妊娠糖尿病

2015/08/28

新生児にも影響が!妊娠糖尿病の症状とリスクについて

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新生児にも影響が!妊娠糖尿病の症状とリスクについて

妊娠中、食べた糖質類をエネルギー源に変えるホルモンの働きがうまくいかずに起きる糖代謝異常になると妊娠糖尿病と診断されます。母親が糖尿病になってしまうと胎内の赤ちゃんにも低血糖症状など様々な影響を及ぼしてしまいます。そこで妊娠糖尿病にならないための注意事項や診断方法、なってしまったときの対処法などをご説明します。

妊娠糖尿病とはどんな症状なのでしょう

妊娠糖尿病とは実際に糖尿病になっているのではなく、糖代謝異常をおこしているという状態です。
通常、糖質類を食べれば、糖質はエネルギー源としてのグルコースやガラクトースなどに分解されます。しかし、妊娠糖尿病においては、この代謝が何らかの理由によりうまくいかなくなり血糖値があがってしまいます。
糖代謝異常は先天的な場合もありますが、後天的な理由としては栄養バランスや自律神経の乱れなどが主に挙げられます。妊娠すると胎盤の影響から血糖値が高くなりやすい状態になるため、食事に充分気をつけているつもりでも血糖値があがってしまうこともあります。
なお、妊娠前から糖尿病であったり、妊娠中に発症し、しかも完全な糖尿病であると診断された場合は、この妊娠糖尿病とは異なります。糖尿病合併妊娠と呼ばれ、より出産に関して注意が必要となりますので充分気をつけてください。

妊娠糖尿病に伴う母体と赤ちゃんへのリスク

妊娠糖尿病により母親の血糖値が高くなってしまうと、お腹の中の赤ちゃんも高血糖になってしまうため、母体にも赤ちゃんにも影響がでてしまいます。
考えうるリスクとしては、赤ちゃんが巨大児になってしまう可能性です。この場合、難産を引き起こして母体の直腸や膣壁に傷をつけてしまったり、出生時の低酸素脳症や赤ちゃんの骨折に繋がってしまいます。ほかには、赤ちゃんの心臓肥大や電解質異常、胎内で糖分を過剰に摂取していたがための出生後の低血糖症などの症状、最悪な場合は胎児死亡も起こりえます。また母親の妊娠高血圧症候群、眼や腎臓の病気、帝王切開時のリスクの増大などもあり、重症化してしまうと母親の命の危険にも及びます。

妊娠糖尿病の検査について

検査は妊娠初期と妊娠中期にスクリーニングテストをおこないます。これは採血をして血糖値を計る検査で、食事の有無や時間に関係なくおこないます。中期にも同じように実施し、数値によって妊娠糖尿病に罹っていないか判断します。妊娠初期には陰性であっても中期に陽性になってしまう可能性もあります。陽性となった場合はさらに糖負荷試験をおこない、特定のジュースを飲んで再度血糖値を計ります。これらの結果で数値が基準を超えると妊娠糖尿病であると診断されます。現在、妊婦さんの約10%が妊娠糖尿病であるとの診断がされるようです。自覚症状はほとんどないので必ず検査を受けるようにしましょう。

妊娠糖尿病になってしまったら

妊娠糖尿病と判断された場合は、食事や運動によって管理をしていきます。食事は妊婦さんとしての必要摂取カロリーを体重から算出し、そのカロリーを3食で摂るようにして血糖値があがらないようにします。また適度な運動療法も併用していきます。食事や運動による管理を進めても結果が出ない場合はインスリン療法も加え、場合によっては入院が必要となることもあります。また妊娠32週を過ぎたら、子宮内胎児死亡の危険性を避けるためにこまめなチェックをおこなったり、巨大児になってしまう場合は分娩誘発剤によって早めの出産をすすめることもあります。

産後に気を付けること

出産後の検査で妊娠糖尿病の状態が治っていても、母親、赤ちゃんとも将来的に糖尿病になってしまう確率が高くなっています。普段からの食事への気配りや適度な運動を心がけるようにしましょう。


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