不妊治療

排卵誘発剤クロミッドの服用は逆効果?かえって着床しにくくなる?

不妊治療には様々な方法があり、処方される薬もいろいろあります。今回は30代の女性からの相談です。排卵誘発剤クロミッドを処方され服用していますが、薬の副作用がかえって妊娠を遠ざけているのではないかと悩んでいます。排卵誘発剤クロミッドとその副作用について専門家に聞いてみました。

不妊治療についての相談:「クロミッドの副作用について」

現在、クロミッドの服用とタイミング指導を受けて5周期目になります。3周期目頃から内膜がなかなか厚くならなくなりました。頸管粘液も少なくなり、フーナーテストをしても精子が確認出来ない状態になっています。高プロラクチン血症と多嚢胞性卵巣症候群と診断され、排卵まで時間がかかるとのことでクロミッドを服用していますが、副作用で逆に妊娠から遠ざかっているのではないかと心配です。クロミッドを中止して別の薬や治療法に変えた方が良いのでしょうか。(30代・女性)

排卵率は高まるも妊娠率は低いクロミッド

クロミッドは排卵を誘発するものの、子宮内膜を肥厚させるエストロゲンの作用を妨げる傾向があるようです。

クロミッドの働きを簡単に説明すると、エストロゲンというホルモンに対する拮抗作用を利用して排卵を誘発します。エストロゲンは卵胞ホルモンと呼ばれており、卵胞が育ってくると量が増えてきます。クロミッドは「エストロゲンが増えてきた=卵胞が育ってきた」という情報を脳が受け取るのを防ぐことで、卵胞を育てる働きを強める効果を期待するお薬です。(看護師)
クロミッドを長期に使用すると、子宮内膜が薄くなったり、頸管粘液が減少したりするともいわれています。クロミッドはエストロゲンに対する拮抗作用によって排卵を誘発します。一方で、この抗エストロゲン作用によって子宮内膜が厚くなりにくいことがあるので、その傾向が強い場合、せっかく排卵し受精したとしても、子宮内膜が薄いために着床しにくいということもあります。(看護師)
クロミッドは排卵誘発剤で、不妊治療で処方されることの多い薬です。副作用はあまり多くないとされていますが、エストロゲンには子宮内膜を肥厚させる作用もあるため、抗エストロゲン作用により子宮内膜が厚くなりにくい傾向が強い方の場合は、お薬の変更が検討されることもあります。またこのようなデメリットを避けるためにも、5~6周期使ったあたりで他の薬に変更する医師は多いようです。 (看護師)

不安に思うことがあれば主治医に相談を

不安があれば納得がいくまで主治医に相談するのが良いようです。

クロミッド単体では、排卵率は高まっても妊娠率は低いという結果があり、子宮内膜が薄い場合はクロミッドと女性ホルモンを併用します。不妊治療のステップアップは約半年を目処に検討されますが、家族の事情や状態にもよります。5周期が経過しているのでしたら、薬の変更や治療法を見直しても良いかと思います。主治医とよく相談して下さい。(看護師)
不妊治療中は不安に思うことが多くあるかと思います。治療計画をはじめ、薬や検査の副作用などについて不安や疑問がある場合は、必ず主治医に相談し、納得いくまで説明を受けましょう。もし納得いく説明を受けられない場合は、セカンドオピニオンとして他の医師に相談してみても良いかもしれません。(看護師)

一般的に半年を目処に検討される不妊治療のステップアップですが、5周期であれば見直しをしても良いようです。主治医に相談し、場合によっては他の医師にセカンドオピニオンを求めても良いとのアドバイスもありました。

参考文献:
我部山キヨ子 武谷雄二編集『助産学講座2母子の基礎科学』医学書院 2014年1月

監修者:南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケアトレーナー。株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での勤務を経て、とらうべ 社設立。医療職が企業人として女性の一生に寄り添うことを旨とし、30年にわたって各種サービスを展開中。

2019/08/10

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