子宮筋腫

妊娠中に子宮筋腫があるとわかったらどうする?リスクや対処法について

子宮筋腫があっても気づかない女性は多く、妊娠を機に検査を受けて子宮筋腫が判明することは少なくありません。子宮筋腫がある場合、妊娠中のリスクとしてはどんなことが考えられるのか?また、どのように対処したらよいのかをお話しします。

子宮筋腫とは

良性の腫瘍である子宮筋腫は、直接、生命にかかわるものではありません。しかし、筋腫のできる場所や大きさなどによって不正出血や月経時の出血量の増加、また不妊や流・早産のリスクを高くすることもあります。
子宮筋腫の増える速さや数は個人差があり、大きさも米粒ほどの小さなものから10kgを越すような大きなものまでさまざまです。
大きな筋腫の場合には、子宮肉腫との鑑別が重要になります。

子宮筋腫の種類と主な症状

子宮筋腫はできた部位によって粘膜下筋腫、筋層内筋腫、漿膜下筋腫の3つに分類されます。それぞれの筋腫について症状をみていきましょう。

・粘膜下筋腫
子宮内膜にできるもので子宮の内側へと大きくなる筋腫です。子宮筋腫のうち、およそ10%を占めます。粘膜下筋腫は小さくても症状が現れることが多く、不正出血をはじめ、月経のときの出血量の増加や過多月経、また月経痛がひどくなることなどが特徴です。さらに、貧血や動悸などの症状も起こりやすくなります。

・筋層内筋腫
子宮筋腫のうちおよそ70%が筋層内筋腫で、子宮壁にある筋肉の中にできる筋腫です。小さなうちは無症状で経過することが多く、大きくなると過多月経のほか、頻尿や便秘、また下腹部痛などが現れます。

・漿膜下筋腫
子宮の外側を覆っている漿膜にできるため子宮の外側へと大きくなり、1kgを越す大きさになる場合もあります。目立った症状がないことも多く、症状がある場合もほとんどが下部痛や腰痛、また頻尿などです。しかし、筋腫が捻転すると急激な腹痛が生じます。

妊娠中に判明した場合のリスク

子宮筋腫があると受精卵の着床できる場所が狭まり、また子宮内壁の変形や硬くなるなどの変化によって不妊のリスクが高まるだけでなく、流産や早産のリスクを高くします。

子宮筋腫はできた部位や大きさ、数などによってリスクの程度は異なり、問題なく過ごせる場合もありますが「子宮筋腫合併妊娠」として管理されます。診断基準は病院によって異なりますが、筋腫が10個ほどある場合や大きさが5cm以上のものがあるときには悪化しないように管理する必要があるでしょう。
妊娠の継続に、あるいは分娩の際に支障があると判断された場合は妊娠中に「筋腫核出手術」により筋腫のみを摘出することがあります。

出産時の子宮筋腫の影響として考えられることは、まず子宮の収縮が妨げられて微弱陣痛になることです。子宮筋腫があるとその部分の子宮の壁が収縮しにくいため、しっかりした陣痛が起こりにくいためです。また、筋腫が子宮口の近くにある場合は産道通過障害となる場合もあり、分娩が進行しないと判断されると母子の安全を図るために帝王切開が行われます。
出産後においても、筋腫による子宮収縮の妨げによって出血量が増加する傾向があるため注意深い管理が必要です。

子宮筋腫と帝王切開

子宮筋腫があると分娩時は必ず帝王切開になると考える方がいますが、必ずしもそうとは限りません。前述の通り子宮筋腫が子宮口の近くにある場合は赤ちゃんが通過できないため帝王切開が予定されますが、その他の場合の多くは陣痛が起きた段階で赤ちゃんの頭がどの程度下がってきているか、またその後のお産の進み具合等をみながら状況に合わせて判断されます。

心配しすぎず主治医に相談を

子宮筋腫はできた場所、また大きさなどによって妊娠や出産、さらに赤ちゃんへの影響も異なります。しかし、医師の管理の下で注意深く経過観察することによって適切な対処につながり、多くの人がリスクを乗り越えて出産を迎えています。
一人で心配しすぎずに医師に相談し、判断を仰ぐとよいでしょう。


2015/11/18

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