麻酔

2015/11/17

帝王切開時に使用される麻酔の種類とそれぞれの特徴、副作用について

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帝王切開時に使用される麻酔の種類とそれぞれの特徴、副作用について

帝王切開には予定帝王切開のほか、分娩の進行状況などによって急遽行われる緊急帝王切開があります。どちらの場合も、麻酔はそれぞれの状況に適した方法を選択して手術を行います。帝王切開に使用される麻酔の種類や特徴、また副作用について解説します。

帝王切開の麻酔の種類は

帝王切開の際に用いる麻酔は大きく分けると 「局所麻酔」と「全身麻酔」の2つです。
2つの麻酔法は母体や赤ちゃんへの影響、また麻酔の効果などの点で違いがあります。
局所麻酔は、全身麻酔に比べて母子への影響が少ない麻酔方法です。そのため、帝王切開のときには第一選択となり、予定帝王切開の場合はほとんど局所麻酔で手術が行われます。
しかし、麻酔の効果が現れるまでの時間を比較すると、局所麻酔より全身麻酔のほうが短い時間で十分な効果が得られます。

局所麻酔はどんな麻酔法?

局所麻酔では「脊髄くも膜下腔」または「硬膜外腔」などの隙間に薬を注入し、胸から足にかけて痛みの感覚がなくなるように神経をブロックします。
局所麻酔の効果は、基本的には脳まで作用しません。そのため、お母さんの呼吸にあまり影響を与えず、意識がハッキリしています。赤ちゃんが生まれた際には産声を聴くこともでき、赤ちゃんとすぐに対面ができる場合もあります。

・局所麻酔の種類は?
局所麻酔の種類は脊髄くも膜下麻酔、硬膜外麻酔、また脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔の3つです。脊髄くも膜下麻酔は腰の辺りの「脊髄くも膜下腔」から、硬膜外麻酔は背中の中ほどにある「硬膜外腔」から薬を投与します。脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔は脊髄くも膜下麻酔と硬膜外麻酔の二つを組み合わせた方法です。
手術の際にはお母さんの状態や病院の方針などによって3つの中から選択します。
なお、脊椎麻酔や腰椎麻酔というときの麻酔法は脊髄くも膜下麻酔のことです。

・副作用はどんな症状?
局所麻酔をしたときには麻酔の影響でお母さんの血圧の低下、あるいは尿が出にくい、足に力が入りにくいなどの症状が現れることがあります。

全身麻酔はどんなときに必要?

全身麻酔は麻酔の薬を点滴で注入するか、マスクを口に当てて薬を肺に吸い込む方法などで行います。
全身麻酔を選択するのは、できるだけ早く麻酔の効果を得たい場合です。例えば緊急帝王切開の中でも特に母子に危険が迫り、速やかに分娩を完了しなければならないときなどです。
また、血液がなかなか固まらない傾向がある人は局所麻酔の針を刺すことによって神経に支障をきたすこともあるため、全身麻酔を選ぶことが多くなります。

・副作用は?
全身麻酔ではお母さんの脳に麻酔の薬が届くと眠くなって意識がなくなります。同時に、呼吸も弱くなりますが、手術は呼吸を補助しながら行うため苦しさはありません。
また、全身麻酔の場合、お母さんが嘔吐することもあります。意識のない状態で嘔吐すると嘔吐した物が肺に入ってしまい、肺炎などの症状が現れることも考えられます。

赤ちゃんへの影響としては、胎盤を通して麻酔の薬が赤ちゃんの脳にも影響して赤ちゃんが眠そうになったり、呼吸がやや弱くなったりすることもあります。しかし、麻酔の影響による症状は一時的なものと考えてよいでしょう。


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