横隔膜ヘルニア

妊娠中に横隔膜ヘルニアが発覚…その治療法や予防法について

横隔膜に開いた穴が原因となり肺が圧迫されて呼吸困難をひきおこす横隔膜ヘルニア。ほとんどの場合が先天性で、赤ちゃんは生まれた直後から治療が必要となります。横隔膜ヘルニアとはどういうもので、その治療はどのように行われるのでしょうか?

妊娠中に横隔膜ヘルニアが発覚・・・

横隔膜というのは、身体の中でお腹と胸を隔てている薄い膜のことをいいます。この膜に穴が開いていると胃や腸や肝臓などが胸まで入り込んでしまうため、肺が圧迫されて呼吸困難を引き起こしてしまいます。
横隔膜ヘルニアのほとんどは先天性のもので、超音波診断で胎児のうちに発見されることが多い病気です。お腹の中の赤ちゃんに横隔膜ヘルニアがあると診断された場合、分娩後すぐに小児科医によって治療が開始されることになります。横隔膜ヘルニアで産まれた新生児は重症のチアノーゼや呼吸困難があり、出生直後から人工呼吸器などの措置が必要となります。
横隔膜ヘルニアでも、出生直後には発症せず、ある程度成長してから、打撲や風邪など何らかのきっかけを経て発症する場合もあります。こうした遅発型の横隔膜ヘルニアでは、肺の機能には問題が少ないことが多いため、比較的軽い症状で治療を進められます。

治療は症状に合わせて

横隔膜ヘルニアの治療には、穴の開いている横隔膜を形成するための手術をうける必要があります。しかし、心臓の状態や呼吸、血液の状態が良好でない時には、呼吸循環動態をまず安定させる必要があります。呼吸循環動態を安定させるためには、人工肺などの特殊な装置を用いて血液の循環を良くしていきます。
胎児期に横隔膜ヘルニアになっていると、肺が圧迫されたままの状態で発達することになりますから、呼吸機能に重篤な障害を残したまま出生を迎えることとなります。そのため、出生後にはまず呼吸を安定させることが大切なのです。

横隔膜ヘルニアを防ぐことは出来る?

お母さんのお腹の中の赤ちゃんに横隔膜が出来始めるのは、妊娠2カ月を過ぎた頃といわれます。赤ちゃんの横隔膜形成に障害が出てしまうことを防ぐ手立ては、残念ながらありません。しかし、妊娠中の検診をしっかりと受け続けることで、お腹の中の赤ちゃんの異常にきちんと気付くことができますから、出産直後の医療体制を整えてもらうことができます。そうしたお母さんの行動で、結果的に赤ちゃんの命を守ることができるのです。実際に、妊婦検診での超音波検査で胎児の横隔膜ヘルニアの診断が出来るようになったことで、横隔膜ヘルニアの救命率は上昇し、たくさんの赤ちゃんの命が救われています。


2015/10/21

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