妊娠中の病気・身体の悩み

2015/06/19

妊娠中の検診で尿糖…赤ちゃんに影響はないの?

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専門家監修記事(Q&Aコメント)

妊娠中の検診で尿糖…赤ちゃんに影響はないの?

妊娠中はホルモンバランスが大きく変化するため、妊娠前にはなかった症状が現れて心配になることがあります。健診のたびに尿糖が出ることを心配する妊婦さんに対し、看護師さんたちはどのようなアドバイスをしているでしょうか。

妊婦さんからの相談:「健診のたびに尿糖が出ますが、赤ちゃんに影響はありますか?」

妊娠中期に入ってから、尿検査で糖が出ることが多くなってきました。多いときは3+もあり、一度糖負荷検査を受けましたが、異常とまでは診断されませんでした。それからも健診のたびに多かれ少なかれ糖が出ている状態ですが、医師からの指導はありません。尿たんぱくは出ていないので、妊娠高血圧症候群ではないのでしょうか。赤ちゃんに何か影響がないか心配しています。(20代・女性)

妊娠中はホルモンの作用で高血糖になりやすいです

妊娠するとホルモン分泌の変化により血糖値が上昇しやすくなります。またインスリンの分泌低下により上昇するケースもあります。

妊娠中は胎盤で血糖値を上げやすいホルモンなどが分泌され、特に後期で血糖値が上昇しやすくなります。通常この時期には、膵臓からインスリンを多く分泌して血糖値を上げないように調節します。しかしインスリンの分泌がうまくできない次のようなケースでは、血糖値が上昇します。体重の増え過ぎ、両親や兄弟姉妹に糖尿病がある、尿糖陽性、先天奇形や巨大児の出産歴、流産・早産歴、35歳以上である、などです。(内科看護師)
妊娠高血圧症候群は、高血圧と蛋白尿を主な症状とするものなので、血圧の上昇がなければ可能性は低いでしょう。現在は、妊娠糖尿病の境界状態だと思われます。(内科看護師)

妊娠中の高血糖が赤ちゃんと母体に与える影響は…

妊娠期の高血糖状態が続くと、胎児の発育不全や分娩時困難などにつながる可能性があるので注意が必要です。一時的で軽い症状なら、生活の注意で産後は正常に戻ります。

赤ちゃんの臓器は妊娠約4週から作られ始めるため、妊娠初期にお母さんが高血糖の場合は、赤ちゃんに先天奇形や中枢神経系・骨格系・心血管系・腎尿路系・消化器系・耳や口の異常などが起こる可能性があります。また、巨大児となり難産になる場合もあります。母体側では、流産や早産、妊娠高血圧症候群につながる可能性があります。(内科看護師)
高血糖の治療にインスリンなどを使用すると、出産直後に赤ちゃんが低血糖となるリスクが高まります。高血糖であっても、症状が軽かったり、検査前の食事の影響による一時的なものであれば、食事や運動で改善されて出産後は正常に戻ります。しかし、検査で何度も高血糖となる場合は、出産後に2型糖尿病へ移行する場合があります。(産科看護師)

妊娠糖尿病にならないための食事と運動のポイント

妊娠糖尿病を防ぐため、食事のカロリーコントロールをしたり、食品の種類や食べ方に気をつけましょう。また運動は妊娠生活にも有効なので適度に取り入れましょう。

妊娠糖尿病にならないための食事の注意として、現状に見合った一日の必要エネルギー量を知り、体重をコントロールすること、塩分の取り過ぎに気をつけること、間食は果物や野菜、低カロリーのお菓子など健康的なものを選ぶことを意識しましょう。また運動は、妊娠期に必要な筋肉を鍛えたり、ストレスの解消、カロリー消費などの利点があるので適度に取り入れましょう。体操や散歩などがおすすめです。(内科看護師)
低血糖を防ぐため、食事は一回の量を減らし、数回に分けて食べるとよいです。適度な運動はおすすめですが、お腹が張るときは無理をしないでください。尿糖の症状が続けば、医師から指導があると思うので、あまり神経質にならないようにしましょう。(産科看護師)

妊娠中はホルモンバランスの変化により血糖値が上昇しやすくなります。高血糖の状態が続くと胎児や分娩、出産後の母体にも影響を与えるので、妊娠糖尿病にならぬよう、今のうちから食事や運動に気をつけておくことが大切です。


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