胸のしこり

2015/08/17

胸にしこりが…授乳中に乳癌になる可能性は?

この記事の監修/執筆

乳腺外科医/女医+(じょいぷらす)森 美樹

胸にしこりが…授乳中に乳癌になる可能性は?

女性に多い癌(がん)の一つが、乳癌です。現在、授乳中で乳房にしこりを見つけて不安になっているママからの相談に、乳腺外科医の森先生はどのように答えているでしょうか。

ママからの相談:「胸のしこりが気になります。授乳中に乳癌などになることはありますか?」

最初は全く出なかった母乳が次第に出るようになり、現在は母乳で育てています。ただ、最近おっぱいのハリがひどく痛みを覚えることも多々あります。触るとしこりのようなものもあり、マッサージなどでも解消されないことがあります。このまましこりが残ってしまうのではないかと不安なのですが、身体や母乳に問題はないのでしょうか。授乳期間中に乳癌(がん)など、胸のしこりの病気になったりすることはあるのでしょうか。(30代・女性)

授乳中の乳癌発症は、まれ

授乳中に乳癌(がん)を発症する確率はゼロではありませんが、まれなようです。乳癌と乳腺の詰まりの違いについて教えてくれました。

授乳中には、しこりができやすいのですが、乳癌を発症するのはまれで、ほとんどが乳腺のつまりによるものです。乳腺のつまりによるしこりは、授乳後やマッサージの後には解消されたり、様子を見ているとなくなってしまうことがほとんどです。1か月程度様子を見ても解消されないしこりがある場合には、念のため乳腺外科を受診し、乳がんの可能性がないか検査を受けることをお勧めします。

乳腺が詰まらないように気をつけて

授乳中の場合、乳腺の詰まりがしこりの原因です。乳腺外科医の森先生が、乳腺を詰まらせないためのポイントや乳がん検診を受けるタイミングをアドバイスしてくれました。

授乳中のしこりを防ぐには、赤ちゃんによく吸ってもらうことです。飲み残しの母乳は、搾乳して出しきってください。脂っこいものや甘い物は、乳腺を詰まらせやすくなるので、なるべく控えてください。
授乳中は乳腺の評価が難しくなりますので、授乳中に乳腺外科を受診して問題ないとされた場合でも、しこりが大きくなっていくように感じたり、硬さが増す場合には再度受診してください。また、卒乳してから3か月ほど経過すると授乳の影響が少なくなりますので、改めてマンモグラフィや超音波で乳腺の評価をしておくと良いでしょう。
授乳期間を長く取ることは、将来的な乳がん予防につながります。可能であれば子どもが2歳になるまでは授乳を続けると良いでしょう。
授乳中はおっぱいを作るために乳腺が発達していますが、詰まってしまい炎症を起こして痛みを生じることがよくあります。対策としては、マッサージをして、食べ物(詰まりの原因となりえる乳脂肪分や動物性の脂質を控える)に気を付けるなどがありますが、ひどいようなら受診してください。

授乳中に乳腺が詰まると、しこりになります。赤ちゃんによくおっぱいを吸ってもらい、食事やマッサージなどにも気をつけましょう。しこりやハリがひどい場合は、受診を検討してもよいでしょう。


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