抗うつ薬

2015/11/17

妊娠中の辛いうつから抜け出したい!抗うつ薬は安全なの?

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妊娠中の辛いうつから抜け出したい!抗うつ薬は安全なの?

うつ病は、何かと不安の多い妊娠期にかかりやすい病気のひとつです。「生まれてくる赤ちゃんのために治したい!でも抗うつ薬って飲んでも大丈夫なの…?」と治療に二の足を踏む妊婦さんは多いものです。自分に一番合った治療法は何なのか、一緒に考えてみましょう。

放っておくと危険!誰にでも起こりうる妊娠中のうつ

妊娠期や出産後はホルモンバランスの変化が著しいため、うつになりやすい時期です。朝起きられなかったり、イライラしたり、わけもなく涙が出たり、とにかくやる気が出ず気分が落ちこんでしまう…以前にはなかったサインが出はじめたら、うつ病を疑う必要があります。自分の感情をコントロールできず、以前は普通にできていたことも思うようにできないことも。そんな自分が嫌になりますます落ち込むという悪循環に陥りがちです。症状が続くまま放置しておくとストレスが蓄積され、母体にも胎児にも影響を及ぼします。さらに深刻になると、思いつめて中絶や自殺といった悲惨な事態に至ることもあります。

まず知っておくべきことは、うつ病になってしまった自分を責めたり恥ずかしく思ったりする必要は全くない、ということです。うつ病は誰にでも起こりうる病気ですが、妊娠期は特に発症しやすい時期なのです。自分はそういう状況にあるのだと認識し、辛い状態を我慢せずに専門医に相談することが、回復への近道です。

妊娠中の抗うつ薬…飲むリスクと飲まないリスクを考えて

一般にうつ病の治療では、よく効いて安全性が高いSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という抗うつ薬が用いられます。ただいくら安全とはいっても、妊婦さんにとってはやはり副作用が心配なところですね。

複数の医療グループによる研究では、SSRI服用による胎児への影響は極めて低い、という結果が報告されています。その内容は、先天性欠損を持つ乳児1万人と持たない乳児6000人の母親が妊娠初期にSSRIを服用したかどうかを調査するものですが、頭蓋骨早期癒合症、臍帯ヘルニア、心臓欠陥についてはSSRIの服用との関連はないという結果でした。

SSRIにも幾つか種類がありますが、なかでもジェイゾロフトとパキシルというお薬(いずれも薬名)については心臓中隔欠損や肺血流阻害をもたらす欠損との関連が見られましたが、「リスクへの影響は1%未満」と報告されています。

SSRI服用の有効性と安全性の高さが報告されても、薬の服用をためらう妊婦さんも多いものです。しかし、うつ病進行によるストレス、胎児の成長抑制や妊婦のアルコール依存、自殺など、薬を飲まないことによる別のリスクの方が高いというのが現在の共通認識です。薬の服用に迷ったら、飲むリスクと飲まないリスクを考え、またお医者さんによく相談して決めることをおすすめします。

それでも服用に抵抗がある場合は、行動療法や心理療法に助けを求めるのもよいでしょう。認知行動療法では、きっかけとなった出来事を整理し、考え方や心の持ち方、行動をどう改善したらいいかとカウンセリングを通して考え、治療していくものです。じっくりと話を聞いてもらい、うつ病の要因になる思考を取り除き改善された行動をとることで、少しずつうつ病の症状を緩和していきます。

ひとりで悶々と悩むことはありません。専門の機関で症状を話すだけで楽になる場合もあります。まずは産婦人科のかかりつけ医や精神科に相談し、自分に合った治療法を見つけることが大切です。


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