帝王切開

2015/11/09

緊急帝王切開分娩ってどんなときにおこなわれるの?

この記事の監修/執筆

専門家監修記事

緊急帝王切開分娩ってどんなときにおこなわれるの?

緊急帝王切開とは、分娩が始まってから緊急で帝王切開が必要となる状況のことをいいます。分娩前にリスクは低いと診断されていた妊婦さんでも、2%くらいの割合で緊急帝王切開になることがあります。今回はそんな緊急帝王切開についてご紹介します。

緊急帝王切開が必要となる状況とは?

何らかの原因で赤ちゃんやお母さんが危険な状態である場合、または分娩が進まずに経膣分娩が期待できない場合に緊急帝王切開は行なわれます。緊急帝王切開と聞くと怖いイメージをもってしまう方も多いと思いますが、赤ちゃんとお母さんを守るための手術なのです。

具体的なケースについて

・胎児機能不全
臍帯(へその緒)が圧迫されたり、胎盤機能が低下したりすることで、赤ちゃんが酸素を十分に受け取れない状態のことをいいます。この場合、すぐに赤ちゃんを取り出す必要があり、緊急帝王切開が行なわれます。以前は「胎児仮死」「胎児ジストレス」と呼ばれていましたが、今では赤ちゃんの状態は「赤ちゃんは元気(リアシュアリング)」か「赤ちゃんは元気かどうかわからない(胎児機能不全:ノンリアシュアリング)」といいます。

・常位胎盤早期剥離
胎盤は通常の位置にあるものの、何らかの原因で分娩前に剥離してしまう状態のことを常位胎盤早期剥離といいます。この胎盤が剥離する程度が大きいほど子宮内の出血は多くなり、貧血や腹痛がひどくなって赤ちゃんも重症となってしまいます。絨毛膜羊膜炎や妊娠高血圧症候群が原因となります。

・妊娠高血圧症候群
妊娠中や分娩中に関わらず、血圧が160/110以上で、特に頭痛や高度の蛋白尿が見られる場合は緊急帝王切開が行なわれます。この場合、胎盤の機能が低下していることが多く、赤ちゃんは小さめで胎児機能不全の可能性も高くなります。

・微弱陣痛
子宮の収縮力が弱い、陣痛の間隔が長い、陣痛の持続時間が短いなどの状態が続くと、お母さんの疲労に加えて胎児機能不全に陥る可能性も高くなるため、状況に応じて緊急帝王切開が行なわれます。

・臍帯下垂・臍帯脱出
臍帯(へその緒)が子宮口付近まで下がってきたり、子宮口から膣内へ脱出したりした場合の状態のことを言います。この状態では赤ちゃんに十分な酸素が届かず、急速に赤ちゃんが危険な状態になる可能性があるため、緊急帝王切開が行なわれます。

その他、遷延分娩(子宮口が硬く十分に開かないために分娩が長引く状態)や回旋異常(赤ちゃんがうまく頭を回しながら下りてくることができていない場合)にも緊急帝王切開は行なわれます。緊急帝王切開は文字通り急に決定される手術なので、気持ちの準備をもつ時間がありません。自然分娩を望んでいてもそういった場合があるということを考慮し、あらかじめ緊急帝王切開について知っておくことも大切です。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加