子宮頸がん

2015/11/18

妊娠中に子宮頸がんが発覚した場合のリスクと対処法

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妊娠中に子宮頸がんが発覚した場合のリスクと対処法

待望の妊娠に喜ぶのもつかの間、「子宮頸がん」になったなどということになったらショックですね。妊娠中の「子宮頸がん」のリスクや対処法、そして、予防できる唯一のがんである「子宮頸がん」の予防法、子宮頸がん検診の必要性などをご紹介します。

子宮頸がんとは

子宮に発症するがんには、「子宮体がん」と「子宮頸がん」があります。子宮の上部の袋状になっている部分に発症する「子宮体がん」に対して、子宮の下部にある頸部に発症するのが「子宮頸がん」です。子宮がんのうち約7割が「子宮頸がん」になります。
以前は40~50歳代の女性に多い病気でしたが、最近は若年化し、20歳代の若い女性の発症が増加して、30歳代後半がピークとなっています。そのため、妊娠と「子宮頸がん」との合併が多くみられるようになりました。

子宮頸がんを発症しやすい人の傾向

「子宮頸がん」は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因なので、ウイルスが感染しやすい条件下で発症します。初交の年齢が早い人、あるいは、パートナーの数が多い人、喫煙している人ほど発症しやすいといわれています。また、出産経験の回数が多い人も比較的確率が高くなります。

妊娠中に子宮頸がんが見つかった場合の対処法について

妊娠中に「子宮頸がん」が見つかったときは、なるべく最小限の手術にとどめるように配慮します。もし、がんが進行しているようなら、治療は難しいものになり、母子の命にかかわる場合もあります。

「子宮頸がん」は、がんの進行段階によって0期、I期、II期、III期、IV期と分類されますが、妊娠中に合併する「子宮頸がん」は0期やI期が多く、がんが粘膜上層皮にとどまっている0期の場合は、無事出産が終了するまで治療を行わず、経過を観察するようになります。I期は、さらにがんの拡がりや浸潤具合によりIa1、Ia2、 Ib1、Ib2と病期が分類されます。

がんが子宮頸部にみられるI期のIa1までのときは円錐切除術を検討します。この場合、妊娠は継続可能ですが、子宮頸管が短くなるので流産や早産を引き起こしやすくなります。そのため、頸管を閉じる子宮頸管縫縮術を同時に行わなければならないこともあります。この手術を受けた場合経膣分娩が可能な場合もありますが、臨月になって抜糸しても締めた箇所が硬化し、出産の際に胎児が出にくい、頸管に裂傷ができるなどのリスクも出てくるため帝王切開になる場合もあります。

Ia2期以上の症状では、転移などの可能性も発生するので子宮の摘出手術も検討されるようになります。胎児を守りながらの治療法もあるので、担当医とよく相談することをおすすめします。

子宮頸がんの原因とワクチン接種について

「子宮頸がん」のほとんどの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染によるものとわかってきました。HPVに感染しているからといって必ず子宮頸がんになるとは限りませんが、発症するリスクが高くなります。このウイルスは子宮頸部に感染したあと定着します。HPVに感染した後、90%以上の人は2年以内にウイルスが排除されると考えられていますが、免疫力が低下している人が感染すると、ウイルスを排除できずに数年から数十年にわたって感染が持続し、がんへと進行してしまいます。

「子宮頸がん」の予防にはワクチンが有効です。ワクチンを6か月のうちに3回打つことで、ウイルスに対する免疫ができます。妊娠・出産のためにもワクチンを接種して、妊娠したときに後悔しないようしっかり予防しましょう。
子宮頸がんワクチンは10代のうちに受けなければ効果がないと考える方がいますが誤解です。20代、30代になって受けても効果があります。しかし既にHPVに感染している人や子宮頸がんになっている人には効果がなく、あくまで予防のためのワクチンです。副反応などの報道もあり心配される方もいますが、接種については産婦人科のお医者さんによく相談して決定しましょう。

子宮頸がん検診の現状とその必要性

「子宮頸がん」は、定期検診とワクチンの接種により予防できる唯一のがんです。子宮頸がん検診は20代以上の女性は2年に1回程度受けることが推奨されており、一定の年齢の女性には無料クーポン券が配布されるなど、検診の受疹を推奨しています。しかし、検診の受診率は約30%にとどまり、他のがん検診に比べ低いままなのが現状です。

そのため、妊婦検診では子宮頸がん検診も行われます。妊娠初期の8週から10週までに受けるようにしましょう。胎児と母体を守るためにも早期発見が望まれます。早期発見と治療のために、定期検診、そしてワクチン接種が重要になります。


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