てんかん

2015/10/20

脳の慢性疾患「てんかん」ってどんな病気?

この記事の監修/執筆

専門家監修記事

脳の慢性疾患「てんかん」ってどんな病気?

幼い子供を持つお母さんなら、一度は「てんかん」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。「てんかん」は誰にでも起こりうる脳の発作です。いったいどんな病気なのか、その症状や治療法を知って、我が子の万が一に備えておきましょう。

てんかんとは?

てんかんは、脳の神経細胞(ニューロン)に突然電気的興奮がもたらされることによって発作が繰り返し起こる慢性的な脳疾患のことです。漢字では「癲癇」と綴り、10世紀の中国医学書にはすでに登場していたほど古くからの病気です。てんかんは年齢、性別などによらず誰でも発症する可能性がありますが、発症した人のうち特に18歳以下で発症した人が80%と多く、とりわけ3歳以下に多く発病がみられます。

てんかんを引き起こす原因は?

てんかんは、大脳にある神経細胞(ニューロン)の活動が乱れることによって生じます。具体的には次のとおりです。例えば指先が熱いものに触れると、とっさに手を引っ込めますよね。指先が熱いものに触れたという感覚が神経細胞(ニューロン)を介して脳に伝達されると、脳は「手を引っ込めなさい」という命令を指先に送ります。こうした一連の動作を司る神経細胞(ニューロン)には一定のリズムで微弱な電気信号が流れており、この電気信号が突然バランスを崩すことでてんかんの発作が起こります。
てんかんは、検査では異常が見つからず発作の原因が不明とされる「特発性てんかん」、出生時の状態や髄膜炎、脳炎、脳梗塞など脳に何らかの傷害や傷がついていることで起こる「症候性てんかん」に分けられます。

てんかんの症状はどんなもの?

てんかんと聞くと、突然泡を吹いて倒れたり、体が激しく痙攣する様子を思い浮かべる人が多いでしょう。てんかんの発作はこれだけでなく、「全身や一部の筋肉がピクピク震えて痙攣する」、「全身がガクガクする」、「意識がなくなり、白目をむいたりぼんやりと一点を見つめる」など、様々な症状が見られます。ある0歳児の例では「首を前に曲げ、両腕をぴんと突っ張るように伸ばす」という動作を繰り返すなど、一見てんかんと分からない症状が見られることもあるので、気になることがあれば小児科を受診するようにしましょう。

子供がてんかんを起こしたら

子供がてんかんの発作を起こしたら、まず安全の確保につとめましょう。高いところにいる、水や火などの近くにいる場合は安全な場所へ遠ざけてください。嘔吐を伴ったり意識を失うなどしている場合は食べ物や舌で窒息しないよう気道を確保します。意識を失っているときは、叩いたり大声で呼びかけたりせず、静かに寝かせます。

また、てんかんの診断には発作の目撃情報がとても重要です。子供が目の前で発作を起こすと誰でも気が動転してしまいますが、慌てず以下のことを確認してください。
・発作が起きた状況と時間
・発作がどれくらいの時間続いたか
・意識があるか
・発作の震えは体の左右どちらからはじまったか
・発作の具体的な症状(手足を突っ張る、手足ががくがく震えるなど)
携帯電話の動画機能で発作の症状を撮影できるとより確実ですね。

子供にてんかんの発作があらわれたら小児科を受診します。すぐにおさまるようなら普通の外来で構いませんが、症状が5分以上続いたり、繰り返し発作が起きるようであれば救急車を呼びましょう。

てんかんの治療方法

てんかんの治療は、神経細胞(ニューロン)の電気的興奮を抑制する抗てんかん薬を使った薬物治療が主です。てんかんは一度だけでなく何度も繰り返すものなので、長期に渡る服用が必要です。一般的には3年以上発作が起こらず脳波検査にも異常が見られなくなった時点で薬の服用をやめることができます。抗てんかん薬は風邪薬などほかの薬との飲み合わせによっては副作用がでるおそれがあるため、別の病気にかかって薬を服用する場合には必ず抗てんかん薬を飲んでいることを医師に伝えましょう。

てんかん発作は予防できるの?

てんかんは、発熱や疲労、ストレスなど一定の刺激や出来事が誘発因子となって発作を引き起こすことがあります。規則正しい生活を送り、疲れやストレスを溜めないよう心がけるとともに、幼稚園や学校の先生とてんかん発作が起こった際の対処法について相談をしておくと良いでしょう。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加