くる病

2015/10/08

子どもの「くる病」が増加?知っておきたい原因と予防法

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子どもの「くる病」が増加?知っておきたい原因と予防法

「くる病」という病気をご存知でしょうか。日本では戦後の貧しい時代にしばしばみられ、食生活が豊かになるにつれ姿を消していった病気です。しかし近年は再びくる病の子供が増えています。子供の健やかな成長のために、くる病の原因や対策法を把握しておきましょう。

くる病とはどのような病気?

くる病とは、骨の形成に障害が起こる成長期の病気です。健康な骨は硬く丈夫ですが、骨に柔らかい組織が多くなってしまうために、骨格に変形や湾曲が起こりやすくなってしまいます。くる病の「くる」とは、背中が湾曲しているという意味です。
骨の形成には十分な栄養が必要なため、食糧事情の悪い環境で育てられている子供にみられやすい病気です。日本では、戦後の貧しい時代にしばしば起こっていました。

子供がくる病にかかる原因は?

骨の形成には、骨の材料になるカルシウムとリン、骨にカルシウムを沈着させて骨密度を高めるビタミンDが必要です。

そのため、先天的な体質または病気が原因で体内のビタミンDが上手に合成できない子供や、カルシウム・リン・ビタミンDが十分に摂取できていない子供は、骨を硬く丈夫に成長させることができなくなってしまいます。

また私達の体内にあるビタミンDのほとんどは日光を浴びることで合成されているため、日光を浴びる時間が極端に少ない子供も骨が弱くなってしまうのです。

くる病の症状と発見のポイント

くる病の特徴的な症状には、脚が変形する、肋骨の関節がこぶ状に膨らむ、背骨がゆがんだり背中が丸くなったりする、頭がい骨が柔らかくなる、身長や体重が増加しない、歯がもろくなる、筋肉痛が起こりやすい、などがあります。

くる病は膝の関節が変形しやすく、乳幼児は極度のX脚またはO脚、そのために歩行に支障が出ている場合にくる病の可能性を疑います。1~2歳の子供を直立または仰向けの状態にさせ、両足のかかとをくっつけた時に膝のすき間ができるかどうかチェックしてみてください。すき間が大きければX脚・O脚と考えられます。

子供のくる病を治療するには?

子供の脚の形や成長に問題があると感じた場合には病院を受診しましょう。検査をして血液中のカルシウム・リン・ビタミンD濃度の低いことが分かったり、X線撮影で骨格の異常が確認されたりすれば、くる病と診断されるでしょう。

治療では栄養補給や骨格矯正が行われます。くる病患者はカルシウムなど骨の形成に必要な栄養素がかなり欠乏しているため、家庭の食事療法だけで栄養不足を解消することは難しく、処方された栄養剤で十分に栄養素を補給していく必要があります。

くる病が進行すると成長障害や骨格のゆがみが重度になり、骨格の矯正に手術も必要になってしまうので、早期に発見・治療を始めることが重要です。

現代っ子に増えているくる病を予防するには?

くる病を予防するには、バランスの取れた食生活と適度な日光浴が必要です。

カルシウムは乳製品・小魚・小松菜に、ビタミンDは鮭・卵・きのこ類に多く含まれます。リンはさまざまな食品に多く含まれているので、通常の食生活で不足することはありません。

日光浴は毎日行いましょう。近年くる病が増えているのは、紫外線の健康被害を心配して極端に紫外線を避ける親御さんが増えていることも関係しているようです。紫外線の強い時間帯を避け、1日に15分程度、外で遊ばせることで、ビタミンDを合成することができます。

また現代っ子にくる病が増えている原因に、アレルギーによる食事制限も影響しています。アトピー性皮膚炎や食物アレルギーで牛乳や卵を食べることができない子供は栄養不足になりがちです。子供の食生活については担当医からアドバイスを受ける、アレルギーの原因となる食品以外の物から栄養素を摂取する、といった対策をとるのが良いでしょう。


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