催奇形性

妊娠中の服薬の注意と、催奇形性(さいきけいせい)のリスクについて

妊娠がわかった後で持病や風邪の薬を服用する場合、赤ちゃんに影響がないか心配になりますよね。赤ちゃんに悪影響が出る可能性のある薬は少ないのですが、ここでは胎児に奇形が起こる危険性という意味の催奇形性(さいきけいせい)と、服薬について解説します。

催奇形性(さいきけいせい)とは?

妊娠中に薬を服用したときに、胎児に奇形が起こる可能性を催奇形性(さいきけいせい)と言います。赤ちゃんに良くない影響を及ぼす薬の種類は、実はさほど多くはありません。
市販されている頭痛薬や鎮痛剤、風邪薬を決められた用法通りの量と回数を服用した場合、心配はほとんどありません。実際に日本での調査では、薬剤による催奇形性(さいきけいせい)率は、1万人中3人とされています。
では、どんな時期にどんな薬を服用するのが危険なのでしょうか。

妊娠中の服薬に欠かせない注意は?期間や薬の種類について

妊娠4週~15週末までに、赤ちゃんの脳や心臓やなどの大事な器官が形成されます。この時期に、赤ちゃんに悪影響を及す薬を飲んでしまうと、これらの器官をうまく作れなくなり、形態異常が生じます。16週以降には、奇形をおこす危険はほぼなくなりますが、赤ちゃんの身体の機能や発育に悪影響を及ぼします。妊娠3週未満に服用した薬は、赤ちゃんへの影響は心配ないか、あるいは流産してしまいます。
新薬を開発する際には、催奇形性(さいきけいせい)の厳重なチェックが行われています。日常的な病気に対する薬で、強い催奇形性の可能性があるものは、薬として許可されず、販売されることもありません。

実際に使われている薬で、催奇形性(さいきけいせい)の可能性があるのは、わずかな特殊な薬だけです。
おもなものは、抗凝血薬のワルファリンや抗てんかん薬、一部の抗がん剤、C型肝炎治療薬のリバビリンなどです。薬による催奇形性は、1960年代のサリドマイド事件がきっかけで認識され、医療や薬事行政で慎重に考慮されています。
日本では、このような薬が妊婦さんに処方されるのは、代替薬がなく治療上の必要性がきわめて高い場合だけですが、実際にはほとんどありません。。

実際にどんな催奇形性の症例があるの?

今までに報告されている催奇形性(さいきけいせい)のある薬には、以下のようなものがあります。
  抗てんかん薬による胎児性ヒダントイン症候群・顔面奇形、睡眠導入剤のサリドマイドによる四肢の奇形・心臓奇形が報告されています。胃潰瘍の治療薬のミソプロストールは、強い子宮収縮作用を起こすので、流産が多くなり、海外で催奇形が疑われる報告が複数あります。抗凝固薬で血栓症予防に用いられるワルファリンでは、軟骨形成不全と小頭症が報告されています。

また、チョコラAなどのビタミンAは脂溶性で胎盤を通過してしまうので、大量に服用すると奇形児のリスクが高くなります。実例では、耳の形態異常が発症しています。
さらに、妊婦さんに持病があり治療を受けていると、早産になりやすいというデータもあります。特に腎臓の病気と高血圧で、早産のリスクが高くなります。

正しい薬の知識を身につけて、催奇形性(さいきけいせい)のリスクを減らそう

持病のあるかたは、妊娠が判明したらすぐに主治医と相談して、催奇形性(さいきけいせい)のリスクを減しつつ治療を受けましょう。 そうでない方も、赤ちゃんに影響を及ぼす薬を知って、きちんとした服用の知識を知っておくといいですね。薬を飲む前に、自分が妊娠している可能性がないか、その薬がどの必要かを考えてみましょう。


2015/11/17

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