三尖弁閉鎖症

2015/08/26

赤ちゃんの命に関わる「三尖弁閉鎖症」、症状や治療の流れは?

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赤ちゃんの命に関わる「三尖弁閉鎖症」、症状や治療の流れは?

命に関わる心臓病の一つで乳児期から治療が必要だとされる三尖弁閉鎖症。生後まもなく生じる特有の症状を見逃さないためにも、あらかじめ知識を蓄えておくことが望ましいでしょう。今回は、三尖弁閉鎖症の症状から治療の流れまでご説明していきます。

三尖弁閉鎖症とは?

心臓には右心房と右心室があり、その間には血液の逆流を防ぐ三尖弁があります。しかし、生まれたときから三尖弁が閉じていることがあり、右心房と右心室の血液が行き交わない状態の乳児も少なからずいるようです。十分な酸素が巡らずに、臓器の機能が弱体化していきます。この症状が三尖弁閉鎖症と呼ばれています。治療をしないと10歳以上の生存率は約10%とされ、乳児期から計画的な治療が不可欠です。原因は不明とされていますが、大切な赤ちゃんを守るためにも最低限知っておく必要があります。

診断を受けるまで

生後一日目に皮膚や粘膜が青紫色になるチアノーゼと呼ばれる状態が見られると、三尖弁閉鎖症の可能性が高いです。血液が肺に流れにくい場合にチアノーゼが顕著になります。また、多呼吸や体重が増えにくいなどの心不全の症状も見過ごせません。治療が遅れないようにもこれらの症状にいち早く気づくことが大切です。チアノーゼや心不全特有の症状を確認したら、循環器小児科にすかさず受診させましょう。

有効な治療の流れ

国立成育医療研究センターによると治療方法は下記の通りです。生後1カ月以内に肺動脈の血流が少ないならばBTシャント手術を行います。シャントと呼ばれる人口の管を動脈に縫い、肺への血流を増やすことが目的です。反対に、血流が多い場合は肺動脈絞扼術を行います。肺への血流を減らし、肺と心臓の負担を和らげ、体重を増加させるのが狙いです。ただ、利尿薬など内的な治療で対処できる場合もあるので覚えておくと良いでしょう。そして、生後3~6カ月前後で上半身から戻る血液を肺動脈につなげるグレン手術をし、さらに、生後1~3年前後で下半身の血流を肺動脈に流すフォンタン手術をします。しかし、あくまで有効な治療法であって、完治する手立てがないのが現状のようです。

三尖弁閉鎖症は成人になってからも不整脈などの症状が現れる場合もあります。しかし、国から医療費助成の適用が認められるなど、今後は手厚いサポートが受けられることが期待されています。お母さんにとっては心強い出来事といえるでしょう。


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