骨形成不全症

骨折をくり返す遺伝性疾患「骨形成不全症」の原因や症状

骨がもろく、骨折しやすいことで骨の変形やさまざまな症状を伴うことがある骨形成不全症は、遺伝によって起こるとされている先天性異常で、小児慢性特定疾患にも指定されています。ここでは骨形成不全症のしくみや症状、治療方法について解説します。

骨形成不全症とはどのような病気?その原因は?

私たちの骨は、二重構造のようになっています。内側は骨髄、外側は骨基質と呼ばれ、骨の構造を支える鉄筋コンクリートのような部分になっています。その骨基質においてまさに鉄筋のような役割をしているのがコラーゲンです。

このコラーゲンはI型コラーゲンと呼ばれています。骨形成不全症は、このI型コラーゲンを正常に作ることができないことにより発症する病気なのです。遺伝子の異常によって、骨の構造をささえる鉄筋のような役割をするI型コラーゲン量が減少したり構造がもろくなるために、骨が簡単に折れてしまうしくみです。遺伝性疾患のため、両親のどちらかにこの疾患が見られる場合は50%の確立で遺伝するとされていますが、突然変異での発症もあり、両親ともに健常な場合でもまれに発症する場合があります。

国内では2万人に1人という低い発生頻度の疾患です。病態の軽いもの、重いものいくつかのタイプに分かれますが、ほとんどに骨のもろさが見られるのが特徴です。何もしていなくても折れてしまったり、何回も骨折をくり返すために、骨が変形してしまうほか、約半数の患者さんには聴力障害が認められます。

どのような症状が見られるの?

骨形成不全症は、骨折の症状が一度もなく、疾患に気づくことがないまま一生を過ごす軽症な例から、お母さんのお腹の中ですでに複数の骨折をおこした状態で生まれてくる重症の例まで、さまざまな病態が認められます。重症の場合には、赤ちゃんのやわらかい頭蓋骨が出産時の圧力に耐えられずに脳を守ることが困難となり、生後まもなく死亡に至るケースもあります。

多くは、歩き始めの頃に、ほんのちょっと物にぶつかった程度でも骨折してしまうという症状にはじまり、骨折をくり返し、足や腕の変形を伴うようになります。四肢だけではなく側彎の変形や歯の形成不全、聴力障害、白目の部分が青色になる青色強膜(せいしょくきょうまく)といった症状も骨形成不全症特有のものです。10歳くらいまでは特に骨折しやすいのですが、骨が成熟するにつれ骨のもろさは改善してゆきますので、思春期を過ぎるころには骨折は起こりにくくなると言われています。

しかし、女性の場合は閉経とともに悪化しやすくなる傾向にあります。
骨形成不全の子供は知能は正常であり、運動障害の程度にもよりますが自立した生活を送れる能力を持っています。普通の生活を送れる可能性は障害の程度に左右されます。

骨形成不全症の治療方法とは?

診断は、前に述べたような症状に加え、骨密度検査、X線検査での所見のもとに判断します。重症度や骨折以外の症状の有無により、I型からIV型までの4つのタイプに分類されていますが、近年はさらにV型からVII型までに分類されることもあります。治療は、小児期に多く見られる骨折を少しでも防ぎ、骨の変形がおこらないような対症療法が中心となります。理学療法、作業療法などで、できるだけ骨折につながるようなけがを避ける対策をおこない、体の機能維持をめざします。

また、近年では、ビスホスホネートという薬剤がコラーゲン繊維を強くして、骨の密度を高める効果があることがわかってきました。骨粗鬆症の治療薬でもあるビスホスホネートを点滴に混ぜて投与を続けることで、骨折しにくくなる効果が認められはじめているのです。しかし、まだ多くの病院でこの治療が可能なわけではないこと、また、長い期間をかけて治療をおこなう必要があることなど課題があるのも事実です。

おうちの中には、玄関や階段、ドア、家具の角、段差など、転倒につながるさまざまな要素が存在します。小さな子どもの目線で危険が潜んでいないかチェックし、転倒防止をはかりましょう。また、小学生になると活動が増すことから骨折も起こりやすくなります。その反面、骨密度を上げることができる貴重な成長期ですので、カルシウムを十分に摂るとともに栄養バランスに気をつけてあげましょう。


2015/10/22

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事の監修/執筆

専門家監修記事

子どもの遺伝性疾患について…あわせて読みたい

私と夫の持病は、赤ちゃんにも遺伝してしまうの?