双胎間輸血症候群

2015/09/08

10人に1人?双子妊娠で起こる「双胎間輸血症候群」とは

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10人に1人?双子妊娠で起こる「双胎間輸血症候群」とは

一度に2人以上を妊娠することを、多胎妊娠といい、多胎妊娠の9割以上は双子です。最近では、不妊治療の卵子操作や排卵誘発剤などによって、多胎妊娠が増えている傾向にあります。そんな多胎妊娠に起こりうる様々なリスクのうちの1つが双胎間輸血症候群です。

多胎妊娠のタイプについて

ここでは多胎妊娠の中でも多い双子に焦点を当てて解説していきます。
双子の場合、1つの受精卵が2つに分裂してそれぞれに胎芽ができる一卵性と、2つの卵子がそれぞれ受精してできる二卵性とがあります。一卵性は2人の遺伝子が同じため、性別が同じで外見もそっくりです。一方、二卵性は性別が異なったり、外見もそこまで似ていなかったりします。多胎妊娠は、この一卵性と二卵性からさらに、大きく3つのタイプに分類することができます。

・一絨毛膜一羊膜
一卵性で胎盤も羊膜も1つしかないケースです。着床後に受精卵が分離するため、赤ちゃんは2人とも同じ羊膜の中で1つの胎盤を共有しています。双胎妊娠の1%以下という珍しいケースで、妊娠経過には細心の注意が必要です。

・一絨毛膜二羊膜
一卵性で胎盤が1つ、羊膜は2つあるパターンです。受精から4~8日経ってから着床すると、このタイプになります。一卵性のなかでは約6~7割がこのタイプです。

・二絨毛膜二羊膜
胎盤も羊膜も2つあるタイプです。そのなかでも、2つの胎盤がくっついてしまうことがあり、これは、一卵性と二卵性の両方に起こる可能性があります。胎盤も羊膜も別々の場合があり、これは二卵性のみに起こります。ただし、受精から3日以内など短期間で分離した場合には、一卵性でもみられることがあります。

双胎間輸血症候群とは

双胎間輸血症候群は、一絨毛膜双胎に起こる病気です。胎盤を共有しているため、繋がっている血管からお互いの血液が胎児同士を行ったり来たりしながらバランスを保っていますが、バランスが崩れてしまうと発症します。
血液を多くもらっている方の胎児は、心不全や胎児水腫を引き起こしたり、尿の量が増えて羊水過多になったりします。血液を多く送り出すことで、血液量が不足している方の胎児は、発育不全となったり、尿の量が減少して腎不全や羊水過少、貧血による低血圧や乏尿を引き起こしたりします。
2人の胎児両方の状態が悪くなることが特徴の病気です。どちらの胎児も、治療を行わないまま過ごしてしまうと、亡くなってしまうリスクがあるため注意が必要です。

双胎間輸血症候群の治療法

妊娠週数と重症度に応じた治療を行います。未熟児治療が可能な週数であれば、分娩して新生児治療を行います。子宮外での治療が困難な週数であれば、胎児治療を行います。妊娠26週未満であれば、胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術が主に行われます。しかし、状態によっては積極的羊水除去が行われることもあります。新生児に対する高度医療を行える病院と連携を図りながら、適切な治療や管理が求められます。


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