導尿(どうにょう)

出産時の導尿(どうにょう)はなぜ必要なの?出産前に行う処置とその目的

出産の前には導尿や浣腸などの医療処置を行うことがあります。これらの処置は出産をする上でどんな効果があるのか?と疑問に思う人も多いことでしょう。ここでは、出産の前に行われる医療処置とその目的について紹介します。

出産前に行う処置にはどんなものがある?

出産の前にはお産が安全に、順調に進むようにさまざまな医療処置を行います。病院やクリニックによって行われる処置に違いはありますが、主に行われているのは導尿や剃毛、また浣腸や点滴などです。
それぞれどんな目的があるのかを見ていきましょう。

導尿の目的と内容

導尿は、やわらかな細い管を尿道口から膀胱に入れて尿をとる処置です。
膀胱内に尿が貯まっているとお産のときに赤ちゃんが下がりにくく、また、陣痛が弱くなったり、お産後には子宮の収縮を妨げたりする可能性もあるため予防的に導尿を行います。
陣痛があってもトイレで排尿できる間は基本的には導尿を行いません。しかし、赤ちゃんの頭が下がり、トイレに行くことや自力での排尿が難しくなった場合には導尿に切り替えることが多くなります。

剃毛の目的と内容

剃毛は次のような目的で陰毛の下半分ほどを剃ります。
まず、会陰切開や裂傷がある場合に切開などの傷口を縫いやすくすることが一つの目的です。縫いやすくするということは医師にとってのメリットだけでなく、きれいに縫合できると傷の回復につながることが期待できます。

また、陰毛は細菌が増殖しやすい環境のため、赤ちゃんやお母さんの傷口に細菌がついて感染するのを防ぐことが二つめの目的です。さらに、お産のときだけでなく、お産後は悪露が排出されるため陰毛に悪露がつくと会陰の傷口から感染しやすくなると考えられています。
しかし、剃毛と感染の間には関連がないという指摘もあり、剃毛を行わない施設も増えているようです。以前はほとんどの人に行われていた剃毛は、現在では毛深い人の場合に陰毛を少しカットするなど状況に合わせた対応へと変化しています。

浣腸の目的と内容

直腸など腸内に便が貯まっていることは赤ちゃんが下がりにくくなる要因の一つです。また、便がお産のときに出てしまうと分娩台が不潔になってしまう可能性もあります。そのため、腸内をできるだけ空にするように陣痛が始まって早めの時期に行うのが浣腸です。浣腸をすると腸を刺激して陣痛が促進され、分娩時間の短縮なども期待されています。
しかし、浣腸は必ずしも分娩時間の短縮につながらないという研究や便通がよい人への浣腸はあまり効果がないとの指摘もあるため、必要に応じて行われるようです。

点滴の目的と内容

お産のときには血管確保のために点滴を行います。
なぜ、血管確保が必要なのかというと、お産のとき、あるいはお産の直後にはさまざまなトラブルが起こりやすいためです。まれに大量出血や血圧上昇、またけいれんなど生命に危険なこともあるため、緊急の事態にもすぐに適切な対処ができるように血管を確保しておきます。さらに、急激な血圧低下などが起きてしまうと血管確保が難しくなるため、安全を優先して予め点滴を行うことが多いのです。

出産前の医療処置は、以前はほとんどの人に行っていましたが、現在は状況に合わせてできるだけ最小限に留める傾向があります。もし、医療処置の中で不安や疑問に思う場合には医師や助産師に相談するとよいでしょう。


2015/11/17

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