ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群

息子がブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群で入院…大人に移る恐れはある?

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群という病気になった場合、入院ではどのような対応になるのでしょうか。専門家に相談してみました。

40代男性からの相談:「ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群で息子が入院…大人に移らない?」

4歳の息子が、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群の可能性が高いと診断されました。数日のうちに症状がひどく悪化しているようであれば入院も検討してくださいとのことです。見ていて痛々しいのでむしろ入院させてしまった方が良いのではとも思うのですが、その際はやはり隔離部屋なのでしょうか。また、未就学児のため入院となると母親も泊まりが必須で同じベッドで過ごすこととなり、自宅にいるより母子の密着度が高くなるので私も感染してしまわないか心配です。大人にも感染するのでしょうか。(40代・男性)

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群は免疫力の低下などが原因

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群は、常在菌である黄色ブドウ球菌によって起こる皮膚感染症です。免疫力の低下や怪我によって、毒素が血流を通して全身に広がります。

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群は、黄色ブドウ球菌が産生する毒素(表皮剥脱毒素)によって起こる皮膚障害で、熱傷のような皮膚症状が出ることからそう呼ばれます。(看護師)
黄色ブドウ球菌は、皮膚や扁桃などに常在している細菌ですが、免疫力の低下・風邪・怪我などが起因となり、毒素が血流を通して全身の皮膚に広がり皮膚障害を起こします。症状は、口・目・鼻から始まり、首・脇の下・足の付け根、そして全身へ広がります。(看護師)
黄色ブドウ球菌は皮膚や髪の毛に存在する常在菌ですが、黄色ブドウ球菌の産生する毒素によって皮膚感染症を起こすことがあります。(看護師)

稀に大人に感染する場合もある

免疫力が低下している大人は、稀に感染する場合があります。入院になれば個室での管理が必要になりますが、早期に治療を開始すれば重症化せずに済むようです。

6歳以下の子どもに多く発症しますが、免疫力や腎機能が低下している場合は稀に大人にも感染する可能性があります。
全身の皮膚に広範囲に水泡ができ、それがただれ剥がれ落ちます。この病気が恐いのは、全身のバリア機能が低下するため、合併症が起こる可能性があることです。重症化すると敗血症・肺炎など命にかかわる合併症を発症する可能性があるため、早期治療と入院治療が必要になります。入院となれば、個室での管理が必要となります。(看護師)
免疫力の低下した高齢者など大人も稀にかかることもありますが、一般的には子どもの病気ですので一緒に過ごすことで感染するということはあまり心配しなくて大丈夫です。入院して抗生物質による治療を受ければそれほど重症化することもなく治りますので、早めに治療を受けさせてあげてください。肌には跡も残らずきれいに治りますよ。(看護師)

二次感染を起こさないために手洗い・うがいや体力維持を心がけよう

黄色ブドウ球菌の感染経路は、接触感染や飛沫感染ですので、手を介して移さないよう手洗い・うがいを心がけましょう。二次感染予防には、体力維持も効果的なようです。

付き添いをする家族や接触する医療者も接触感染の感染予防法を遵守し、看護に当たる必要があります。子どもにとっても苦痛の多い病気ですので、家族のサポートが必要です。二次感染を起こさないためには体力維持・感染予防をしながら付き添い入院に臨む必要があるでしょう。(看護師)
接触する機会が増えると、感染の可能性も高くなりますが、黄色ブドウ球菌は健康な状態でしたら問題にならない菌です。特に予防法はありませんが、虫に刺されたり、身体に傷を作ったりしないようにしてください。(看護師)
感染経路は感染している人の皮膚や粘膜または病原体に汚染された手で口や鼻、目を触ることによる接触感染やくしゃみ、咳などでの飛沫感染です。(看護師)
兄弟などがいる場合、親の手を介して別の子どもに感染する場合もあります。そのため日常的に手洗い、うがいや爪を短く切るなどの注意が必要です。(看護師)

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群は、早期に入院すれば重症化が防げます。しかし、感染を予防するために個室対応になる場合もあります。大人に感染するのは稀ですが、免疫力が低下している場合には注意が必要です。二次感染を起こさないためにも手洗い・うがいを心がけましょう。

参考資料:
ヘルスケア大学「ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)の症状・原因・治療法

監修者:南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケアトレーナー。株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での勤務を経て、とらうべ 社設立。医療職が企業人として女性の一生に寄り添うことを旨とし、30年にわたって各種サービスを展開中。

2019/04/16

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