降圧薬

2015/09/08

妊娠中の降圧薬は危険?妊娠高血圧と降圧薬のリスクについて

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妊娠中の降圧薬は危険?妊娠高血圧と降圧薬のリスクについて

妊娠高血圧症候群は発症すると母子ともに危険な状態となる場合がある怖い病気です。治療の基本は安静と食事療法です。改善されない場合は降圧薬を服用しますが、降圧薬はこの病気を根本的に治す薬ではありません。妊娠高血圧症候群の症状とリスク、降圧薬の使用について解説します。

妊娠高血圧症候群とは?

妊娠20週から産後12週までの間に高血圧がみられる場合、妊娠高血圧症候群という病名になります。さらに、症状が高血圧のみの場合には、妊娠高血圧症、高血圧と蛋白尿の両方の症状を認める場合は、妊娠高血圧腎症といいます。高血圧とは、収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上の場合であり、蛋白尿とは、尿中に蛋白が1日に0.3g以上出る場合をいいます。妊娠高血圧症候群は、妊婦さん20人に1人ほどの割合で起こります。通常は、妊娠32週以降に起こることが多いですが、妊娠32週未満で発症する早発型の場合は、重症化しやすいため注意が必要です。
では、重症になるとお母さんの身体やおなかの赤ちゃんにどんなリスクがあるのでしょうか?血圧上昇と蛋白尿に加え、お母さんの身体には、けいれん発作(子癇)をはじめ、肝臓や腎臓の機能障害、脳出血、またはHELLP症候群を発症する場合があります。HELLP症候群とは、妊娠高血圧症候群の患者さんに発生するケースが多く、溶血、肝酵素の上昇、血小板の減少といった症状が現れます。お母さんのみならず、赤ちゃんの発育が悪くなる胎児発育不全や子宮の壁から胎盤がはがれ、酸素が赤ちゃんに届かなくなる常位胎盤早期剥離、胎児機能不全などが生じます。場合により赤ちゃんが亡くなることもあり、お母さん、赤ちゃん共に危険な状態となる場合がある怖い病気です。

妊娠高血圧症候群は、どんな人が発症しやすい病気?

この病気の原因について研究が進んでいますが、まだ確かな結論は出ていません。しかし、最近の研究では、胎盤がうまくできていないために、胎盤で作られた異常な物質が全身の血管に作用し、この病気を引き起こしているのではないかと言われています。
妊娠前から糖尿病や高血圧、または腎臓の病気などがある妊婦さん、肥満で母体の年齢が40歳以上と高い場合や多胎妊娠では、リスクが高いので注意が必要です。

妊娠高血圧症候群の治療法は?

妊娠高血圧症候群の治療は、基本的には安静と食事療法ですが、改善されない場合は、降圧薬を投与します。降圧薬は、この病気を根本的に治す薬ではありません。また、降圧薬により血圧が急激に下がると、胎盤に行く血液量が減ってしまうことがあります。そのため、入院し医師の管理下で服用し経過を見ます。

妊娠中に降圧薬を服用するのって不安・・・妊娠中の使用に問題のある降圧薬は?

妊婦さんの約5%が使用している降圧剤、その数は増加傾向にあります。一般的には使用されている降圧薬でも、妊娠中には内服してはいけないものがあります。妊娠中に、ACE阻害薬、ARBを服用すると、胎児の発育不良、羊水過小症、新生児死などの障害が起きるケースが報告されています。
メチルドーパなどの交感神経抑制薬やヒドララジンなどの血管拡張薬は、妊娠中に服用しても問題ないとされています。降圧薬に限らず、妊娠中の方やこれから妊娠の予定がある方は、薬剤に関しては自己判断せずに、必ず医師の指導を受けてください。


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