下肢静脈瘤

2015/09/08

妊娠中の下肢静脈瘤の治療に使われる弾性ストッキングとは?

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妊娠中の下肢静脈瘤の治療に使われる弾性ストッキングとは?

妊娠期は足の血管が浮き出て、痛みやかゆみなどで困ることがあります。下肢静脈瘤は静脈の弁が正常に機能しないため血管に血液が溜まり、浮き出るなどの症状が現れる病気です。妊娠期に増えることが多く、治療では弾性ストッキングなどを使用します。

下肢静脈瘤とは?

下肢静脈瘤は、血液が足から心臓に戻る際に必要となる静脈弁が正常に働かないことが関係して起こる血管の病気です。静脈内の血液が溜まってしまうため血管がぼこぼこと浮き出るようになります。下肢静脈瘤の原因としては加齢や遺伝的な要因などのほか、妊娠、特に高齢妊娠の場合に多くなるといわれています。

どのような症状?

下肢静脈瘤でみられる症状は足のむくみやだるさ、また湿疹やかゆみ、足がつるなどの症状です。さらに、足の皮膚の色素沈着や血管が浮き出てしまい、血管の張る痛みなどを訴える人もます。
下肢静脈瘤の種類は次の4つです。太ももの内側や足のつけ根などの太い血管に見られる「伏在型」、膝から下のやや細い血管に生じる静脈瘤は「側枝型」といわれています。また、直径3mmまでの細い血管に起こる「網目状」の静脈瘤は膝の裏側に多く、「クモの巣状」は直径1mm以下の血管が放射線状に浮き出て見える静脈瘤です。

下肢静脈瘤の原因は?

下肢の血液は立っているときでも心臓に戻れるように逆流を防止する必要があり、その役割を果たしているのが静脈弁です。しかし、加齢や立ち仕事などの影響で血流の悪い状態になると静脈弁が正常に機能せず、静脈内に血液が逆流して血管が浮き出るなどの症状となります。
その他の原因としては妊娠や遺伝的な要因、さらに糖尿病や高血圧などの疾患による影響です。また、男性に比べて筋肉が少ない女性はふくらはぎの筋ポンプ機能が低いことも多く、男性よりも下肢静脈瘤を起こしやすい傾向があります。

妊娠中に下肢静脈瘤になりやすいのは?

妊娠期に下肢静脈瘤が起こりやすいのは黄体ホルモンの増加が関係しています。黄体ホルモンは子宮の収縮を抑制する働きがあるため流産や早産の予防、また、胎児の成長に合わせて子宮が大きくなるために重要な働きをもつホルモンです。しかし、同時に静脈などの血管壁の弾力を低下させるため、静脈弁が正常に働かず血液が心臓に戻りにくくなります。

どのように治療すればいいの?

下肢静脈瘤の治療には保存的治療のほかに、静脈を切除する手術や血管内治療などがあります。保存的治療では薬を使用せず、運動などを取り入れた生活への改善、また弾性ストッキングの着用などによって症状の改善や予防を目指します。

弾性ストッキングとは

弾性ストッキングは足を締めつけることによって、ふくらはぎにある筋ポンプ作用を補い、足に血液が溜まるのを予防するストッキングです。弾性ストッキングは足首から膝、太ももにかけて段階的に圧迫力を弱めることで血液を心臓に戻りやすくしています。
種類は長さによって、膝下タイプと膝上タイプ、さらにパンストタイプの3つがあります。

弾性ストッキングを使用する際の注意点

弾性ストッキングは市販のものもありますが、医療用は医療機関で購入できます。また、妊婦用として腹部がゆるめのストッキングもありますので産科の医師に相談するとよいでしょう。
購入する際には足首やふくらはぎなどの周囲径を測り、サイズや圧迫圧が自分に適したものを選ぶ必要があります。また、「うまく履けない」、「肌がかぶれた」などのトラブル、さらに長時間の着用や過剰な圧迫など不適切な履き方をすると血行障害などを起こすことがあります。
弾性ストッキングを効果的に使用するためには医師の指導のもとに正しく履き、足の運動を併用することが重要です。


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