先天性心疾患

2015/08/26

子どもの「先天性心疾患」って何?その原因や症状・治療法について

この記事の監修/執筆

専門家監修記事

子どもの「先天性心疾患」って何?その原因や症状・治療法について

生まれつき心臓に何らかの問題を抱えている赤ちゃんは、100人に1人の割合で見つかっています。我が子に心臓の病気が見つかるとママはとても心配ですが、早期発見と適切な治療によって良好な予後を送ることが可能です。ここでは先天性心疾患の種類と原因、治療法について説明しています。

先天性心疾患とはどんな病気?

「先天性心疾患」とは、生まれつき心臓の構造に何らかの異常がある病気です。この病気を持つ赤ちゃんは100人に1人の割合で見つかっています。

先天性心疾患は、心臓を構成する4つの部屋のつながり方に異常があるために、動脈と静脈の血液の循環がスムーズに行われなくなり、さまざまな症状を起こしてしまう病気です。それぞれ欠陥の状態によって、約50種類から病名がつけられており、急いで治療をする必要がなかったり自然に治癒したりする場合もあります。しかし、中にはすぐに手術をしなければ命に関わる場合もみられます。

約50種類ある先天性心疾患、例えばどんな病気がある?

先天性心疾患の中で最も多くみられる病気は「心室中隔欠損症」で、先天性心疾患の半数以上を占めています。心室に穴が開くことで肺の血圧が高くなり、心臓や肺に負担をかけてしまう病気です。穴が小さいと自覚症状も少なく、自然に穴が塞いで治癒する場合もありますが、穴が大きいと動悸や発育不良などの症状を伴い、手術での治療が必要となります。

次に多いのが「肺動脈狭窄」と「心房中隔欠損症」です。肺動脈狭窄は右心室につながる肺動脈の一部が狭くなっているため、右心室に負担がかかってしまう病気です。軽症の場合は自覚症状のないことも多いのですが、重症の場合はチアノーゼを起こしたり発育不良を起こしたりするようになり、早急な治療が必須となります。心房中隔欠損症は心房に穴が開き、心室中隔欠損症と同じように心臓や肺に負担をかけてしまう病気です。

先天性心疾患の5%にみられる「ファロー四徴症」は、心臓に心室中隔欠損症など4つの先天的な異常を伴い、チアノーゼや心不全が起こりやすくなります。

先天性心疾患の原因は?

先天性心疾患は、赤ちゃんの心臓が形成される段階でなんらかの障害を受けるために起こります。その原因は赤ちゃんの染色体異常や母親の妊娠中の感染症、喫煙、飲酒、使用した薬物の影響なども考えられているのですが、大半は不明です。一般には、さまざまな要因が絡み合って心臓の発達に異常が起こるとされています。

また、親が先天性心疾患を持っているケースでは、子に遺伝しやすくなります。そのほか、ダウン症やターナー症候群など染色体異常で起こる先天性の病気に合併して発症する場合もあります。

先天性心疾患を発見するには?

先天性心疾患は、赤ちゃんの体調から発見される場合と健診で発見される場合とがあります。先天性心疾患を持つ赤ちゃんは、呼吸が速い、顔色が悪い、ミルクを飲む量が少ない、発育不良などの症状が起こりやすくなります。また重症の場合には、泣いたりミルクを飲んだりした後にチアノーゼを起こし、全身の肌が紫色になる場合もあります。これらの症状の見られる場合には小児科または小児科循環器科を受診しましょう。

軽症の軽い場合には特に症状がなく、健診時に心臓音に異常が見つかり先天性心疾患が発覚する場合もあります。赤ちゃんの心臓に何らかの異常が見つかれば、さらに専門科による詳しい検査が必要です。

また母親の妊娠中期頃から、超音波検査で胎児の心臓の異常を発見することも可能になっています。出生前に心疾患を発見すれば、早期に治療のプランを組むことによって適切な治療を進めることもできます。

先天性心疾患の治療法は?

子どもに先天性心疾患が発見されたら、それぞれの病気に合わせた治療を受けます。経過を見ながら必要に応じて手術を行います。ただし心臓や肺への負担が強い場合、チアノーゼや心不全のみられる場合は早期の手術が必要です。

先天性心疾患は、早期に発見して手術で欠陥のある部分を修復すれば、健康管理に気を配りながら良好な予後を送ることが可能になります。低年齢の子供の手術となると、保護者の方の心配も大きくなるものですが、心臓手術の成功率は高くなってきています。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加