サイトメガロウイルス

2015/09/08

妊娠中の感染に要注意!「サイトメガロウイルス感染症」とは?

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妊娠中の感染に要注意!「サイトメガロウイルス感染症」とは?

妊娠中に注意したい感染症の1つ、サイトメガロウイルス感染症。従来多くの人が体内にもっているサイトメガロウイルスですが、免疫をもたない人が増えており、体調に影響を与える場合もあります。妊娠中に症状がでると、胎児へ影響が出ることがあります。そんなサイトメガロウイルス感染症の症状や予防などについてお話します。

サイトメガロウイルスとは

サイトメガロウイルスは、世界中のいたるところにいるウイルスで、日本では60~90%の成人が過去に感染した経験があるといわれています。一度感染すると、一生体内にとどまる性質があります。これはヒトの体内にある様々な組織に親和性があるため、体中に広がってとどまりますが、細胞の中にもぐりこんでしまい、免疫の攻撃から逃れやすくなるからです。
妊娠や出産の際に、体内に潜伏していたウイルスが再活性化して増殖することがありますが、一度感染していれば、症状が出ることはほとんどありません。しかし、免疫力が落ちている場合や、妊娠中の場合は症状が現れたり胎児に影響が出たりすることがあります。

先天性サイトメガロウイルス感染症

このサイトメガロウイルスによって、先天性サイトメガロウイルス感染症が発症する場合があります。妊娠中の母体がサイトメガロウィルスに感染すると、胎児にも感染がおよび、胎児や新生児に様々な症状を発症させる恐れがあります。母親がサイトメガロウイルスに感染するのが初めての場合は、ウイルスに対する抗体が存在しないため、胎児や新生児に症状が出やすく、重症化する可能性もある危険な病気です。ただし、初めての感染でなくとも母体内に以前に感染したウイルスが潜伏している場合、妊娠中にそのウイルスが増殖し、胎児に感染してしまうケースもあります。
サイトメガロウイルスに感染した場合に胎児に影響がでる可能性ですが、初感染の場合で約40%、体内に残存したウイルスから感染する可能性は、それ以下といわれています。
また、もし仮に胎児に感染してしまっても、必ず胎児や新生児に症状が現れるわけではなく、その確率は20~30%程度です。なかには、症状がないまま元気に生まれ問題なく成長していったり、成長の途中で症状が現れて悪化していくケースもみられます。

先天性サイトメガロウイルス感染症の症状

症状としては、胎児や胎盤の発達異常が見られます。例えば、羊水過多や胎児水腫、小頭症、胎盤肥厚、水頭症などが挙げられます。重症化してしまうと、流産や死産に発展する危険性もあります。
出生後にてんかんや自閉症、難聴、精神運動発達遅滞などの症状が出ることもあります。新生児期には、けいれんや黄疸、呼吸障害、腹部肥満などの症状が見られたり、検査によって、血小板の減少や脳室拡大、脈絡網膜炎などが発覚したりすることもあります。
出生時には異常がなくても安心はできません。出生後しばらくしてから症状が現れるケースもあります。これは、出生時に症状に気付いていない場合と、出生時にみられた症状に加えて新たに症状が加わる場合があります。特に難聴は、言葉を話し始める時期まで気付かれないことも多いです。

先天性サイトメガロウイルス感染症を防ぐためには

子どもからの接触感染は、妊娠中の感染経路の中でも多いものです。そのため、サイトメガロウイルスの免疫がないと分かっている場合には、小さな子からの感染に気を付ける必要があります。特に上の子がいたり、自身が保育士として働いていたりする場合には注意が必要です。具体的には、手洗いの際には石鹸を使ってよく洗う。おむつ替えやよだれや鼻水を拭いた後、おもちゃを触った後などに必ず手洗いをする。また、子どもと同じ箸やコップ、スプーンなどを使うのを避けるなどといったことはしっかりと行っていきましょう。


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