網膜芽細胞腫

2015/08/26

15000人に1人の網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)、その症状や治療法は?

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15000人に1人の網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)、その症状や治療法は?

網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)は目の網膜に悪性腫瘍ができる病気です。小児がんの一種ですが、発症率は稀で、早期治療により治癒することもできます。また、家族が異常に気づく場合も多くある病気ですので、普段気をつけたい点などを解説します。

網膜芽細胞腫という病気について

網膜芽細胞腫は、国内外問わず発症率はおよそ15000人に1人と言われている子ども特有の目の病気、小児がんの一種です。細胞分裂に関係する遺伝子、RB遺伝子の異常によって起こり、遺伝性あるいは受精時や出生時に何らかの変化が起きたことで発症します。

この病気は、両眼あるいは片眼に悪性腫瘍ができてしまいます。幼少期に起きやすいため、本人の自覚症状ではなく、周囲の大人が症状に気づくことが多いようです。主な症状としては、写真のフラッシュによって腫瘍が白く反射して光る様子「白色瞳孔」が見て取れたり、斜視、瞼の腫れなどがあります。さらに症状が進むと、視力が低下してしまったり目が赤くなったりします。悪性腫瘍が網膜以外に広がって転移してしまうと命への危険も考えられますが、早期に発見されることが多いので治癒率も高い病気です。

網膜芽細胞腫の診断方法と治療法

検査は時間がかかり、小さな子どもはじっとしていることが困難なために全身麻酔をしておこなわれます。目薬をさして眼底検査を行い、白い腫瘍が見えると網膜芽細胞腫が疑われます。腫瘍が確認されるとさらにCT検査を実施して、石灰化の様子が見られた場合は網膜芽細胞腫であると診断されます。またMRI検査により腫瘍の大きさを測ったり、脳への転移の有無なども検査します。

治療方法は両眼か片眼かによって、または症状の進み具合によって異なります。腫瘍が大きく視力が低下したままである場合は、眼球を取り除いて義眼と交換する方法をとる場合もあります。眼球を保存しながらの治療は、抗がん剤を使用した化学療法で腫瘍を取り除いたり小さくしたりする方法、レーザー療法や凍結療法などで腫瘍を除去する方法などがあります。ただし、治療より副作用が生じて、髪の毛が抜けやすくなったり感染症になりやすくなることが一時的に起きたりします。治療方法については医師と家庭間で綿密な話し合いが必要です。

網膜芽細胞腫の予防について

網膜芽細胞腫は遺伝することが考えられること、4歳くらいまでの乳幼児期に発症しやすいことの2点から、気になる場合は半年に一度くらいのペースで検査を受けることをおすすめします。また一度網膜芽細胞腫を発症し完治した後は、再発を予防するために医師の指示に従って定期検査をうけることが大切です。

小さなお子さんの瞳に白く光るものが見られたり、視線が合わないなどの気になる症状がある場合も、まずは近くの眼科で早めに診察を受けるようにしましょう。


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