教育

シュタイナー教育とは?特徴や家庭での実践方法を紹介

シュタイナー教育の基本情報

シュタイナー教育は、ドイツ語でWaldorfpädagogik、英語ではWaldorf educationと呼ばれる教育で、20世紀はじめのオーストリアの哲学者ルドルフ・シュタイナーが提唱したものがベースとなっています。「シュタイナー教育」とは日本で名付けられた呼び名だということを知らない人も多いかもしれませんね。ここでは、12年間体系的なカリキュラムで進められる、芸術としての教育を謳ったシュタイナー教育についてまとめてみます。

シュタイナー教育を国内で一躍有名にしたのは、自身がシュタイナー教育で育ったという芸能人の斎藤工さんかもしれません。日本にも「最も成功したフリースクール」とも言えるシュタイナー学校はいくつか存在しています。神奈川県の学校法人シュタイナー学園、東京都立川市のNPO法人東京賢治シュタイナー学校などがよく知られています。

シュタイナー教育が提唱するもの

シュタイナー教育は、身体と心と知力、つまり「からだ」「こころ」「あたま」のバランスを大切にすることが大きな特徴として挙げられます。子どもが将来、身体だけ発達し過ぎたり、感情的になり過ぎたり、頭脳だけ発達するのはいずれも健全ではいという考えが基本にあり、それらすべてがバランスよく調和していることが人間として重要だと考えられています。

オイリュトミーって?

シュタイナー教育の代表的なカリキュラムにオイリュトミーというものがありますが、これはルドルフ・シュタイナーが創造した新しい運動芸術です。オイリュトミーという言葉には「美しいリズム」という意味があり、子どもの形成力を高める運動芸術とも言われています。パフォーミングアーツとも呼ばれる、体を動かしながら芸術表現をするというものです。

7年ごとにわけた教育法

人間の成長の段階を7年ごとに分けたことも他の教育法と一線を画するシュタイナー教育の特徴と言えるでしょう。
誕生から7歳までは「からだ」を育てることが一番大切な時期で、7歳から14歳は「こころ」を、大人になるまでの14歳から21歳は「あたま」を育てることが一番大切な時期だ考えます。この段階的な教育法はシュタイナー教育がとても大切にしている考え方となっています。

テレビ禁止は本当?シュタイナー教育の特徴

シュタイナーと聞いて思い浮かぶのは、テレビは全面禁止で、子どもたちには木の玩具でしか遊ばず、インテリアや家具も派手な色はなるべく避けるというストイックなイメージ。はたして本当なのでしょうか。

まず、小さな子どもには刺激を与えすぎない方がいいという考えがシュタイナー教育の根底にあります。よって、シュタイナー幼稚園や保育園は穏やかな雰囲気の環境づくりを徹底しており、この環境が子どもにとってとても大切な「安心感」を与えると考えています。小学校が始まると、シュタイナー教育ではエポック授業が行われます。エポック授業とは、普通の学校のようにいくつもの教科が一週間の中に組み込まれるのとは違い、担任の教師が同じ教科の授業を数週間続けて行うもの。こうすることで子ども自身が集中して一つのことについて深く学ぶことができるとシュタイナー教育では考えています。そして、この授業での学びをまとめていく「エポックノート」が、自分だけの教科書となります。教科書がない学校と聞くとあまりにもユニークで驚いてしまいますが、シュタイナー教育にはなんと一切のテストもありません。

シュタイナー教育が目指すもの

シュタイナー教育が目指すゴールは、「自由」な生き方ができる人間の育成です。これは他人の判断にただ従う受け身の人間ではなく「自らの意思によって行動できる人間」という意味で、しっかりとしたゴールイメージが存在します。シュタイナー教育の根本には芸術教育がありますが、シュタイナー教育を受けた卒業生の中には芸術家やアーティストとしての才能を開花させる人も多いようです。

シュタイナー教育を受けるには?

シュタイナー教育を受けたい場合、日本シュタイナー協会のホームページに全国のシュタイナー学校のリストが掲載されています。通える範囲にある学校を探してみましょう。また、2019年はシュタイナー教育が1919年にはじまってからちょうど100年。100周年記念で、イベントなども企画されています。学校見学はまだちょっとハードルが高いなという場合は、こうしたイベントに参加してみるとシュタイナー教育の雰囲気がわかるのでおすすめです。

家庭でシュタイナー教育を取り入れるには?

家庭でシュタイナー教育のエッセンスを取り入れるには、まずおもちゃをシンプルな素材のものにすることや、早寝早起きなどの生活リズムをきちんとすることがあげられます。毎日同じリズムで生活することの繰り返しが、子どもに安心感を与えると考えられています。また、大人の真似をしながら成長していくという考えのもと、○○しなさいという指示出しより、大人がやってお手本を見せてあげることが奨励されています。具体的に今日からできるアイデアをいくつかまとめてみましょう。


・環境づくり
シュタイナー教育では、子どもが過ごす場所は良くないものからこどもを守る環境として大切に考えられています。そのために必要な次のポイントを見直してみましょう。

・家を整える
混沌とした、散らかった家や部屋の中にいると子どもは心を乱します。掃除が行き届いた空間で、快適さの感覚を高めることが心の安定につながると考えられています。

・静かな環境を心がける
大きな音や大声は子どもには大音量で響き、その結果興奮を招きます。落ち着いた心でいられなくなるので、なるべく静かな環境で子育てをすることが奨励されます。

・色と素材にこだわる
シュタイナー教育では淡いピンク色のインテリアが多用されます。カーテンやクッション、棚などもこの色で囲まれた部屋の中で子どもたちは過ごします。これは体内の色に似ているので子どもたちが安心すると考えられているからだとか。子ども部屋のカーテンやリネンを淡いピンクにしてみてもいいかもしれませんね。
また、あたたかくて柔らかい自然素材は子どもたちを癒す力を持っているので、おもちゃは木製、木の実や草木染めの毛糸など、とても素朴なものが好まれます。絹の布も遊び布やインテリア素材としてもよく使われます。

・季節感を取り入れる
シュタイナー教育では、テーブルに一輪花を飾る、外に出て草木や虫に触れるなど、季節を感じることをとても大切にします。ちょっとしたインテリアに季節のものを入れてみるといいかもしれません。

・シュタイナーの思想を理解するために
シュタイナー学校での講座や勉強会へ参加してみると、シュタイナー教育とは何かを肌で感じることが出来ます。そこまではまだ心の準備が出来ていないという方は、まずシュタイナー教育についての著書を読んでみることをオススメします。雑誌の特集などで組まれたものは比較的読みやすくまとめられています。クーヨンなども時折シュタイナー教育の特集や卒業生インタビュー記事などを組むことがあります。

・偏差値主義の人は注意が必要
シュタイナー教育の目的はあくまで「自由な生き方ができる人間」を育てること。教科書がなかったり、到達度を測るテストがなかったりと文部科学省の指導要綱に沿っているとは決して言えないので、いわゆる偏差値は高いわけではないようです。自分の体を使って表現することに慣れている子どもたちですから、ペーパーテストが苦手な生徒も多いでしょう。
ただ、自分の意見をきちんと持っていて対面での面接やプレゼンテーションは上手な生徒が多いので、AO入試などに受かることは多いと言われています。

以上、この記事ではシュタイナー教育についてまとめてみました。


2019/03/06

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この記事の監修/執筆

イクシル編集部