MFICU

MFICU(母体・胎児集中治療室)とは?NICUとの違いや面会の制限など

産まれてすぐに治療が必要な赤ちゃんが入ることのある「NICU」は聞いたことがあっても、「MFICU」は聞き馴染みがないかもしれません。どんな場所なのかご紹介しましょう。

MFICUは何科に属する?

MFICUはMaternal-Fetal Intensive Care Unitを省略した用語で、日本語では「母体・胎児集中治療室」といいます。
集中治療室(ICU)とは、24時間体制で治療と処置が必要な方に医療を施す場所です。MFICUでの治療対象となるのは、妊娠期に合併症を起こして、重症妊娠高血圧症候群、前置胎盤、切迫早産、多胎妊娠、胎児の重いトラブルなど、リスクの高い出産となる可能性のあると診断された妊婦と胎児(お腹の中にいる赤ちゃん)です。
MFICUで治療を受けるのは、妊婦と胎児です。母児関連の部門のため、おもに産科に属していますが、どの病院にもあるわけではありません。「総合周産期母子医療センター」にはMFICUがあります。

MFICUの施設基準と提供されるサービス

施設基準としては、MFICUには6床以上あること、産科の担当医師が24時間体制で複数名配置されていること、常に3床に1名の助産師または看護師が配置されることが定められています。
ちなみにNICUの施設基準は12床以上で、新生児医療の担当医師が24時間体制で1名配置、常に3床に1名の看護師を配置することになっています。
総合周産期母子医療センターは、常に妊婦や新生児の搬送を受け入れる役割がありますが、状態が安定した妊産婦は地域周産期母子センターに搬送するなど、必要な医療を提供できるように地域の医療関連施設や病棟のスタッフと連携をとってサポートしています。

MFICUの医師や看護師の技術

MFICUのある総合周産期医療センターには、夜間でも複数の産科医や新生児医療の担当医、麻酔科医などがいます。こうした医師はもちろん看護師も、救急医療体制を必要としている症例にも対応できる技術と設備をもって、治療や看護にあたっています。

NICUとの違いは?

NICUはNeonatal Intensive Care Unitを省略した用語で、日本語では「新生児集中治療室」といいます。対象となるのは、分娩時にトラブルがあったり、生まれてから心臓や呼吸器などに病気があとわかったりして、治療が必要と判断された新生児です。こちらもMFICUと同じように、24時間体制で専門的な医療が受けられます。
MFICUは妊娠22週~生後1週間未満の期間の母児が対象で、NICUは生まれてから28日間の新生児が対象です。

MFICUに入院した場合にかかる費用

患者さんは治療が必要な状態のため、母体・胎児集中治療室管理料といわれる集中治療室での管理料が加算されます。加算される期限は14日間のみです。病院ごとに加算システムにバラつきがあり、月をまたいだらもう14日間加算されることもありますので、そのシステムは病院にお問合せください。
このMFICUに入院になるということは治療が目的です。基本的には医療保険の3割負担や高額療養費制度の対象となります。差額ベッド代や保険適応外治療などは対象とはなりませんので、予算に関しては担当医師に相談したほうがよいかもしれません。

MFICUのある病院はどんなところ?

MFICUは「総合周産期母子医療センター」に認定された医療施設にあります。「周産期」とは、妊娠22週~生後1週間未満の期間のことをいいます。
この「総合周産期母子医療センター」は、都道府県が指定したリスクの高い妊娠に対する医療や高度な新生児医療など、周産期の医療を行う施設です。
平成30年4月1日の時点で「総合周産期母子医療センター」と認定されている施設は、全国に108施設あります。
MFICUで状態が安定した患者は「地域周産期母子医療センター」という、周産期の母児に比較的高度な医療が提供できる施設に移ったり、病棟に転科してもらったりします。この「地域周産期母子医療センター」は全国に298施設あります。

MFICUの面会時間・条件は?

面会時間については病院ごとに時間が異なりますので、お見舞いに向かう前に必ず面会できる時間を確認しましょう。
また、患者の状態や検査・処置内容によっては面会ができず、お見舞いに来ても病室に案内できない場合もあります。突然のお見舞いは避けるようにして、事前に訪問してもよいかを確認しましょう。
手土産は食べ物や飲み物などではなく、何か別のものにしましょう。面会するときはマスクを着用したり、手洗い・うがいを行ったりして、感染予防を意識しましょう。

もしMFICUに入院することになったら

全国47都道府県に各1か所はMFICUがあります。ただし、家の近くにあるとは限りませんし、入院中は家をしばらく空けることになります。また、1つの「総合周産期母子医療センター」に重症な患者が集中することになりがちなので、県外のMFICUが併設されている医療センターに搬送されることもあります。さらに、日々、妊産婦が医療センターに搬送されてくると、MFICUにいた新生児はNICUに移動することになります。そのため、出産後に母児が異なる病院で入院生活を送るという状況になる可能性もあります。
入院中は自分が家族にサポートしてもらう一方、上の子がいる場合は送り迎えを誰にしてもらうかなど、留守中の手配も必要になってくるでしょう。比較的長期になるので、できれば気心の知れた人に頼むのが安心です。
まずはMFICUで入院生活を送ることも不安でいっぱいかとは思いますが、出産後の日々の生活についてもイメージすることが大切です。サポートは誰にお願いしようか、どんなサポートがあるのかなど、一人で抱え込まないで医療スタッフと一緒に考えていきましょう。

執筆者:南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケアトレーナー。株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での勤務を経て、とらうべ 社設立。医療職が企業人として女性の一生に寄り添うことを旨とし、30年にわたって各種サービスを展開中。

監修者:株式会社 とらうべ
助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの医療職や専門家が在籍し、医師とも提携。医療や健康、妊娠・出産・育児や女性の身体についての記事執筆や、医療監修によって情報の信頼性を確認・検証するサービスを提供。

<参考>
厚生労働省 「総合周産期母子医療センター一覧(平成30年4月1日現在)」
厚生労働省 「地域周産期母子医療センター一覧(平成30年4月1日現在)」


2018/12/27

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この記事の監修/執筆

保健・衛生・妊娠・育児コンサルタント株式会社とらうべ