人工破膜

2015/11/13

人工破膜をはじめとした陣痛誘発の方法について

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人工破膜をはじめとした陣痛誘発の方法について

出産予定日を過ぎてもなかなか子宮口が開かず陣痛も起きる気配がなかったり、破水して出産が始まったと思っても陣痛が弱いままでお産が進まなかったり、出産にはなかなか予定通りに行かないこともあります。そんな時は人工的に陣痛を誘発させたり促進させたりしてお産を進めることがあります。こちらでは、その方法などについて説明いたします。

陣痛誘発と陣痛促進の違いについて

分娩予定日を過ぎても出産が始まるような兆候が見られない場合、薬の投与などによって陣痛を起こさせ、分娩が始まるようにすることを陣痛誘発と呼びます。一方、陣痛自体は起きているものの陣痛が強くならないためにお産が進まない場合、子宮の収縮を助ける方法をとることを陣痛促進と呼びます。いずれかの方法をおこなう場合は、医学的な要件がきちんと条件が満たされていなければなりません。妊婦さんとお腹の中の赤ちゃんが経膣分娩(自然分娩)でも大丈夫かどうか、途中で帝王切開となった場合の施設側の準備が整っているかどうかなどの条件をクリアしていることが求められます。もちろん、妊婦さん自身や家族の同意も必要です。

陣痛誘発や陣痛促進のためにおこなわれる方法について

・卵膜剥離
妊婦さんの間では、「グリグリ」と呼ばれている方法で、陣痛を誘発するためにおこなわれます。出産予定日前後になっても子宮口が固く陣痛が起きる気配がない場合、内診時に医師が子宮内膜と密着している卵膜をはがし子宮の収縮をおこさせるものです。多少の痛みを伴うこともあります。

●ラミナリア桿
子宮口がなかなか開かない場合にラミナリアを使用することがあります。これは海藻の根を使って作られた子宮頸管拡張器具です。子宮頸管部に挿入すると次第に膨れ、人工的に子宮を開く補助の役目を果たします。子宮口の開き具合によって、挿入する本数が異なります。同様の働きをするダイラパンという器具を用いることもあります。

●メトロイリンテル
上記のラミナリアでは効果が見られなかった場合、メトロインテル(バルーン)で処置することがあります。メトロインテルをしぼんだままの状態で子宮口に挿入したあと、注射器でメトロインテル内に殺菌した水を少しずつ注入します。メトロインテルが膨れていくことで次第に子宮口が開いていきます。

●人工破膜
人工破膜は子宮口の卵膜を医師の指あるいは鉗子などの器具を使って破り、破水を起こすことです。子宮口が3㎝以上開いていながらも陣痛が強くならないときなどにおこなわれます。処置を施したあとは分娩に至るまで監視装置によって赤ちゃんの心拍の様子や子宮収縮の様子を監視します。

●子宮頸管熟化、陣痛誘発、分娩促進のための薬剤投与
赤ちゃんがいよいよ生まれる頃になると、それまでは赤ちゃんを支えるために強度を保っていた子宮頸部が次第に柔らかくなり、分娩しやすい状態になっていきます。この熟化が不十分なとき、マイリス、プロスタルモン、ブスコパンなどの薬剤を使用します。また、陣痛促進や分娩誘発のためにプロスタルモン、オキシトシンなどを使用することがあります。これらは分娩の進み具合、母体や赤ちゃんの様子などを総合的に診て使用します。効果や副作用の様子は個人差があり、使用時には事前に医師から説明を受けます。

いずれかの方法をおこなう場合も必ず必須条件をクリアしていなければならず、医師から説明を受けてからの実施となりますから、不明な点や副作用やリスクなど心配な点についは遠慮せずに質問をするようにしましょう。

陣痛誘発をおこなった場合の費用について

上記の様々な方法は自然分娩に繋がる処置となりますので、自然分娩と同じく保険は適応されず、基本的な金額に処置費用が加算されます。入院日数や処置方法によって、あるいは入院先によって費用額は異なりますので、出産のために入院する病院に費用についてあらかじめ問い合わせておくと良いでしょう。

出産は一人一人違います。進み具合も、処置に対する効果も個人差があります。初めての出産ならばなおさらです。わからないこと、不安なことは一人で抱え込まず、医師や看護婦さん、あるいは保健センターで気軽に相談してみてください。


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