妊活・妊娠したい

通院治療、服薬…腎臓が悪い私には妊娠は難しいの?

腎臓を悪くして入院後、今も通院治療や服薬を続けているという女性からの相談です。妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)のリスクなどを考えて、腎臓が悪いと妊娠が難しいのではと心配しているようですが、専門家は何とアドバイスしているでしょうか。

身体についての相談:「腎臓が悪くても妊娠可能ですか」

結婚して4年目になります。結婚生活2年目に入ってしばらくした頃、身体のだるさ、足のむくみ、横になると苦しくて眠れない等の症状があり、病院に行ったところ腎臓が悪いと言われました。また肺に水がたまっていたので苦しかったのだとも言われ、即日入院となりました。まだ腎機能の値はそれほど悪くないのですが、これから通院治療および食事管理が必要だと言われ、薬の服用をしています。降圧剤を1日3回、数種類服用しており、また降カリウム、リンのコントロールの薬も飲んでいます。それでなくても、妊娠高血圧症候群等のリスクがあるのに、私のような腎臓が悪い人間には、妊娠はやはり難しいのでしょうか。(20代・女性)

妊娠中は腎臓への負担が増える

合併症の可能性や腎臓への負担など、腎臓が悪い場合の妊娠によるリスクについて説明していただきました。

妊娠中は、胎児へ血液を送り羊水の量を確保するために、体内循環血液量が1.5倍にも増加します。老廃物を排出し、必要な成分を再吸収し、その増加した水分を処理するのが腎臓です。そのため、妊娠中は腎臓への負担は大きくなります。(看護師)
妊娠前から腎機能が低下している場合、流産・早産・胎児発育遅延・妊娠高血圧症候群などの発生のリスクが高まります。そのため、妊娠計画がある場合には、妊娠前から腎機能の評価が必要となり、それにより妊娠できる身体の状態であるのかということを判断しなければなりません。(看護師)
日本腎臓学会のガイドラインによると、ネフローゼ症候群・蛋白尿(3.5g/日以下)が持続している・軽度から中等度の腎機能障害患者・顕微鏡的血尿が持続している患者はいずれにしても妊娠合併症のリスクが高いとされています。状態によっては、妊娠が腎機能障害を重症化することもあり、出産後に人工透析が導入される場合もあります。高血圧も合併して降圧剤を服用していれば、妊娠判明後ただちに服用を中止しなければならないこともあります。(看護師)

担当医とよく相談しよう

腎臓が悪くても妊娠は不可能ではないようです。担当医とよく相談し、適切な管理のもと計画を立てることが勧められています。

ご自身の健康面で不安がおありでしょうが、その事を理由に妊娠を諦める必要はないと思います。腎疾患を患いながらも妊娠、出産をされる方はおられますからね。(助産師・保健師)
妊娠できないわけではなく、充分な管理が行われれば、妊娠・出産は可能です。主治医とよく相談し、計画的に妊娠の予定を立てるとよいと思います。そのためには、腎機能を少しでも正常に保つことが必要ですから、まずはしっかり治療なさってください。 (看護師)
妊娠は決して不可能ではありませんが、妊娠前・妊娠中・妊娠後も食事管理・薬物服用・運動や安静・体重管理などさまざまな注意と管理が必要となります。担当医と相談の上、妊娠計画を立てるようにしましょう。(看護師)
流産や早産、胎児の発育不全などのリスクもありますが、適切に管理を行えば出産は可能だと思います。妊娠を希望していることを主治医に伝え、今後の治療方針などをご相談してみてください。(助産師・保健師)

妊娠中は腎臓に負担がかかり、合併症のリスクも高まるため、妊娠前から適切な治療と管理を行う必要があるようです。妊娠をあきらめる必要はなく、担当医とよく相談して計画を立てるようアドバイスがありました。

参考資料:
日本腎臓学会 学会委員、腎疾患患者の妊娠:診療の手引き改訂委員会 編「腎疾患患者の妊娠診療ガイドライン2017

監修者:南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケアトレーナー。株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での勤務を経て、とらうべ 社設立。医療職が企業人として女性の一生に寄り添うことを旨とし、30年にわたって各種サービスを展開中。

2019/11/07

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