を選びましょう。(産科看護師)

無痛分娩で麻酔を使用しても、意識はあり、ちゃんといきんで分娩することができます。長所と短所があることを理解し、主治医と相談して適切な対応ができる施設を選ぶとよいでしょう。


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