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統合失調症を治療中…妊娠出産しても大丈夫?子どもに影響はある?

統合失調症を患うと長期にわたって投薬が必要になることがあります。治療中でも妊娠や出産は可能なのでしょうか。胎児への薬の影響も気になります。統合失調症治療中の妊娠出産について専門家に聞いてみました。

病気治療中の妊娠についての相談:「統合失調症の投薬治療が妊娠出産に与える影響について」

現在30歳の専業主婦です。5年前に統合失調症を発病し、現在も治療を続けています。いつか子どもを授かりたいと思っていますが、私のような統合失調症でも妊娠・出産することは可能なのでしょうか。妊娠中は投薬が出来ないと思うので精神面が不安です。また、長らく投薬生活を続けているため、無事に出産出来たとしても子どもに障害が出てしまうのではないかと心配です。可能性はあるのでしょうか。(30代・女性)

妊娠出産は可能。初期と後期は特に配慮を

統合失調症の治療中でも妊娠出産は可能のようです。胎児への影響はゼロではないため、妊娠初期と後期は注意が必要との声がありました。

統合失調症の治療をしながら妊娠、出産をされる方はおられますよ。子どもを授かりたいという気持ちがあれば十分可能です。(助産師)
統合失調症の治療薬を服用中での妊娠・出産は可能です。ただし、胎児への影響がないわけではありません。そのため妊娠週数や症状に合わせて薬剤の減量・中断をする必要があります。特に、妊娠初期と妊娠後期には注意が必要です。(看護師)
妊娠初期は、胎児の形態・機能が形成される時期のため、薬剤に対する感受性が最も高い時期になります。また、妊娠後期に服用した薬物や摂取した食品などが出生後の新生児に影響する「新生児薬物離脱症状」を起こす可能性があります。(看護師)
「新生児薬物離脱症状」は、妊娠中に胎盤を通して薬物が胎児に運ばれ、出産後に新生児に一時的な症状(ぐったりしている・痙攣を起こす・呼吸を止める等)が起こることをいいます。一時的なものではありますが、適切な治療とケアが必要となり、出産直後のお母さんの心身にも大きな影響を与えることになります。そのため、妊娠初期・妊娠後期の薬物服用については特に注意が必要です。(看護師)

デリケートな時期だけに医師の指示に従って

妊娠出産の時期は心身ともに揺らぎやすいため、医師の指示に従うことが大切とのアドバイスも寄せられました。

妊娠初期・妊娠後期の薬物服用については特に注意が必要ですが、妊娠過程や胎児への影響を考えて薬物を自己判断で全面中断することはとても危険です。妊娠や出産によるストレスや不安が統合失調症の症状を悪化させる可能性があります。必ず主治医の指示の下で薬剤の調整・継続が必要となります。(看護師)
統合失調症で妊娠・出産された方はたくさんいらっしゃいます。妊娠中の服薬には注意しなければなりませんが、主治医と相談し、服薬中でも妊娠可能です。統合失調症でなくても、マタニティブルーや育児ノイローゼなど、妊娠・出産によってうつ病を発症する方も増えています。周囲のサポート体制を整えておく必要がありますね。(看護師)
統合失調症は、環境の変化やストレスで症状が悪化しやすいので、妊娠して身体が変化すること、生活環境が変化すること、妊娠・育児でのストレスがあること等をよく理解しなければなりません。(看護師)
統合失調症の原因の一つに遺伝もありますが、必ず遺伝するわけではありません。他にも脳の委縮・生活環境・本人の性格なども関係してきます。妊娠については、主治医とよく相談して計画を立てて下さい。また、各自治体には育児に関する支援サービス事業があります。それらも利用すると良いでしょう。(看護師)
今まで服用してきた薬のままで良い場合もあれば、変更する必要がある場合もあります。また薬が変われば体調にも変化が出てきます。妊娠や出産は必然的にホルモンバランスが変化し、心身ともに揺らぎやすいので、妊娠を希望される場合は、家族だけでなく病院や地域など周りのサポートを十分に受けられるよう体制を整えられることもお勧めします。(助産師)
現在どのような薬を服用されているのかわかりませんので、はっきりとしたことは申し上げられませんが、長期間向精神薬を服用している場合、胎児に影響が全く出ないとはいい切れません。妊娠中の服薬に関しては、絶対に使用してはいけない「禁忌」とされているもの以外は、母体の安全と胎児の安全、妊娠を継続出来るかどうかを天秤に掛けて、メリットがデメリットを上回る場合にのみ使用されます。(助産師)

妊娠・出産によって鬱病を発症することもあり、そのための治療が行われることもあるようです。病院や各自治体の支援サービスも利用しながらサポート体制を整えるのが良いとのアドバイスもありました。

監修者:南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケアトレーナー。株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での勤務を経て、とらうべ 社設立。医療職が企業人として女性の一生に寄り添うことを旨とし、30年にわたって各種サービスを展開中。

2019/06/13

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