胎児発育不全

2015/09/08

おなかの中の赤ちゃんが危ない!胎児発育不全(FGR)とは?

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おなかの中の赤ちゃんが危ない!胎児発育不全(FGR)とは?

胎児発育不全という病名を聞いたことはありますか?妊娠中のママに知っておいてもらいたい、胎児発育不全の基本的なポイントについてまとめてみました。おなかの中の赤ちゃんの命にも関わる胎児発育不全。この機会に知っておいてほしいと思います。

胎児発育不全とは?

おなかの中で赤ちゃんが順調に育っていない状態や、発育が遅れたり停止してしまったりした状態のことを胎児発育不全といいます。胎児の体重や身長が小さいだけではなく、臓器がうまく機能していない場合もあります。標準よりも小さく生まれた赤ちゃんは胎児ジストレス(以前は胎児仮死と呼ばれていました)、低カルシウム血症、低血糖、多血症などになりやすい傾向にあります。したがって、おなかの中の赤ちゃんの発育が順調であるかどうかを定期的に診断し、発育不良が見受けられれば対処していく必要があるのです。

胎児発育不全の分類とその原因

前述しましたが、発育不全と言っても様々な状態があり、胎児発育不全は3つのタイプに分類されます。

・均衡(発育不全)型
胎児側に原因があるもので、全体の20~30%を占めます。妊娠初期から妊娠中期にかけて発症し、頭部や躯幹に発育不全が見られます。染色体異常や胎児奇形、感染症(風疹ウイルス、パルボウイルス、サイトメガロウイルスなど)のほかに薬剤が原因としてあげられます。均衡(発育不全)型の50%は先天異常であると考えられています。

・不均衡(栄養失調)型
胎盤機能不全、胎盤形態異常(副胎盤の存在など)、胎盤付着異常などにより、胎児への栄養供給がうまくいっていない状態のことをいいます。胎児は皮下脂肪が少ない、いわゆる痩せ型ですが、頭部の発育は保たれています。妊娠中期以降に発症し、全体の70%を占めます。

・混合型
 均衡型、不均衡型の中間型で、全体の5%を占めます。原因としては、早発型妊娠中毒症、母体の栄養失調、薬物、アルコール、喫煙などがあります。

胎児発育不全の治療と分娩

胎児発育不全が疑われたら、定期的におなかの中の赤ちゃんの様子を診察しつつ、経過を注意深く観察していかなくてはなりません。状態によっては入院が必要となる場合もあります。とにかく安静でいることが重要であり、母体の基礎疾患の治療も併せて行うこととなります。
出産予定日までおなかの中で育て、赤ちゃんが元気な状態で分娩することを目標とします。しかしながら、赤ちゃんの成長がほとんど見られない場合や、子宮の中の環境が悪くなってしまっている場合には、出産予定日前であっても出産をする方向で検討されます。この場合には、赤ちゃんの安全のために帝王切開分娩での出産となる場合が多く、赤ちゃんはその後、保育器などで過ごすこととなります。
胎児発育不全を疑われたら、とにかく安静にすることを心掛けましょう。兄弟姉妹がいて家で安静にすることが難しい場合は、先生に入院の相談をしてみることも1つの方法でしょう。


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